サーガマニュアル2007秋 さ ざ
2007年9月17日□ サーフロー=留置針(りゅうちしん) ・・ 24時間点滴など長時間の点滴を要する場合に、これで血管を確保する。けっこう高価。
□ 細菌性胸膜炎 ・・ 細菌感染によって、気道から入った菌が肺炎を起こし、やがて肺とその外の胸膜との間である「胸膜腔」に炎症を起こして胸水がたまった状態。これが膿だと「膿胸」。なお胸水から菌が検出されることはむしろ少ない。
□ 細菌性髄膜炎 ・・ 髄液が流れる髄液腔に浸潤した細菌による炎症。症状・合併症はむしろこれによる免疫応答によるところが大きい(なので抗生剤で菌が消えても所見続くことあり)。健康人成人発症では肺炎球菌が最多(重症になりやすい)、たまにB型連鎖球菌、リステリア(髄膜炎菌、インフルエンザ菌はまれ)。古典的3主徴(発熱・頭痛・項部硬直)は9割に認める。ひどいと痙攣、頭蓋内圧亢進による意識障害。疑われた場合は血液培養はもちろん抗菌治療を早期に開始する(救急室到着後60分以内!)。肺炎球菌がターゲットだが細菌はペニシリン・セフェム耐性菌が増えたため、小児・成人ともに3代セフェムとVCMの併用を考慮する。ABPCに関しては3ヶ月以下、55歳以上または免疫低下患者の場合に投与。脳膿瘍・硬膜下血腫が疑われる場合はMRIで確認。髄膜炎ではGd造影で広範な髄膜増強効果をみるが特異的所見ではない。髄液所見で糖19mg/dl以下、蛋白220mg/dl以上、細胞数2000/mm3以上あるいは多核白血球1180/mm3以上はこれを強く示唆する所見であるとの報告あり。
□ 再狭窄=re-stenosis=リステ ・・ 冠動脈への形成術(バルーンやステントなど)のあと、しばらくして造影してみたらまた細くなっていた状態。
□ サイクリング療法 ・・ 抗生剤頻用による耐性菌増加を抑制するため、数種の抗生剤を一定期間ごとにローテーションしていく方法。まだ確立された方法ではなくエビデンス待ち。
□ 再生不良性貧血=アプラ ・・ 骨髄の全系統(赤血球・白血球・血小板)の産生が抑制された状態。
□ 臍帯血幹細胞移植=CBSCT=cord + BSC(血液幹細胞)+transplantation(移植) ・・ HSCT=造血幹細胞移植で最も好ましい?HLA一致同胞、また次の手段?非血縁者間骨髄・・これらは骨髄バンクで努力がみられるが依然として症例が足りない。そこで第3世代のHSCTとして期待されているのがこれ。出産後に回収される臍帯血は量こそ少ないが未分化(T細胞少なく拒絶少ない)・大きな増殖能をもち、移植1年後の増殖能力が強い。このため幅広い効果が期待されているが、現状では急性白血病で良い成績を上げているものの、それ以外の疾患、特にMDSや再生不良性貧血では成功例がまだ少なくこれからの成績が待たれるところだ。
□ サイナス=サイナスリズム=OSR=NSR=正常洞調律 ・・ 心電図の所見で、つまり不整脈がないことを指す。
□ 左心耳(さしんじ) ・・ 左心房の中の盲点的部分。袋小路。通常の心臓超音波では見えにくい隙間部分。血液の流れが遅いので淀みやすく、特に心房細動や拡大した左心房ではここに血栓が出来やすい。確認は経食道エコーで。
□ サスペクト=サスプ=s/o=疑い
□ 左方移動 ・・ 激しい炎症・あるいはある種の白血病が原因で、成熟途中の若い細胞が、未熟な役目の状態で血液中に放り出され多数みられること。結果的に検査項目の『血液像』で<stab>の増加がみられる。
□ サルコイドーシス=サ症=サル ・・ 肉芽腫形成を特徴とするびまん性肺疾患。病変部位から皮膚の常在菌であるPropionibacterium.acnesつまりアクネ菌が分離されたのは有名な話。これが原因とまでは確定してないが、サ症のリンパ節にはアクネ菌またはその系統のDNAが存在しているのは確かだ。そこでアクネ菌に対して何らかの遅延型アレルギーを有する人だけに、ストレスなどの環境要因によってアクネ菌増殖が起こって肉芽腫が形成されてサ症を発症するという仮説がある。
□ ?音 ・・ 心音のうち、?音の直後聴かれることのある音。心不全のとき聴かれるが、健康成人でも聴かれることあり。
□ 散瞳 ・・ 瞳孔が拡大している状態。ペンライトで反応しない場合、死亡確認の根拠の1つとして表現される。
□ 三方活栓=三活 ・・ 点滴のコードの途中にある、たいてい緑か青か透明の「T」字型のちっちゃい器具。向きを変えることで点滴を流したり止めたりする。血液がこびりつくと外しにくくなる。
□ 三割負担 ・・ サラリーマンなど仕事している人間・その家族が、かかった医療費に対してまかなう割合。この引き上げによりサラリーマンの受診率は激減している。会計で大声でもめている患者がいれば・・そうかもしれない。
□ 在宅酸素療法==在宅酸素=HOT(ホット) ・・ その字の通りで、自宅で酸素ボンベを備え付けて鼻カニューラで酸素を吸う。持ち運びもオプションで。肺気腫への適用が多い。
なお適応としては
? PaO2 55Torr以下
? PaO2 60Torr以下でも睡眠時または運動時に著しい低酸素を来たし、医師が必要と判断した場合
最近は心不全でもOKが出たが、半端な治療下での不適当な使用が目立つ。
身体障害者(呼吸障害)の書類作成にあたっては、呼吸器学会の認定医の資格がいる。
■ 残胃癌(ざんいがん) ・・ (胃癌で)初回手術後に再発したタイプと、その手術とは関係なく新規にできたタイプに分けられる。なお日本では初回手術後の再発率は0.6%と低い。依然残っていた発癌刺激によるもの、また胃内部環境の変化(胆汁逆流しやすいBillroth II法やピロリ)が誘因と考えられている。なので幽門の温存はダンピング予防だけでなく残胃癌の予防にもなる。
□ 細菌性胸膜炎 ・・ 細菌感染によって、気道から入った菌が肺炎を起こし、やがて肺とその外の胸膜との間である「胸膜腔」に炎症を起こして胸水がたまった状態。これが膿だと「膿胸」。なお胸水から菌が検出されることはむしろ少ない。
□ 細菌性髄膜炎 ・・ 髄液が流れる髄液腔に浸潤した細菌による炎症。症状・合併症はむしろこれによる免疫応答によるところが大きい(なので抗生剤で菌が消えても所見続くことあり)。健康人成人発症では肺炎球菌が最多(重症になりやすい)、たまにB型連鎖球菌、リステリア(髄膜炎菌、インフルエンザ菌はまれ)。古典的3主徴(発熱・頭痛・項部硬直)は9割に認める。ひどいと痙攣、頭蓋内圧亢進による意識障害。疑われた場合は血液培養はもちろん抗菌治療を早期に開始する(救急室到着後60分以内!)。肺炎球菌がターゲットだが細菌はペニシリン・セフェム耐性菌が増えたため、小児・成人ともに3代セフェムとVCMの併用を考慮する。ABPCに関しては3ヶ月以下、55歳以上または免疫低下患者の場合に投与。脳膿瘍・硬膜下血腫が疑われる場合はMRIで確認。髄膜炎ではGd造影で広範な髄膜増強効果をみるが特異的所見ではない。髄液所見で糖19mg/dl以下、蛋白220mg/dl以上、細胞数2000/mm3以上あるいは多核白血球1180/mm3以上はこれを強く示唆する所見であるとの報告あり。
□ 再狭窄=re-stenosis=リステ ・・ 冠動脈への形成術(バルーンやステントなど)のあと、しばらくして造影してみたらまた細くなっていた状態。
□ サイクリング療法 ・・ 抗生剤頻用による耐性菌増加を抑制するため、数種の抗生剤を一定期間ごとにローテーションしていく方法。まだ確立された方法ではなくエビデンス待ち。
□ 再生不良性貧血=アプラ ・・ 骨髄の全系統(赤血球・白血球・血小板)の産生が抑制された状態。
□ 臍帯血幹細胞移植=CBSCT=cord + BSC(血液幹細胞)+transplantation(移植) ・・ HSCT=造血幹細胞移植で最も好ましい?HLA一致同胞、また次の手段?非血縁者間骨髄・・これらは骨髄バンクで努力がみられるが依然として症例が足りない。そこで第3世代のHSCTとして期待されているのがこれ。出産後に回収される臍帯血は量こそ少ないが未分化(T細胞少なく拒絶少ない)・大きな増殖能をもち、移植1年後の増殖能力が強い。このため幅広い効果が期待されているが、現状では急性白血病で良い成績を上げているものの、それ以外の疾患、特にMDSや再生不良性貧血では成功例がまだ少なくこれからの成績が待たれるところだ。
□ サイナス=サイナスリズム=OSR=NSR=正常洞調律 ・・ 心電図の所見で、つまり不整脈がないことを指す。
□ 左心耳(さしんじ) ・・ 左心房の中の盲点的部分。袋小路。通常の心臓超音波では見えにくい隙間部分。血液の流れが遅いので淀みやすく、特に心房細動や拡大した左心房ではここに血栓が出来やすい。確認は経食道エコーで。
□ サスペクト=サスプ=s/o=疑い
□ 左方移動 ・・ 激しい炎症・あるいはある種の白血病が原因で、成熟途中の若い細胞が、未熟な役目の状態で血液中に放り出され多数みられること。結果的に検査項目の『血液像』で<stab>の増加がみられる。
□ サルコイドーシス=サ症=サル ・・ 肉芽腫形成を特徴とするびまん性肺疾患。病変部位から皮膚の常在菌であるPropionibacterium.acnesつまりアクネ菌が分離されたのは有名な話。これが原因とまでは確定してないが、サ症のリンパ節にはアクネ菌またはその系統のDNAが存在しているのは確かだ。そこでアクネ菌に対して何らかの遅延型アレルギーを有する人だけに、ストレスなどの環境要因によってアクネ菌増殖が起こって肉芽腫が形成されてサ症を発症するという仮説がある。
□ ?音 ・・ 心音のうち、?音の直後聴かれることのある音。心不全のとき聴かれるが、健康成人でも聴かれることあり。
□ 散瞳 ・・ 瞳孔が拡大している状態。ペンライトで反応しない場合、死亡確認の根拠の1つとして表現される。
□ 三方活栓=三活 ・・ 点滴のコードの途中にある、たいてい緑か青か透明の「T」字型のちっちゃい器具。向きを変えることで点滴を流したり止めたりする。血液がこびりつくと外しにくくなる。
□ 三割負担 ・・ サラリーマンなど仕事している人間・その家族が、かかった医療費に対してまかなう割合。この引き上げによりサラリーマンの受診率は激減している。会計で大声でもめている患者がいれば・・そうかもしれない。
□ 在宅酸素療法==在宅酸素=HOT(ホット) ・・ その字の通りで、自宅で酸素ボンベを備え付けて鼻カニューラで酸素を吸う。持ち運びもオプションで。肺気腫への適用が多い。
なお適応としては
? PaO2 55Torr以下
? PaO2 60Torr以下でも睡眠時または運動時に著しい低酸素を来たし、医師が必要と判断した場合
最近は心不全でもOKが出たが、半端な治療下での不適当な使用が目立つ。
身体障害者(呼吸障害)の書類作成にあたっては、呼吸器学会の認定医の資格がいる。
■ 残胃癌(ざんいがん) ・・ (胃癌で)初回手術後に再発したタイプと、その手術とは関係なく新規にできたタイプに分けられる。なお日本では初回手術後の再発率は0.6%と低い。依然残っていた発癌刺激によるもの、また胃内部環境の変化(胆汁逆流しやすいBillroth II法やピロリ)が誘因と考えられている。なので幽門の温存はダンピング予防だけでなく残胃癌の予防にもなる。
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