□ ジアゼパム ・・ ベンゾジアゼピン系で、セルシン・ホリゾンが代表。痙攣を抑える目的で使用。人工呼吸管理時の自発呼吸抑制目的でも使用。通常の使用では呼吸抑制に注意。

□ 時間外手当=時間外労働手当=時間外 ・・ レジデントには無縁。一般病院では時間外手当がつくところと、つかないところあり。再就職の際はチェックしておくべき。

□ ジギタリス ・・ 強心剤。つまり心臓の収縮力を強くする作用あり。徐脈傾向になるので夜間の徐脈など要注意。投与量が過量だと中毒となる。濃度が正常でも高めの場合、高齢者で中毒症状起こすことあり。病院では略して「ジギ」と称される。

□ ジギタリス中毒=ジギ中 ・・ 血液中のジギタリス濃度が上昇して、消化器症状(嘔吐・食欲不振)、黄視、精神症状、不整脈がみられた場合。不整脈では2段脈が多く、その他頻脈性の不整脈が多い。中毒には過量投与のほかに誘因がある場合もあり、多いのは低カリウム血症、腎機能障害、高齢者。なお定期的に検査する血中濃度が正常でも高めなら中毒症状に至ることもあるので高齢者では特に配慮が必要。

□ ジギラノゲンC ・・ 注射版のジギタリス製剤。心房細動・上室性頻拍に、まず最初に使用。

□ 自殺企図(じさつきと) ・・ 自殺を図ろうと薬物中毒、外傷で搬送されてくる患者。夜間だと精神科でなく一般の病院で見ざるをえない場合もある。家族は付き添うべき。

□ 事務長 ・・ 病院の外来・病棟の管理責任をもつほか、職員・患者の意見・苦情を聞き、職員採用・解雇などの人事を仕切り、病院存続を第一に奮闘する。裏では卸業者らとつるんでゴルフ・酒三昧など、けっこうおいしい面もある。

□ 事務当直 ・・ 夜間交代で当直している事務員。ボイラー管理、夜間の見回り、救急搬送電話の受付など仕事は多い。眠れるかどうかは当直医同様、救急のあるなし次第。給与は様々で1回につき5千円〜1万未満といったところ。安いせいか必然的にコネつきの中年・高齢退職者になることが多い。

□ 若干(じゃっかん) ・・ 明確な定義はない。医師がよく使う表現。

□ 重症部屋(じゅうしょうべや) ・・ 部屋にそういう名前はつかないが、たいてい詰所の間近で呼吸器などついていて意識のない患者が数人入院している部屋をそう呼ぶことあり。

□ 十二指腸潰瘍=DU ・・ 若年男性に多い。空腹時のみぞおちの痛み。ガスター10で治ればいいが効かなければ胃カメラ受けるかPPIを処方してもらおう。

■ 自己免疫性膵炎=autoimmune pancreatitis=AIP 

 その発症に自己免疫機序の関与が疑われる膵炎。2002年に診断基準が出来、さらに膵臓外病変やIgG4抗体の存在など新たな知見を加え、2006年に改訂がなされた。

 高齢男性(60歳代ピークで50-80歳だと8割)に多く閉塞性黄疸で発症(3割)することが多い。また腹痛も同頻度で、上腹部不快として自覚すること多く、つまり典型的な腹痛というようなものでないところが本来の膵炎と異なる。

 以下の膵外病変の合併がみられることがある(主に3つ)。

・ 硬化性胆管炎 ・・ 胆管の限局性狭窄だが、ステロイドへの反応が良好という意味でPSCとは区別される。

・ 硬化性唾液腺炎 ・・ 無痛・弾性硬の顎下・耳下・涙腺の腫脹を認めるがSS-A/B抗体が陰性である点でシェーグレンと区別される。

・ 後腹膜線維症 ・・ 付近の尿管・下大静脈の圧迫による水腎症、下腿浮腫。

 画像検査で腫瘍性病変が否定的で、

?膵管狭窄像(ERCPにより証明。MRCPは不向き)。典型では全膵管長の1/3以上を占める。

?膵腫大 :びまん性の腫大で、<ソーセージ様>あるいは<たらこ状>と表現される。腹部超音波では低エコー主体で内部高エコー散在。ダイナミック造影CTで(早期か遅延相)、腫大した膵周囲の低吸収域:capsule-like rimを認める。これは炎症・線維化の波及を意味する。

 が証明されれば強く疑われる。

 また、膵外病変の検出にはFDG-PETが有用。

 採血・画像(前述のものと重複するが)では・・

 ・ 高ガンマグロブリン血症、高IgGなかでもIgG4:特異的ではないが135mg/dl以上はほぼ確実。
・ 自己抗体では抗核抗体(ANA)、抗ラクトフェリン抗体(ALF)、抗炭酸脱水酵素?抗体(ACA)が50%以上の陽性率。
・ HLAではDR4・DQ4が高頻度。
・ 生検(超音波内視鏡・超音波ガイド下で膵生検・・膵管周囲に細胞浸潤と線維化を認める、あるいはERPで胆汁・膵液細胞診など)した組織の結果より確定診断となる。
・ ERCPでは下部胆管狭窄にともなう閉塞性黄疸を認める率が高い(7割)。
・ 2型糖尿病をよく合併する(6割半)。

 治療は経口ステロイド剤が有効。ほとんどが1-2週間で改善傾向をみる。具体的にはPSL内服 30-40mg/dayより開始、1-2週ごとに5mgずつ減量して最終的に2.5-5mg/dayへ、以後維持量(実際は維持量5-10mgがすすめられている)。維持期間はエビデンスないが6-12ヵ月が通例で再発を見極めながらの経過観察となる。離脱例もあるが再発例もあり。なお自然軽快する例もあるので1-2週間様子をみるべきという意見もある。 

※ ステロイドが効かない場合は膵癌のほうをむしろ再び疑う必要が出てくる。

※ 2006年基準はネット上載ってないようだ。以下はそれに関連したものあり。

http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/111_i.htm

□ 十二誘導=十二誘導心電図=心電図 ・・ 心臓を走る電気を12個の波形に分けて解釈するもの。手足首につける「四肢誘導」と胸につける「胸部誘導」に分かれる。

□ 準夜(帯) ・・ ナースの勤務帯のうち、夕方〜深夜0時あたりまでの勤務をさす。ただし0時の申し送りが終わってもそのあと記録の記載があったりで、帰宅が深夜の2−3時になることも珍しくない。

□ 女医不足 ・・ 女性医師の数が毎年10%ずつ増加しているにもかかわらず(臨床医の15%)、実際は結婚して子供が生まれるとなかなか仕事と両立できない。なので現場から離れる女医も増え続ける。女医の求人のほとんどがフルタイム(朝から晩まで平日出勤)という条件だからだそうだ。なので厚生省は今後、非常勤・パートタイムという(単発でしかも数時間勤務)条件で登録をお願いしていくそうだ。

□ 上行大動脈 ・・ 心臓から出てくる血液を全身に運ぶ、大動脈の最初の部分。やがて首付近でUターンし、「大動脈弓」と呼び名が変わる。

□ 上腕二頭筋断裂
・ 頻度は中枢側が多い。
・ 損傷は腱の慢性腱鞘炎による場合、加齢による変性などで起こる。動作では重量物を持ち上げた際に起こりやすい。
・ 視診で筋肉のふくらみが左右非対称。断裂腱が完全に退縮しているとピンポン球のように見える。
・ 筋力は近位腱の場合はほとんど低下しないが遠位腱では膝関節の屈曲力と前腕の回外力が低下する。
・ 近位腱では高齢者でADLに影響ないなら保存的治療(三角巾固定最低3週間)。遠位腱は手術優先。

□ 除菌療法 ・・ ヘリコバクター・ピロリに対する除菌療法を指す。抗生剤2種類に最強胃薬(プロトンポンプ・インヒビター)を1週間。抗生剤2種類も使用なので下痢が2・3割に起こる。除菌に失敗すればもう1度トライするが、それ以降は保険の適応外薬など現実的に手を出しにくいことが多く、一番の問題点となっている。

□ 褥創(じょくそう) ・・床ずれ。仙骨部(お尻の割れ目の直上)に好発。ベッドとの摩擦が続くことで起こる。体位変換で予防。低アルブミンはこれを悪化させる。

□ 助手 ・・ 大学病院での役職。講師より下だが研修医よりは上。つまり「その他」的な存在。しかし社会的な格はつく。
 例文)「僕は大学助手だから、バイトに制限があってヤだよ」

□ 徐脈 ・・ 定義では1分間に60回以下の脈。異型肺炎では高熱の割に脈が速くないので「比較的徐脈」と呼ばれる。なお徐脈は英語で「bradycardia(ブラディカルディア)」。職場では「ブラディ」と呼ばれる。

□ 腎臓癌 ・・ このうち85%が腎癌=腎細胞癌(グラヴィッツ腫瘍)で、あと腎盂癌(15%)、ウィルムス腫瘍(小児)。喫煙と関係があり遺伝的要因の指摘あり。3主徴は?血尿(6割にみる)、?腹部腫瘤、?疼痛。血行転移をきたしやすく早期発見しなければ転移した状態で見つかる。外来でなかなか発見がしにくい癌の1つ。しかし年間1万人が発症している(50-60代で男>女)。検査では採血・検尿のほか超音波・CT、IVPやMRIにて腫瘍の存在を証明し、さらに血管造影で腫瘍のタイプを推定していく。腎細胞癌の治療は進行の度合いにより、インターフェロンα・インターロイキン2を主体とした保存療法と、手術療法を組み合わせる。通常の化学療法・放射線療法には抵抗性。

□ 腎機能=ジンキ ・・ 以下の「腎機能障害」参照。血液検査上での腎臓の能力を表す。仕事場では「ジンキ」と略される。

□ 腎機能障害 ・・ 主には血液検査での?BUN、?Crで評価される。?の比重が高いと脱水や消化管出血が疑われる。

□ 人工内耳 ・・ 内耳の蝸牛部に電極を埋め込み、受信装置(側頭部の皮下)から電気刺激を送り出して聴神経を刺激し言語理解を可能にする。ペースメーカーのような形態になるが、電力はさらに外部から供給される形なので、ペースメーカーのような再手術は必要ない。適応は聴力レベルで成人90dB以上、幼小児100dB以上。年齢は日本では2歳以上、アメリカでは12ヶ月以上。なお埋め込み後、成人は半年で聴力が安定するが、小児では2-3年要するという。

□ 腎血管性高血圧 ・・ 腎血管病変による高血圧。高血圧患者の数%の頻度。高血圧のコントロールが容易になって2次性疾患の検索がおざなりになることが増えており、見逃しの可能性も高くなってきている(特に開業医)。
 具体的には腹部の血管雑音陽性、若年特に35歳以下の高血圧、腎機能障害目立つ高血圧→レニン・アルドステロン(カテコラミンも合わせて)採血とCT・腹部超音波検査→MRA・三次元CTなどで検索していく。教科書的にはカプトリル負荷試験(+レノグラム)、超音波ドプラ、静脈サンプリング、動脈造影もあるが、これは大学病院や公立病院・検査センター向けで、民間病院的にはなかなか無理。ただしオペ適応決定時には考慮が必要。

※MRA:狭窄後拡張、側副血行路を認めれば本症を強く疑う。
※血管造影:腎動脈狭窄75%以上、狭窄後拡張、側副血行路を認めれば本症を強く疑う。

これらの検索により、以下の分類のどれかに決まっていく。

? 粥状(じゅくじょう)硬化症 ・・ 中年以降男性に多く他にも動脈硬化病変持っていること多い。腎臓では腎動脈の起始部に限局することが多い。高齢者・糖尿病の増加により、これの増加が著しい。
? 線維筋性異形成 ・・ 50歳までの女性に多く腎動脈の遠位部2/3に多い。脳動脈瘤の合併が多い。PTRAが成功しやすく奨められる。
? 大動脈炎症候群 ・・ 若年女性に多く、大動脈炎が波及して腎動脈起始部に限局すること多い。
? 動脈瘤
? 動脈塞栓症
? 動静脈ろう
? 外傷、腫瘍などの物理的圧迫
? 解離性大動脈瘤

□ 人事(じんじ) ・・ 上層部が決める、職場間の職員異動。病院の医者の人事は通常、4月が最多。秋に少し。つまり半年サイクルが基本のところが多い。

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