□ 肺うっ血=congestion ・・ 肺の中の血管の血液量が増えてきた状態。それだけ心臓に負担がかかっているということ。つまり心不全になりかけている状態。

□ 肺炎

○ 細菌性肺炎(主に肺炎球菌性肺炎)

・ 肺炎球菌は菌体表面の物質を介して細胞表面上のPAF=platelet activating factorレセプターに結合し、細胞内に侵入する、という機序はすでに知られている。最近これに加え、ライノウイルスで感染した(つまり先行する上気道ウイルス感染)気道上皮細胞にはPAFレセプター発現が増強し、肺炎球菌の付着が亢進する、という知見が付け加えられた。インフルエンザウイルスでも同様の結果が示された。この機序は肺炎球菌だけでなくインフルエンザ菌でも報告されている。つまり先行する呼吸器ウイルスは気道上皮細胞を傷害し、レセプター発現を亢進することで菌の付着を増加させ、感染のリスクを高めている。

・ 肺炎球菌尿中抗原検査:血中抗原が尿中に濃縮され尿に出る。補助的診断として使用する。小児での疑陽性が問題(鼻咽頭の肺炎球菌の定着による)。またこの抗原は数週間陽性になり続けるので測定の際には感染の既往も聴取しておくべきである。

・ 近年、海外ではβラクタム+マクロライド系の有用性が注目されている(肺炎死亡のリスクを低下)。

○ マイコプラズマ肺炎

・ 市中肺炎の原因菌としては肺炎球菌についで2番目。4年周期で流行していたが現在その傾向は崩れてきている。

・ 診断自体は血液中の抗体価測定に依存している。ただこの場合ペア血清(急性期と回復時)が必要なので急性期の時点で確定するものではない。IgM抗体を10分で検出するためのイムノカード法が開発されたが陽性になるには発症10日以上経ってからなので、早期発見には向かない。

・ 症状は頑固な咳で夜間に激しい。多くが39℃台の高熱。白血球はほとんどが増えない(1万以上が15%にみられる)。一過性の肝機能障害が1/3にみられる。

・ 胸部レントゲンでは両側下肺野に陰影が出現し両側肺野に同時に多発しかつ間質性陰影を呈するのが典型的(教科書的)だが、そうでない例も多い。

・ CTでの画像は3パターンでこの分類が重宝されている。すなわち、
 ? 気管支壁の肥厚と肺動脈周囲間質の拡大 ・・ 気管支周囲、間質の炎症細胞の浸潤による。
 ? 細気管支中心性の粒状影 ・・ 細気管支および細気管支内腔の炎症細胞の浸潤を示す。
 ? エアブロンコグラムを伴った浸潤影 ・・ 容積減少を伴いやすい(広範な細気管支病変のため)。

・ 細胞壁を有さないためペニシリン・セフェム系などのβラクタム系は効かない。効果があるのはマクロライド系、ケトライド系、テトラサイクリン系、ニューキノロン系など。

・ 発症機序としては菌による直接障害と、免疫系を介した間接障害の両者の可能性が考えられている。

・ 劇症型マイコプラズマ肺炎 ・・ 欧米での報告では、基礎疾患のない健常男性、喫煙者に多く、宿主の細胞免疫過剰反応が重症化を招くと推測されている。具体的には肺局所へのリンパ球の一過性過剰集積、過剰反応としての全身性の免疫能低下が起こる例が重篤化しやすいと考えられている。この局所の過剰免疫反応を抑制する意味で、ステロイドの併用が有効とされている。

・ マクロライド耐性株は約20%。

○ クラミジア肺炎

? C.pneumoniae(クラミジア・ニューモニエ)肺炎

・ 飛沫感染で集団発生あり、軽症が多い。潜伏期間3-4週間。高齢者にも多いのがマイコプラズマとの相違点。

・ 重複感染も多いのも特徴。

・ 咳が必発。高熱を呈する頻度はオウム病・マイコプラズマほどでない。肺炎は軽度〜中等症が多い。

・ 胸部レントゲンでは中下肺優位で、軽症では間質性陰影主体だが実質性陰影の場合も多く、特徴はない。

・ 検査は咽頭などから液を採取。抗原検出法、PCR法があるが感度はともに良好。

・ ペニシリン・セフェム系などのβラクタム系は効かない。アミノ配糖体も無効。第一選択はテトラサイクリン系、ケトライド系、ニューキノロン系など。投与は10日〜2週間と長めが好ましい。

? オウム病

・ C.psittaci(クラミジア・シッタシ)による人畜共通感染症。主に感染鳥の排泄物の菌体を吸入して感染(トリの飼育歴が重要)。

・ 潜伏期は1-2週間で、咳、関節痛、筋肉痛など症状は非定型肺炎のパターン。重症では死亡例も珍しくない。

・ 検査は?痰・血液などからの病原体の検出、?遺伝子からの検出(PCR法など)、?抗体の検出。大半は?で行われ、具体的にはCF法による血清診断である。

・ テトラサイクリン系が第一選択。重症ならミノサイクリンの点滴のほか、ステロイド使用することも。

○ レジオネラ肺炎

・ 好気性グラム陰性桿菌。集団発生よりも単発例が多い。全体の2割が院内感染(外科手術後の頻度が高い)、1-2割が集団感染。病歴聴取に温泉旅行歴は欠かせない。

・ 危険因子は60歳以上、男性、喫煙、慢性肺疾患、慢性心疾患、糖尿病、細胞性免疫不全、癌など。

・ すべてが重症ではなく、重症化するのはあくまで一部。

・ 潜伏期2-10日間で、乾性咳、比較的徐脈を伴う39℃以上の発熱、悪寒、倦怠感、筋肉痛、頭痛、下痢など。胸膜炎様の胸痛伴うことあり時に血痰。精神症状(内容は様々)みられることもある。

・ 胸部レントゲンでは大葉性肺炎のパターンが多い。免疫不全者では1割に空洞性病変。

・ 血液では肝機能障害所見、ALP , LDH上昇、低ナトリウム。尿ではミオグロブリン陽性が多く、潜血陽性、赤血球陰性という所見も多い。

・ 診断は?病原体の検出(分離培養・・重症ほど陽性率は高い。培地はBCYEα培地)、?尿中抗原検出(重症ほど陽性率高い。ただしserogroup 1のみしか検出できず。しかも陽性になるのは発症数日してからで、初期は出ない)、?抗体価測定(実際本症で抗体価の上昇をみるのは75%にすぎない)など。

・ 治療
 諸外国:ニューマクロライド、レスピラトリーキノロンの注射剤が第一選択。これはエリスロマイシンより勝る。
 日本:ciprofloxacin、puzufloxacinの注射剤。第2選択のエリスロマイシンは、リファンピシンとの併用がその単独よりも優れる。

○ インフルエンザ肺炎

・ インフルエンザウイルス(RNAウイルスで、ABCの3つの型がありヒトで問題になるのはAとB)による上気道炎は通常1週間で治癒するものだが、ときに(1-5%だが高齢者では20-25%もある)肺炎を合併する。分類すると

 ? 原発性=純ウイルス性 ・・ まれ。感染2・3日後より急速に進行する低酸素症。死亡率は高い。

 ? 二次性細菌性=続発性 ・・ インフルエンザウイルス感染軽快後(軽快してさらに3日後頃)に発症した肺炎。これが大部分を占める。肺炎球菌、インフルエンザ桿菌、黄色ブ菌の順。死亡率は低い。

 ? 混合性 ・・ インフルエンザウイルスと細菌に同時感染したもの。
※ 細菌感染を合併しているのかどうかは、まず膿性痰を見つけることがポイント。

○ 肺結核症

・ 空気感染。免疫能が正常なら、感染しても(生涯での)発病するのは5-10%程度。全世界の死亡原因のトップ。日本では最近は増加中で、これは高齢者増加による。このうち大部分が既感染であり内因性の再発である。また若年者の集団発生も目立つ。

・ 主要な4薬剤への耐性(←突然変異によって起こる)は増加傾向にあり、1997年の報告でINH-4.4% , RFP 1.4% , EB 0.4% , SM 7.5%。INH/RFPの双方に耐性の場合に<多剤耐性菌>と呼ばれる。多剤での使用によって耐性を打ち消しあう効果があるので単剤投与というのはすべきでなく危険であり、初回投与では行ってはならない。最近、RFP耐性菌の97%以上にrpoB遺伝子の変異を認め、これを検出することでRFP耐性菌の早期発見がなされるようになった。

・ 咳・痰が2週間以上続く場合は特に疑う。

・ 検査法であるQFT2G(Quanti-FERON-TB第二世代)がトピックス。このQFT2Gは結核菌由来の特異蛋白抗原由来の物質(インターフェロンγ)を測定するもので、PPDのようにBCG接種の影響を考慮する必要がない。結核診断に有用であり実際に感度も高い(9割)。

・ LTBI=latent tuberculosis infection=潜在的結核症 ・・ PPDで結核感染が確認されたが発病はしていない状態。以前は予防内服が原則で日本ではINHの6ヶ月投与ということになっていたが、CDC(米疾病管理局)ではさらに9ヶ月とより長めの投与と、あるいはRFP4ヶ月治療を推奨している。

○ 非結核性抗酸菌症 ※(H15.4月より呼び名が変わった。それ以前は<非定型抗酸菌症>)

・ MAC=Mycobacterium avium complex=M. avium + M. intracellare(イントラセルラー)。これによる感染症がMAC症。近年、非結核性抗酸菌症特にMAC症の罹患率が増加(増加分のほとんどが何故か基礎疾患のない中高年女性)してきている。MCA症は非結核性抗酸菌症のうち70%強も占めており、ついでkansasii症(抗結核菌によく反応する)が約20%を占める。なおMACの7割が女性、kansasiiの9割は男性。

・ MACには肺感染症(肺・気管支の限局)と全身播種型の感染症の2タイプがあり日本ではほとんどが肺感染症のほう。米国ではHIV関連の全身型が問題になっていて、腸管粘膜からの血流感染とされている。

・ MACの病態としては以前は画像上、上肺優位の結核類似空洞パターンが多かったが1980年以降では、気管支拡張が目立ちその領域に小結節が散布するタイプ、すなわち<気道病変型>または<結節型>がみられるようになった。このタイプは中高年女性がほとんど。進行は遅く症状も乏しいがしばしば血痰を生じる。既存の病変を有さないことが多いのも特徴。

・ 治療は従来の抗結核薬+ニューマクロライド(CAMあるいはAZM)など。排菌陰性化後10-12ヶ月以上持続すれば治療終了が可能だがその後も定期フォローが必要。

○ 肺真菌症

? 肺アスペルギルス症 ・・ 原因菌としてはAspergillus fumigatus , A. niger , A.flavusなどが多い。本症は病態によって以下のように分かれる。

・ 肺アスペルギローマ ・・ 既存の空洞病変(結核・のう胞)に胞子を作り、空洞内で増殖し菌球(fungus ball)を形成。

・ 侵襲性肺アスペルギルス症 ・・ 高度の免疫抑制状態(大量ステロイド、免疫抑制剤、血液疾患など)に好発。血管内、あるいは多臓器に病変を形成する。

・ 慢性壊死性アスペルギルス症 ・・上記2つの中間に位置する病態で、何らかの基礎疾患があって数週間〜数ヶ月の経過で増悪する。

? 肺クリプトコックス症 ・・ HIVへの日和見感染として重要だが、健常者にも起こりうるという特徴がある。Cryptococcus neformans(ハトの糞便・土壌に生息)の感染(吸入による経気道感染)による。多くは無症状でレントゲン健診(孤立または多発結節影が多く、空洞みられることあり)がキッカケでの診断も多い。CTでは胸膜の近くに陰影を認めること多い。

● 肺真菌症の診断

・ 血清診断法 ・・ β-Dグルカン:真菌細胞壁の主要成分。ただしムコールなどの接合菌類およびクリプトコッカス症では上昇は認めない。
            ガラクトマンナン抗原:侵襲性肺アスペルギルス症のハイリスク患者にとって早期発見・早期治療のキッカケとなる。
            グルクロノキシロマンナン検出:Cryptococcus neformans由来の成分を抗原として検出。肺クリプトコックス症の診断。
・ 真菌の分離・培養 ・・ 基本的に全身状態不良のことが多く、侵襲的であり実際的ではない。

● 肺真菌症の治療

・ ポリエン系リポソーム薬剤 
従来のアンホテリシンB(AMPH-B)では腎毒性の副作用が高率であり、本剤はこれに脂質担体製剤である。これにより安全性が向上し腎障害の頻度も半分になった。

・ アゾール系抗真菌剤
 ? ホスフルコナゾ−ル(FLCZ)
 ? ボリコナゾ−ル(VRCZ) ・・ アスペルギルス属・クリプトココックス属に優れた活性を示す。またFLCZやITCZ耐性の真菌にも有効な面もある。
 ? イトラコナゾ−ル(ITCZ) ・・ FLCZに比べてアスペルギルスなどの糸状菌にも活性を示す。
・ エキノカンジン系 ・・ カンジダ〜アスペルギルス属まで幅広い作用。β-Dグルカン合成酵素を特異的に阻害する。

■ 寄生虫肺疾患

○ 肺赤痢アメーバ症、胸腔赤痢アメーバ症

・ アメーバののう胞(シスト)を経口摂取し感染した場合、通常は大腸炎・肝膿瘍を引き起こす。肺赤痢アメーバは(大腸・肝臓経由で)肺に膿瘍を形成する。胸腔赤痢アメーバ症は(肝膿瘍経由で)胸腔に膿瘍を形成する。画像診断のほか血清抗体の測定などと組み合わせて診断する。治療はメトロニダゾ−ル。日本での多くは男性同性愛者。

○ 回虫性肺炎

・ ヒト回虫、ブタ回虫によるものが考えられている。回虫そのものによる炎症とアレルギー機序と推測されている。

? ヒト回虫 ・・ 嚥下→小腸で孵化→小腸壁に侵入→門脈→肝臓→肺→好酸球性肺炎(摂取1-2週間内)を起こしつつ肺で発育→食道・胃へ嚥下→小腸で成虫に(摂取2-3ヶ月後)。以上より駆虫剤投与のタイミングは肺炎発症2.5-3ヶ月後が好ましい。
? ブタ回虫 ・・ ヒトで成虫にまで発育するのは稀で、死滅していくので駆虫剤の使用は賛否両論。ただし好酸球性肺炎の報告はある。その際好酸球増加するとは限らない。血清ブタ回虫抗体の測定も参考に。

○ イヌ回虫性肺炎

・ 体内で成虫に発育することはなく、体内を移動し肺に達した場合に肺炎を起こす。BAL・血液中の好酸球増加、血清抗体価上昇をみる。治療の是非は見解が統一されていない。

○ ブラジル鉤虫性肺炎

・ 熱帯域に存在するブラジル鉤虫=Ancylostoma brazillenseによる肺炎。ヒトの体内では成虫になれず死滅する。成虫はイヌ・ネコに寄生し糞便経由で土壌からヒトへ経皮感染する。表皮内を移動すれば線状の爬行(はこう)疹を呈する。肺炎では浸潤影のほか末梢血の好酸球増加をみる。

○ 糞線虫症

・ 主に沖縄・奄美諸島に存在。患者の糞便から排出されたラブジチス型幼虫はフィラリア型幼虫へ移行し、これが経皮的にヒトへ感染する。血流→心臓→肺に至り肺胞・細気管支へ。そこで出血・細胞浸潤をみる。肺に浸潤影がみられ血中好酸球増加、また喀痰から幼虫が分離される。さらに幼虫は気管・咽頭を経て十二指腸粘膜内に寄生し成虫になる。肺炎の治療にはイベルメクチンが投与されるが、免疫低下患者ではさらにグラム陰性桿菌による肺炎の合併をみることがあり、その場合はさらに抗生剤(大腸菌・クレブシエラ感受性)の投与を要する。

○ 肺イヌ糸状虫症

・ 成虫はイヌの肺動脈に寄生し末血中にミクロフィラリアが出現。蚊に刺された際、これが蚊に入り他のイヌへと移っていく。その過程でヒトがたまたまその蚊に刺されると感染する。肺・皮膚で幼虫移行してくるが成虫にはなれず死滅する。肺では末梢肺動脈の塞栓を起こし腫瘤を形成する。大多数が無症状。レントゲンでは結節あるいは腫瘤状、CTで2cm以下の辺縁明瞭な腫瘤陰影。辺縁にはまばらな線状あるいは羽毛状構造あるとの報告あり。血清抗体も参考に。

○ 熱帯性肺好酸球症

・ 熱帯地域。バンクロフト糸状虫あるいはマレー糸状虫に感染しているヒト肺のミクロフィラリア、に対する免疫反応の結果起こる。レントゲンで網結節状陰影が散在性に出現。血中好酸球増加、血清抗体上昇もみる。ジエチルカルバマジンの経口投与が有効。

○ 肺吸虫症

・ 原因としてはウエステルマン肺吸虫と宮崎肺吸虫がある。
・ 感染源 ・・ 肺吸虫のメタセルカリアを保有するモクズガニ・サワガニなどを経口摂取。
・ 治療はプラジカンテル経口投与。

? ウエステルマン肺吸虫 ・・ 小腸内でメタセルカリアが脱嚢→幼虫となる→小腸壁を通過し腹腔へ→腹壁の筋肉で成長→再度腹腔へ→横隔膜経由で胸腔へ→肺で成虫に。血痰・咳が主症状だが無症状もある。レントゲンでは結節・腫瘤影。

? 宮崎肺吸虫 ・・ 感染経路は?に似る。主症状は咳・胸痛だが無症状もある。レントゲンでは結節・腫瘤影のほか気胸・胸水が特徴。

○ 肺包虫症

・ 多包虫(多包条虫の幼虫)と単包虫(単包条虫の幼虫)がある。
・ ともに肝臓に病巣を形成すること多い。ヒトは中間宿主の立場にある。
・ 多包条虫はネズミを中間宿主、キツネを最終宿主とする。
・ 単包条虫は輸入例の報告で頻度少ない。
・ ヒトが六鉤幼虫を経口摂取して感染成立→小腸で孵化→血流経由で肝臓・肺へ→包虫に発育
・ 肺単包虫はレントゲンで境界鮮明な円形孤立陰影、肺多包虫は境界鮮明な陰影として観察される。
・ 治療は手術が基本だが手術不能例ではアルベンダゾ−ルの経口投与。

■ Q熱  ※かつては原因不明といわれていて<Query=原因不明>と呼ばれ、その名残でその名がある。

・ コクシエラ属のCoxiella burnetiiの感染による肺炎・気管支炎などの総称。多くはインフルエンザ様症状で始まり上気道炎・気管支炎、あるいは肺炎へと進展。
・ 人畜共通感染症であり、4類感染症。ヒトからヒトへの感染は稀である。
・ 風で飛散しやすく生物兵器の好条件とされている。
・ 白血球増加例は少ない。
・ 肝機能障害の合併が多い。
・ βラクタム系は無効だがテトラサイクリン(第一選択)・マクロライドが著効(非定型肺炎に似る)で、2-3週の投与が必要。
・ 急性と慢性がある。急性型は潜伏期1-3週間、呼吸器感染で発症するが一過性で予後良好(一部は重篤)。多くは1-数週間で治癒。無治療でも死亡率は1-2%。慢性型は心内膜炎が多く予後不良が多く死亡率は50%。
・ 肺炎では病理上は非定型肺炎に類似した像(マクロファージ・リンパ球主体で多核白血球少ない間質性肺炎の像、およびフィブリン・赤血球・単核球主体の肺胞滲出液)が得られる。
・ 確定診断はペア血清での4倍以上の上昇。また急性型ではコクシエラ?相菌に対するIgG・IgM抗体価の上昇がみられ、慢性型ではコクシエラ?相菌に対する抗体価の高値が持続する。
・ PCRは有力な補助診断であり、急性期で陽性ならば血清抗体価を追跡していく。
・ 海外ではワクチンを動物・ヒト(牧場関係など中心)に行われているが日本では認識低く、やってない。

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年5月  >>
27282930123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

お気に入り日記の更新

最新のコメント

この日記について

日記内を検索