□ レジオネラ肺炎 

 Legionella pneumophilaという好気性グラム陰性桿菌によって肺炎(レジオネラ肺炎)を起こす。

 温泉旅行歴が重要。老人ホームでの風呂の水まわりの不備が原因で大量発生することもある。しかしヒトからヒトへの感染はないとされている。院内肺炎として起こるならそれはオペ後の患者に多いらしい。

 潜伏期2-10日間(温泉旅行から帰ったあとでも起こしうるってこと)。症状はインフルエンザ様症状(筋肉痛・高熱)、呼吸器症状のほか消化器症状(下痢・腹痛)、意識障害もありうる。本菌は食細胞に取り込まれたとしても殺菌はされない(ここが他の菌と性格が異なるところ!)。こうして細胞内移行で増殖(よって食細胞内増殖菌とも呼ばれる)するので細胞内移行が低いβラクタム系・アミノグリコシド系が全く効かない。

 なので初期治療を誤ると手遅れになる可能性あり(適切な治療がないと7日以内に死亡)。

 治療薬はリファンピシン、ニューキノロン、マクロライド、ケトライド系といろいろあるが覚えておいて損はない。

 喀痰検査や採血では検出を期待できず、尿中抗原が保険適応未ではあるが有用だ。EIA法だと3時間、免疫クロマト法ではなんと15分で結果が出る。ただ尿中抗原は陽性が長いこと続くので、果たして今回の感染なのかどうか悩むこともある。しかも数多いレジオネラのうちL.pneumophilaSG1というタイプ以外は陽性率が低い。SG1は残念ながら欧米で頻度が高いものだ。そこでPCR法による検出が研究されている。 

□ レスピ=レスピレーター=人工呼吸器

□ レスピラトリーキノロン ・・ ニューキノロン抗生剤のうち、肺炎球菌(肺炎の原因菌で最多)に有効で組織移行(内臓によく浸透)の良好なもの。4種類あって、?TFLX、?GFLX(低血糖注意)、?SPFX(光線過敏症に注意)、?LVFX。抗菌力は?>?>?>?。
 ※ 例 ・・ ?オゼックス、?ガチフロ、?スパラ、?クラビット

 なおレスピラトリーキノロンは肺炎球菌だけでなくインフルエンザ菌、非定型菌のマイコプラズマ、肺炎クラミジアにも有効。しかも最近話題の耐性菌であるPRSP、BLNARにも有効とされている。これだけ優秀な薬がガイドラインの第一選択にされていない理由は、抗生剤頻用による耐性菌の増加を危惧してのことである。

□ レスポンス ・・ 反応。薬の効き具合、あるいは医者のムンテラに対する家族の反応など、意味はいろいろ。

■ レセプト=レセ ・・ 月1回の、その月の各患者の病名・処置、投薬内容一覧。それぞれに点数が掛け算され、合計点数をはじきだし診療報酬として請求することになる。高額の医療費を要した患者にはドクター直々の長文を添える(事務員は月に1週間ほど泊まり込み覚悟で頑張る)。国の機関がこれをチェック(チェックするのは高齢医師のことが多く、人によって癖あり)、不正がないか、保険適応でないか確認される。レセプト処理にあたって病院の事務員が使い物にならない場合などは、業者(ニチイ学館など)に依頼することもある。なお2011年度からはレセプト請求はオンラインが義務付けられた。古い開業医では手書きのとこも多いため、そういうところは今後レセプト専用のコンピューター(レセコン)を新規導入するか、廃業するかの選択を迫られている。実際これが理由で廃院準備を進めている老舗は多い。国の策略とも取れる(開業医いじめ)。
 
 
□ レミケード(2003年7月発売) ・・ リウマトレックスに引き続き登場した、リウマチ治療薬の画期的な新薬。物質名<インフリキシマブ>。内容は抗TNF-α抗体。つまりサイトカインそのものを抑制しようという大胆な薬剤で、その機序から生物学的製剤と呼ばれる。MTXとの併用が必須デ、RA患者の骨関節破壊の進行を抑制、ひいては骨破壊の修復さえみられる。安全性が確かめられ、2005年秋から高用量投与の臨床試験が始まる。さて実際は早期投与としてでなく、DMARD無効例の症例に使用されることが多いという。専門家は発症3年以内の早期投与を提唱している。副作用は結核が重要で、欧米の調査では投与3回、治療12週の時期が一番多かった。本薬剤の詳細はここ。http://www.h7.dion.ne.jp/~hirata/kawara_06.html

□ ロイコトリエン(LT)受容体拮抗薬 ・・ 気管支喘息に中心に使用される、抗アレルギー薬。単独でも効果があるとメーカーは言う。実際は吸入ステロイド剤のコントロールがイマイチなときの付属的意味が強い。最近の話題としてはプランルカスト(商品名オノン)において、成人喘息患者のかぜ(ウイルス感染としての)に対する予防効果がある(2005年10月)、といったもの。つまりかぜで悪化しやすい喘息発作を予防するというものだ。ウイルス感染により気道にロイコトリエンが産生される、という機序を受けてのものだ。

□ ロセフィン ・・ 抗生剤の点滴は通常1日2回のことが多いが、このセフェム系は1日1回が可能。なので外来で好んで使用される。

□ 肋間(ろっかん) ・・ 肋骨と肋骨の間の空間。

□ 肋間神経痛 ・・ 表面の痛みだが、診断する前に胸部CTなどで内臓疾患を否定しておく必要がある。NSAIDが効きにくければペインクリニックでブロックしてもらう手も。

□ ロタウイルス胃腸炎 ・・ 冬〜春(ピークは2-3月)に流行。おもに生後6ヶ月〜2歳。経口・接触感染で潜伏期1-3日。発熱・嘔気・嘔吐(2日以内に軽快)→下痢(白色便を認めるのは半数)。肝障害みられることあり。軽快まで3-7日要する。迅速診断キットがあるのでこれのある病院をなるべく受診する。特効薬はなく点滴中心の治療となる。

□ ロータブレーター ・・ PCI(冠動脈インターベンション)におけるニューデバイスのうち、粥腫(じゅくしゅ)切除術のうちの1つ。紡錘型金属チップを高速回転させて、バルーンで拡張不能な硬い石灰化病変を削る。

□ ローテ=ローテーション ・・ 院内で別々の科を順繰りに研修したりすること。

□ ワイヤー ・・ 針金。といっても柔軟性あり。これをまず血管内に通すことでカテーテルの通り道を確保する。血管だけでなく、イレウスチューブ使用のときも活躍する。

□ 若い子 ・・ 年輩のナースが新人ナース(通常は未婚の1-2年目)を指して呼ぶ言葉。

□ ワゴトニー=(ドイツ語 Vagotonie ファゴトニー) = (英語 vagotonia ワゴトニア) = 迷走神経緊張症=副交感神経緊張症。つまり副交感神経系が機能亢進の状態にある。心拍数は減少し、心臓から拍出される血液が減少、頭や全身に届く血液が減少、失神を来たしうる。これで低血圧となった状態を「ワゴトニー性低血圧」という。採血や点滴などで針を刺す際など、極度の恐怖心が原因であることが多い。硫酸アトロピン(脈↑)、エホチール(心拍出量・末梢血管抵抗↑)の注射などで対処する。
 余談だが、<ワゴトニー>という呼び方自体、英語とドイツ語の呼び名が混じった曖昧なものと思われる。

□ ワソラン ・・ カルシウム拮抗薬の1つ。頻脈性の不整脈を止める目的で使用。心機能低下の副作用あり。

□ ワルファリン=ワーファリン ・・ 心疾患などの慢性期の抗凝固療法で使用。急性期でヘパリン点滴使用、その後のつなぎとして開始されていく。投与法はdaily dose法がよく選ばれる。具体的には5-7mg/dayで開始して、3日目に採血(PT-INR)で評価、その後1-2日間隔で測定し維持量を決めていく。安定した抗凝固作用が得られるまでには5日間以上は要する。なのでヘパリンとつなぎの場合は重複期間が必要。

INRの目標としては

?高リスク患者(心房細動+僧房弁狭窄、すでに塞栓既往あり心房細動) ・・ 3.0-4.5
          
?低リスク患者(心房細動+他の心疾患、急性前壁梗塞、拡張型心筋症) ・・ 2.0-3.0
          
?NVAFの高齢者 ・・ 1.5-2.1あるいは1.6-2.6

※ 最近のガイドライン(日本循環器学会)では、抜歯や体表面小手術の際でもワーファリン内服を中止しないことが提唱されている。以前は歯科処置といえば中止としていたが、休薬中の血栓塞栓症の発症が問題となったからだ。意外と知らない医者が多い。

□ ワンショット ・・ 一気に注射を打ち込むこと。通常は静脈経由。

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