□ マーゲン ・・ ドイツ語で、「胃」。したがって、「マーゲン・チューブ」は「胃管」。

□ マイコプラズマ肺炎 ・・ マイコプラズマ・ニューモニエによる非定型肺炎=異型肺炎の1つ。小児〜若年に好発。以下の場合は可能性が高く、薬の選択を誤るといつまでたっても治らない。

○ 咳がしつこくそれも夜間、喘息ではないかと思うくらい。1週間以上も続く。高熱はいうまでもない。
○ 病院でもらった薬であるセフェム系抗生剤が全く効かない。
○ 周囲で咳のひどい人がたくさんいる。
○ 白血球が増えないことが多い。
○ 血液検査での肝機能障害を認めることあり(頻度1/3)。
○ レントゲン像は多彩だが、けっこう広い範囲で陰影を認める印象がある。

 処方にあたっては、症状・所見があまりにも特徴的ならマクロライドorテトラサイクリンを処方するが、通常の細菌によるものがどうしても否定できなければセフェム系も出して2剤で処方するか、あるいはニューキノロン単独(←小児はダメですよ)の処方をするのが現実的。

□ マウスピース ・・ 気管支鏡・胃カメラなど口から入れる際、カメラを喰いちぎられないようにするため、口で噛んでもらうもの。テープでしっかり固定しないとすぐ外れる。

□ マスター・ダブル ・・ トロフィー授賞式のような2階段を登り降りしてもらう検査。メトロノームの動きに合わせる。前後で心電図をとり比較。STや不整脈を評価。狭心症の「定性的」スクリーニング検査。階段が1段しかない「マスター・シングル」は腰の悪い人向け。

□ 「また飲みにいきましょう」 ・・ と言ってくる人間に限って全く来ないものだ。

□ マッチング制度 ・・医学生が医者になってすぐに研修を希望する病院を希望順に指定し、一方研修病院のほうも採用したい学生を順番に希望し、コンピューターによって振り分けを決めていく方法。 病院が決まればさあ引越し手続き、それと医局への挨拶(みやげ1品)だ!

□ 末梢血幹細胞移植=PBSCT=Peripheral(末梢)+BSC=blodd stem cell(血液幹細胞)+transplantation(移植) ・・ 従来の骨髄移植に替わる造血幹細胞移植として定着している。以下の??に分けられる。全くの別物。なおわが国ではこの移植でのドナーは血縁者のみに限られている。
? 同種PBSCT(allo-PBSCT) ・・ 健常人ドナーにG-CSFを4-6日間皮下注射し投与4-6日目にPBSCとしてドナーから回収する。一方患者側は前もって放射線・化学療法を受けておき、PBSCが移植される。
? 自家PBSCT(auto-PBSCT) ・・ 大量の放射線・化学療法を行った上で骨髄を抑制し、前もって保存しておいた造血幹細胞を輸注し造血組織の建て直しを行い抗腫瘍効果を期待する。適応は造血器由来の悪性腫瘍が中心。

□ まな板のコイ ・・ 高齢の患者が皮肉って自分たちをこう呼ぶことが多い。

□ マルク=骨髄穿刺 ・・ 骨盤か胸骨を穿刺する。ドロッとした性状なら骨髄だろう。しかし老年ではドライ(骨髄が硬くて吸えない)なことも多い。なお採取の不出来によっては「末梢血混入」となり不良標本となることも。 

□ 慢性気管支炎 ・・ 6ヶ月以上咳・痰が慢性的に続く状態。たいてい喫煙者だが、公害の影響のこともある。

□ 満床(まんしょう) ・・ 病棟のベッドがすべて入院患者で埋め尽くされた状態。週末に合わせうまく満床にしていくのは事務長の役どころ。

□ 慢性呼吸不全 ・・ 肺気腫などの基礎疾患があり、それによる低酸素・あるいは高炭酸ガス(二酸化炭素)血症をもつ場合を指す。しかし厳密には肺気腫・DPB・慢性気管支炎の総称=COPD。

□ 慢性腎不全 ・・ 血液中のBUN・Crが慢性的に上昇していれば、程度を問わず全部ひっくるめてこう呼ばれる。

□ マンションの電話 ・・ 医師あてに時々かかってくる業者からの電話。マンション融資を促してくる。医師の存在を確認し、医局長などの病院スタッフ名義で電話をかけてくる。医師名などの情報漏れは薬剤・医療機器関係あるいは事務関連などと、疑われる部署は数知れず。

□ 慢性関節リウマチの検査・治療についてポイントのみ

・ MTXが第一選択薬という認識が主体となってきている。難治・進行例では生物学的製剤(抗TNFα薬)が使用される。
 ※ 生物学的製剤の第1弾がインフリキシマブ(2003)、第2弾がエタネルセプト(2005)。
 しかしこれらは関節がターゲットとはいえ炎症・症状をコントロールするものであって、関節変形や可動域制限などいわゆる関節機能障害の進行まで抑えることはできない。

・ そこでRAを早期の段階(早期RA)で発見しようという意気込み・試みはあるものの決定的に優れたガイドラインがないのが現実。

・ 活動性の指標 ・・ 古くはCRP、ESR、RF、最近ではアミロイドA(SAA)、MMP-3(RA関節の増殖滑膜で産生つまり滑膜炎のマーカー)、抗CCP抗体が早期より上昇する指標であり、血液検査以外ではMRI、関節エコーも早期の診断に有用である。なおレントゲンでは滑膜炎は検出できないので早期発見にはならない。

・ MMP-3高値例では関節破壊進行が早く、こういう場合はMTXや生物学的製剤を早急にという意見あり。

・ その他の指標

→ RF ・・ これの検出法としては色々あり、RAテスト、RAPA、RF定量、抗ガラクトース欠損IgG抗体(CARF)、IgG-RFなどがある。この中でCARFはより早期の段階で検出されるが特異度が低め。特異度はIgG-RFで高く(90%)、関節症状以外主体のRA(血管炎など)との関連がある。

→ 抗CCP抗体 ・・ 特異度95%以上と高く、RFで最も特異度の高いIgG-RFよりも優れる。感度のほうも80%とRFと同等。しかもRF陰性のRA患者の3-5割に陽性となるから驚きだ。特異度が高いので、これが陽性なら積極的にRAを疑って次の検査(MRI・関節エコー)にまわすべきである。

・ MRI所見

→ 滑膜炎、腱鞘炎、滑液包炎
→ 骨変化・・早期では滑膜炎領域の骨髄浮腫(骨髄内の水分増加であり反応性の変化)。進行すると骨浸食。

これらを認めるほど関節の破壊病変が多くなる予測が立ち早期治療の必要性が増す。

・ RAの薬

→ NSAIDs ・・ 現在では補助的役割。病状の進行には寄与しないからだ。なので使用するとすればそれは、確定診断までのつなぎ、DMARD効果が出現するまで(1−2ヶ月)のつなぎ、軽症例への使用として使用される。
→ ステロイド ・・ NSAID・DMARDによっても症状・炎症が抑制できなければ使用する価値はある。ただし使用量はPSL換算で10mg以下。可能な限り5mg以下に努力すべき。ただ関節外症状(血管炎や胸膜炎など)ではこの量では足りない。開業医でよくされている関節内注入は副作用を考慮すると3ヶ月以上間隔ですべき。
→ DMARDs=抗リウマチ薬 ・・ 関節破壊の進行を抑制。早期、できれば診断後3ヶ月以内からの導入が勧められる。問題点としてはノンレスポンダー(人によってなぜか効かない)、エスケープ現象(長期使用中に効果減弱)、腎障害など。欧米ではMTXが第一選択だが日本では他のDMARDが無効なとき使用を許される。ただし使用量が欧米に比して少ないのが問題となっている。
→ 生物学的製剤=抗サイトカイン療法 ・・ MTX無効例、骨破壊進行例に使用。厚生省の基準では、MTX6mg/weekの3ヶ月投与でもコントロール不良なら使用の適応がある。薬価の高さ、副作用(感染症・悪性腫瘍誘発など)が今後の課題。なかでも感染症は結核などの日和見感染の頻度が高く、インフリキシマブの場合開始2-3ヶ月後(効果発現最大の時期)に発見されやすい。

・ 一般医のリウマチ専門医に紹介する基準 ・・ Paul Emery(2002)
? 腫脹関節数≧3
? MTPかMCP関節の病変を伴う
? 朝のこわばり≧30分

・ MTXによる間質性肺炎

→ 頻度は1%前後だが死亡にいたることもある。治療はもちろん本剤の中止であり、中止数日で軽快傾向となることが多い。
→ 投与時期のいつでも起こりうるし、投与量とも関係がない。間質性肺炎らしき症状(発熱、乾性咳、労作時息切れ)が一過性にでも認めれば次回の投与は見合わせて、肺疾患の有無・活動性の評価にあたる。画像上、間質性肺炎の所見が認められたらニューモシスチス肺炎の除外が必要になる。喀痰細胞診、できれば気管支鏡検査を施行し気管支肺胞洗浄を行い鑑別につとめる。

□ 慢性膵炎 

 最近ではアルコール性の頻度が増えている(67.7%)。またアルコールだけでなく喫煙も危険因子であり、禁煙によりリスクは減る。また慢性膵炎では膵癌または他の悪性腫瘍の合併も多い。さらに喫煙が膵癌の危険因子であることもわかっている。

 病態的には代償期→移行期→非代償期へと進む。代償期では急性再燃発作があり、腹痛・背部痛を繰り返し、実質的には急性膵炎を繰り返す。その他おとなしい時期は間欠期といわれる。なお非代償期に進展すると腹痛がむしろみられなくなり、それまでカバーされていた分泌機能の破綻(糖尿・消化吸収障害)がみられてくる。なのでいったん症状がおさまっているときはむしろ逆に検査の頻度を増やしたほうがいい。慢性膵炎での腹痛は急性とちと違い、心か部〜左季肋部を中心とすることが多い。しかも飲酒・高脂肪食がきっかけに起こりやすいという特徴もある。

※ 2001年にMRCP検査所見を付け加えた、新しい臨床診断基準が作成された。 

□ 満床 ・・ 病棟のベッドがすべて入院患者で占められ、もう入院受け入れのの余地がないこと。やむを得ず、強制的に誰かが退院させられることもある。

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