□ 痛風(つうふう) ・・ 足の1指の付け根(第一中足趾節関節=MTP)が9割以上を占める。背景には高尿酸血症あり。酒飲みか利尿剤内服中が多い。発症ピークは以前の50歳代から30代へシフトしてきている。痛みの予兆時にはコルヒチンを内服、発作つまり疼痛時にはNSAIDを短期大量に、つまり集中的に内服する方法が推奨されている。NSAIDが無効または使用できなければステロイド剤の使用。強調されることだが、内服中の尿酸下降剤の中止・減量は血管内の尿酸値の変動をきたしかえって発作が増強する危険があるので、あくまでも同量のまま継続する。

□ 使い物にならん ・・ 役立たずの医者を陰で呼ぶとき、こう言われている。
 
□ 「つけときますんで」 ・・ 検査や治療の延長、または引継ぎ医者の不在で常勤ドクターに無理をお願いしたとき、事務側がねぎらいでかける言葉。残業手当をつけておく、という意味。

□ 詰所=ナースステーション ・・ ナースの仕事場。朝9時ごろ・夕方5時ごろは「申し送り」で人数が集中。

□ 低栄養 ・・ 見た目だけでなく、血中の蛋白(特にアルブミン)が不足した状態をさす。あまり進むと浮腫が起こり(体がむくむ)、血圧低下などの循環不全を引き起こす。

□ 低カリウム(血症) ・・ 血液検査でカリウムが低い状態。不整脈を起こしやすくなったり血液のアルカリ化を起こすことあり全身悪化の原因となる。利尿剤で尿が出すぎた場合、点滴にあまりなかった場合に多い。病棟では「低カリ」と称される。

□ 低血糖発作 ・・ 意識障害の原因の1つ。米国では意識障害のある患者には(たとえ交通事故でも)?ナロキソン(麻薬拮抗薬)、?チアミン(ビタミンB1)、?50%ブドウ糖の3つが投与されるそうだ。?→麻薬中毒を否定するため、?→アルコール依存患者に?だけ処置されるとビタミンB1不足症状が前面に出てしまう(Wernicke脳症)から、とされている。日本では??はルーチンでないが、?は積極的に行われている。でも高血糖による意識障害もあるわけだから、搬入時にデキストロメーターで随時血糖をチェックするべきだろう。

□ 低酸素血症=低酸素 ・・ 動脈中の酸素(分圧)が低下した状態。

□ 帝大 ・・ もと帝国大学。東京大学や京都大、九大・阪大など。

□ 手が放せません ・・ 処置中に呼び出しがあったときにこう伝えてもらう。

□ テストバッグ ・・ 患者に入った挿管チューブに人工呼吸器をつなぐ直前、ホントに換気の出し入れができているか確かめるための袋。握りこぶし大。

□ てんかん<成人> ・・ 脳の興奮のために生じる発作。てんかん=けいれんではなく、そのほか異常行動(→複雑部分発作)や感覚異常(→単純部分発作)、腹痛(→自律神経発作)も含む。発作の大きさで全般発作、部分発作とに分けられる。分類のためには目撃者の証言、年齢、基礎疾患、脳波、画像検査が不可欠だ。

・てんかんと診断する以前に、失神発作との鑑別が必要である。失神発作にはワゴトニー、起立性低血圧、不整脈などの心臓関連、TIAなどの一過性脳血流低下、低血糖によるものがある。

・てんかんに対して、脳波により診断・内服調整を行うが、異常があっても発作波が検出されない場合があるので、睡眠・光刺激・過呼吸発作波を誘発することがある。

●全般発作→特発性

? 大発作=強直-間代発作 ・・ 強直期(意識失い四肢硬直伸展)→間代期(全身筋肉ガタガタ震わす)→四肢ダランとなり意識消失続く。この過程が数分続く。成人までに発症。

? 小発作=欠神発作 ・・ 10秒前後の意識混濁で目がうつろ。小児期〜青春期まで。成人になると消失。

? ミオクローヌス発作 ・・ 本人の意思と関係なく手足投げ出す。

? 脱力発作 ・・ 突然失神して転倒、1,2秒で回復し立とうとする。

●部分発作→2次性。脳血管障害後遺症(late seizure)だけとは限らず、周産期障害、脳腫瘍、AVMなど。

? 単純部分発作 
・ 運動発作→片側の四肢・顔面けいれん
・ 感覚発作→片側の四肢・体幹・顔面の異常感覚
・ 自律神経発作→腹痛・頭痛・めまいなど

? 複雑部分発作 ・・ 意識の混濁があり、自動症(つかむような動作、舌なめずりなど)あるいは強いデジャヴ感。

? 部分発作の二次的全般化 ・・ 部分発作→徐々に全身に拡がり→大発作型の全身けいれんへ移行。

 てんかんの内服は1種類から開始。血中濃度を測定。治療域に達するまで内服を増やすのでなく、目標はあくまで症状の安定化にある。発作が3−5年抑制されておれば徐々に減量していくことが多いが、そこはケースバイケース。

内服は以下の3種類が主体。

 VPA(バルプロ酸ナトリウム:デパケン)
 PHT(フェニトイン:アレビアチン)
 CBZ(カルバマゼピン:テグレトール)
 ※暗記→『健さん、アレと混ぜてくれ』

(副作用)
 テグレトール:骨髄抑制
 デパケン:肝障害・アンモニア上昇

□ テオフィリン ・・ 喘息に対して使用。気管支拡張作用をもつ。不整脈、痙攣に注意。投与中の患者さんは定期的に「テオフィリン血中濃度」を測定(ただし中毒域でなくても痙攣は起こしうる)。日本の「小児気管支喘息治療・ガイドライン2005」において、テオフィリン使用への注意喚起(中毒の危険性:いったん起こすと)がなされているにもかかわらず、いまだに使用頻度は高い。海外では中毒への感心が高くステロイド吸入など他の薬剤に移行しており、本剤はほとんど使用されていない。発熱時にはテオフィリンの代謝速度が低下して血中濃度が高くなり中毒域に達する危険性がある。

□ 点滴漏れ ・・ 静脈に入ったはずの点滴の針先が抜けたかズれたかで静脈を外れ、付近の皮膚内で漏れてしまった状態。皮下は腫れ神経を直接刺激、当然痛い。映画『ダイ・アナザーデイ』でボンドが点滴バッグをギュッと握り締めていたが、あれだとかなり漏れたのではないか、と余計な心配。

□ 点滴ライン=点滴ルート ・・ 点滴の通り道。

□ テンポラリー ・・ 一時的ペースメーカー。心臓内に入れるカテーテルと電池の入った機械からなる。カテーテルだけが入り、電池は外付け。あくまでも一時的な使用。1週間ぐらいが限度。

□ ディスカッション ・・ 議論を活発に討論すること。NHKで10代が罵り合いながらやってる言葉のケンカのイメージ。

□ ディスポ ・・ ディスポーザブル=使い捨て、の略。ディスポーザブル注射器を略していう場合、あと「あいつはいつでもクビにしてもOK」というウラ経営者用語として。

□ ディバイダー ・・ コンパスの形で足が両方とも針のやつ。心電図・超音波所見の計測に用いる。循環器医師は必須の道具。

□ デキスター ・・ 簡易自己血糖測定。通常は指先をカチンと針で刺し、にゅっと出てきた血の雫で血糖を測定(デキスターチェック)。痛がる人は腹部の皮膚で。

□ 「では時間のほうもさしせまって参りましたので・・」 ・・ 講演会にて、座長が<もうええかげんにせえよお前ら。わしはここまで>と会を閉じるときに使用する言葉。演者はホッとするが、最後に座長がここぞと本命爆弾(質問)を落とすこともあり最後まで気を抜けない。

□ デューティー ・・ 義務。決まりごとや、本日の業務をさす。

□ 電気泳動 ・・ 多発性骨髄腫を疑うときに提出する検査。総蛋白(TP)↑のときなど疑う。

□ 電解質 ・・ 通常は血液検査のナトリウム(Na)・カリウム(K)・クロール(Cl)を指す。現場では3つあわせて「ナトカリクロール」。

■ 電子カルテ ・・ 紙診療録からの電子化。医療のIT化に伴い導入が勧められてはいる。病院内での情報交換、地域医療ネットワークシステムなど医療機関間での連携に役立つ。ただし標準的機能の不備(ニーズが一致しない)、高価、医師への負担増、個人情報の流出、監査が困難など問題が多すぎ。今のところ、新規導入を強く勧めるのは業者とそれに加担・癒着した関係者であり、正直説得力に欠ける。

□ 伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん) 

※ 厳密に言うと、『とびひ』とは水疱性の場合の別名である。

 表皮への細菌感染で、びまん性にできる水疱または膿疱。水疱性なら黄色ブドウ球菌、痂皮性なら化膿レンサ球菌を疑う。

 前者は夏・小児、後者は季節柄・好発年齢なし、重症多い。なお特に後者では高熱も伴い、血液でASO・ASK・ADNase-Bが陽性となる。この(痂皮性)場合合併症(急性糸球体腎炎)を考慮し、抗生剤投与は長めに行う。

 抗生剤は共通で、ペニシリン系が主に使用され、消毒・外用剤も併用する。というのが一般的。

 しかし最近は薬剤の耐性化が進んでおり、ある検討では3割がMRSAとの報告あり。これを考慮する場合、選択薬はまずナジフロキサシンかテラマイシンなどのMRSA感受性ありの外用剤、それと内服(セフェム、ホスホマイシンなど)の併用が好ましいという意見もある。

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年5月  >>
27282930123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

お気に入り日記の更新

最新のコメント

この日記について

日記内を検索