□ Aライン ・・ 動脈ライン。動脈に入った(通常は手首)点滴ルート。これを通して血圧がリアルタイムで表示。動脈血を適宜ここから採取できる。

□ ABCDスコア ・・ TIA発症から7日以内に脳卒中を起こしやすいかどうか、スクリーニングして予想するための評価尺度。ランセットH17.7月号で提唱。評価項目は・・Age(年齢)、BP(血圧)、Clinical features(臨床的特徴)、Duration(発作持続時間)の4項目、計6点で評価する。6点満点だと3割が1週間以内に脳卒中を発症するという。

□ ABI ・・ 足関節/上腕血圧比。閉塞性動脈硬化症などのスクリーニングとして行われる。正常は0.91-1.30。

□ ABPM=24時間自由行動下血圧測定 ・・ 30分〜1時間間隔で腕がしめられ血圧が測定されるという、ちと無理がある機械。ホルターの血圧版。夜間の血圧が分かるところがミソ。朝方急に血圧が上がることがわかればモーニング・サージということになる、など日内変動パターンを知ることができる。特に高齢者では血圧の変動が大きく、これによる測定が欠かせないのだそうだ。なお未だに保険適応外。

□ ACEI=ACE阻害薬 ・・ 降圧剤の一種。最近はARBに押されぎみ。ACEの悩みの種であった副作用「乾性咳」がARBにはないからだ。慢性心不全の予後を改善するデータあり、心機能低下がある人はとりあえず飲んでおいたほうがいい薬剤。

■ ACF=aberrant crypt foci ・・ 肉眼的には正常な大腸粘膜だが、顕微鏡下メチレンブルー染色にて濃染する大きな腺管の集まり。腺腫・癌の前病変所見として重要。ACFを標的とした治療の臨床試験が進行中。

■ Activation syndrome=賦活症候群 ・・ 別名「stimulation syndrome=刺激症候群」。抗うつ薬投与(特にSSRI)により引き起こされる中枢刺激症状(不安・敵意・焦燥・衝動性・パニック発作・アカシジア・不眠・軽躁・易刺激性・躁状態)。よって自殺のリスクを高める可能性がある。脳内5-HT受容体刺激によるドパミン減少が関与。しかし実際は、その症状が原疾患によるものか副作用なのか鑑別が(専門家でさえ)困難なのが実情。そういう問題もあるが、投与の初期に特に注意が必要。

■ ACTS-GC=Adjuvant Chemotherapy Trial of TS-1 for Gastric Cancer。つまり胃がんへの抗癌剤TS-1による術後補助療法の試み。最近、D2郭清した胃がん患者にTS-1単独による術後化学療法を行うことで生存期間が有意に上昇することが確認された(最大の副作用は食欲不振程度)。これまで胃がんの術後化学療法の有効データがなかっただけに画期的な発表となった。ただ、本剤使用後に耐性となった場合の薬剤選択など(CPT-11の意見あり)、課題はある。

□ ADA ・・ 胸水の測定項目。結核性胸膜炎の場合高値を示す。

□ ADL=activity of daily life=日常生活動作・・ 運動の自立度。その人が周りの手助けなしで、どこまで運動できるか。

■ ADR=alternative dispute resolution ・・ 裁判外の紛争処理。一方的な医療訴訟に発展する前に、第三者を仲立ちとしたあくまでも冷静な話し合い・真相究明を目的とする。医師側と向き合わない本来の訴訟は、弁護士の私腹を肥やすだけになりかねない。最近では病院内ADRなるものも登場している。

□ af ・・ 心房細動

□ AGML=急性胃粘膜病変 ・・ 胃の中の粘膜が広範囲に剥がれて出血する病態。潰瘍ほど深くないが範囲が広いので、多量に出血する。教科書どおり「コーヒー残渣様」の吐血をみる。

□ AIC ・・ 自己免疫性胆管炎 ・・ PBCの一亜型。臨床的にはPBCと考えられるがAMAは陰性で、そのかわりANAは高力価を呈する疾患で、PBCの基準を満たすもの。治療もPBCに準ずる(UDCA)。無効ならフィブラート系。

□ AIDS指標神経疾患 ・・ HIV感染に伴う神経合併症。

? HIV脳症(最多) ・・ 症状は前頭ー皮質下障害型(認知障害が中心)を呈する。
? 進行性多巣性白質脳症=PML ・・ 本症の85%以上がHIV感染。ゆっくり進行(亜急性)の神経局所症状(無道無言に至る)とMRIのT2画像で高信号の非対称性病巣。髄液のJCV-PCRは特異度高く(92-100%)、診断を強く示唆。
? クリプトコッカス症 ・・ クリプトコッカス髄膜炎の9割近くがHIV患者。亜急性。診断は髄液中の菌体あるいはクリプトコッカス抗原証明、髄液培養で陽性所見のいずれかによる。
? トキソプラズマ脳炎 ・・ 進行性の局所神経症状、CT/MRIでの多発性、しばしば浮腫随伴の造影剤増強病変、抗トキソプラズマ治療に2週間以内に反応、の場合に感染を示唆。
? サイトメガロウイルス(CMV)脳炎 ・・ HIVにCMVウイルスの感染自体はほとんどしており、実際CD4陽性リンパ球数<50μLになると問題化。亜急性進行性の脳症で、CT/MRIでの脳室周囲造影効果により示唆。
? 脳原発悪性リンパ腫=PCNSL ・・ CD4陽性リンパ球数<200μLで発症。発生にEBウイルスがほぼ100%関与。トキソプラズマ脳炎との鑑別難。

□ Alzheimer病(アルツハイマー病) 

 認知機能障害(記銘・記憶、思考、判断力の低下など)を中心とする神経変性疾患。発症後は進行性で生存期間は平均7年。早くて40歳代の発症もある。

 原因として最も考えられているのは、加齢・遺伝子変異により脳内に沈着するアミロイドβ蛋白質(Aβ)の蓄積が引き金となって脳内の「タウ」という蛋白を(高度にリン酸化して)機能不全とし、タウ沈着が神経細胞の変性そして神経細胞死を起こして、その結果痴呆となるという機序≪アミロイドカスケード仮説≫である。

  http://homepage3.nifty.com/mickeym/simin/320arutu.htmlに診断基準。

※ このアミロイドβ蛋白質が、難病の加齢黄斑(おうはん)変性症を引き起こすことを東京医科歯科大大学院の研究チームが突き止めた。研究チームの森田育男教授は「アルツハイマー病との因果関係は不明だが、同病に使われる治療が応用できる」と話している(2005.9月ニュースより)。

※ アミロイドの蓄積を画像でどうやって描出させるかあちこちで研究されている。日本ではマウスでFSBという物質(アミロイドを染めるcongo redから由来)を静脈注射し、MRIでの描出例が報告された。

 治療は依然として、塩酸ドネペジル(アリセプト)による予防しかない。効果は確実ではない。

<関連映画>・・「明日の記憶」「私の頭の中の消しゴム」

□ AMD=Age-related Macular Degeneration=加齢黄斑変性 ・・ 日本で急増中で75歳以上は高頻度。網膜の中心である黄斑に異常をきたす。タイプは2つで

 ?萎縮型 ・・ 黄斑が萎縮し、視力低下が緩徐に進行。

 ?滲出型 ・・ 脈絡膜に新生血管ができて網膜に浮腫・出血をきたす。視力低下は急激で失明例も。

 初期症状は視野の中心がゆがんできて→暗い、欠けるなどの訴えへと進む。細かい碁盤の目のような図(アムスラーチャート)をみて歪みが発見されれば可能性が高く、確定診断は蛍光眼底造影などで行う。

 治療では2004年5月〜光線力学的療法(PDT)が主流。新生血管に集積する色素(ベルテポルフィン)を静脈注射のうえレーザーを当てることで新生血管を閉塞。安全性高く20分ぐらいで終了。実施施設についてはhttp://www.pdti.jp/で。

□ ANCA関連血管炎に関してポイントのみ

・ ANA(抗核抗体)
 膠原病で高率に陽性となるのは・・MCTD(100%)、SLE(98%)、SSc(85%)、シェーグレン(80%)。
健常人でも陽性はよく見かけるが、頻度的にはX40→25〜30%、X80→10〜15%、X160→5%以上といったところ。実際に膠原病を疑うレベルはX160の場合。

・ ANCA ・・ 好中球細胞質のアズ−ル顆粒中の抗原を認識する自己抗体。染色パターンにより以下の2つに分かれる。
○ C-ANCA ・・ 好中球細胞質(Cytoplasmic)がびまん性顆粒状に染まる  ・・ 対応抗原はプロテイナーゼ3=PR3なのでC-ANCA=PR3-ANCA
○ P-ANCA ・・ 好中球の核周囲(Perinuclear)が染まる ・・ 対応抗原はミエロペルオキシダーゼ=MPOなのでP-ANCA=MPO-ANCA

・ PR3-ANCAの陽性率
?WG ・・ 80-90%
?MPA=顕微鏡的多発血管炎 ・・ 50%
?AGA ・・ 10%
?pauci-immune型半月体形成性糸球体腎炎=腎限局型のMPA ・・ 30%
?PN  ・・ 10%

・ ANCAを診断基準にあてはめた疾患はMPAとWGである(1998年)。MPAの確定に生検は必ずしも必須でなく、ANCA+所見でも診断がつく。しかしWGの確定に(特に臓器所見が少ない場合)ANCAを参考とするなら生検は必須である。

□ APS=抗リン脂質抗体症候群 ・・ 抗リン脂質抗体陽性+血栓症・妊娠合併症

○ 症状・所見
・ 血栓傾向
 静脈血栓では下肢深部、表層静脈が多い。しばしば肺塞栓。なお動脈にも血栓を起こすのが特徴。このため脳血管障害の頻度が高いが(本症の動脈塞栓の9割以上)虚血性心疾患が少ないのも特徴。
・ 妊娠合併症
   妊娠中毒症、不育症、流産(中後期に起きやすい特徴)
・ 血小板減少(20-40%)
        
○ 検査・診断
・ 抗リン脂質抗体(必須)・・抗カルジオリピン抗体=aCLにより検出=正確にはβ2GPI依存性aCL
・ LA=ループスアンチコアグラント
・ APTT延長
・ またその他の凝固線溶系異常
・ 血清梅毒反応擬陽性

○ 診断の実際の流れ
 Sapporo Criteria(1999)によると診断のキッカケはまず血栓症+妊娠合併症→β2GPI依存性aCLまたはLAが証明されれば
 APSと診断する。

○ 治療
・ 急性発症の血栓症に対する治療・・血栓溶解剤・ヘパリンなど
・ 予防
 静脈血栓:ワーファリンコントロールで目標はPT-INR 2.0前後。
 動脈血栓:低用量アスピリン(81-100mg)+シロスタゾールかチクロピジン併用+血栓リスク高度ならワーファリンもときに併用

□ ARB ・・ 最近ACEIに取って代わられつつある降圧剤。薬価が高いのが難か。最近ではオルメテック、ブロプレスが臨床医に評判がいい(降圧の面で)。

□ ALI/ARDS

↓ 2005年10月発行の新ガイドラインに基づく。

 その本態は、肺胞隔壁の透過性亢進・・・つまり血管や肺胞上皮の細胞間の隙間が開くことによる非心原性肺水腫である。大ざっぱではARDS(急性呼吸窮迫症候群)≒ALI(急性肺損傷)ではあるが、厳密にはこれら2つはPaO2(動脈中の酸素分圧)/FiO2(投与している酸素濃度)により区別される。
※ 呼吸器学会では、ALIの数ある和訳(肺障害、肺損傷、肺傷害)に関して『肺損傷』が表現上最も好ましいとした。

したがって

・ 急性に発症した低酸素血症
・ 胸部レントゲンで両側性の肺浸潤影
・ 肺動脈楔入圧で左心房負荷の所見がない、つまり左心不全を除外できる←右心カテーテル検査あるいは心臓超音波で確認

があればALI/ARDSであり、さらにこれらは

・ PaO2/FiO2≦300mmHg(呼吸器の設定のPEEP値に左右されず) → ALI
・ PaO2/FiO2≦200mmHg(呼吸器の設定のPEEP値に左右されず) → ARDS

※ FiO2、とあるが人工呼吸器がついている前提での計算式ではない。カニューラやマスクならそれ相応のFiO2で当てはめて算出する。

と機械的に区別される。単純にみればARDSのほうがALIに比べてより重症、ということになる。実際ALI患者の54%が、その診断3日以内にARDSに移行することが報告されている。

<基礎疾患>
 大きく2つに分けられる。
● 直接損傷 ・・ 肺炎、誤嚥など
 ※ 特に脳血管障害急性期、全身麻酔前後にみられることのある胃内容物の誤飲はMendelson症候群と呼ばれる。
● 間接損傷 ・・ 敗血症(全原因の4割!)、外傷、高度熱傷など

<経過・病期>
3つのステップ。この一連の変化をDAD=diffuse alveolar damageという。

? 浸出期=急性期 ・・ 呼吸不全発症から3-7日以内。病理学的にはうっ血・浮腫が目立ち、肺胞入口部を主体とする硝子膜形成(血漿成分が主体)が最も特徴的所見。
? 器質化期=増殖期=亜急性期 ・・ 呼吸不全発症から7日以降-14日以内。?型肺胞上皮細胞(線維を分泌)の増殖、それによる線維化が進む。
? 線維化期=慢性期 ・・ 呼吸不全発症から14-28日以降。線維化がもはや完成した、いわば終末像の状態。肺胞壁・血管壁(中膜)はコラーゲンにより肥厚。

<臨床>
・ 症状としては、労作時呼吸困難→安静時呼吸困難へと進行。過換気傾向のため、初期は二酸化炭素は貯留しない(つまり低換気ではない)。
・ そこでレントゲンで両側の浸潤影があれば本症を疑うことになり、上記のPaO2/FiO2を計算する。注意すべきは実際の肺損傷から陰影の出現まで12-24時間のタイムラグが存在しうることだ。
 よって画像が特徴的でなくても血液ガスの結果から疑ってかかる必要がある。
・ 画像の読影にあたっては、以下の除外が必要。
□ 左心不全
□ 実はもともとあった肺線維症の急性増悪 ・・ すでに出来上がったような陰影(蜂巣肺など)が混じってないか。
□ 急性の間質性肺炎 ・・ もしこれなら、原疾患にあたるものが見当たらないはず。BALFでの鑑別は有用。
□ COP(BOOPという病名は古いらしい) ・・ レントゲンでの下肺外側優位の浸潤影(エアブロンコグラムあり)、BALFで鑑別。ステロイドが有効だがそれは結果での話。
□ 急性好酸球性肺炎
□ 膠原病による肺胞出血 ・・ SLE、Goodpasture症候群、ANCA関連血管炎など。
□ 薬剤性の肺胞出血 ・・ アミオダロン、プロピルチオウラシルなど。
□ 感染症 ・・ 通常の細菌性肺炎だけでなく非定型肺炎、カリニ肺炎、そしてサイトメガロ、レジオネラも忘れがちだ。
□ 過敏性肺臓炎
□ 粟粒結核
□ 癌性リンパ管症
□ 医原性 ・・ 輸液過剰、気胸や胸水ドレナージ一気しすぎによる再膨張性肺水腫
□ その他 ・・ 神経原性肺水腫、高地肺水腫

・ 経過としてみられてくるもの

(人工呼吸器)
○ 循環不全 ← 陽圧人工呼吸(PEEPの追加でも)による胸腔内圧上昇が原因で、心拍出量が減る。
○ 人工呼吸器関連肺炎=ventilator-associated pneumonia=VAP ・・ 入院後48時間以上経過して人工呼吸管理中に起こる細菌性肺炎をこう呼ぶ。
○ エアリーク ・・ 具体的には気胸、縦隔気腫、皮下気腫など。肺の空気がよそへ漏れてしまう。これは気道内圧上昇のせいで、人工呼吸器より送られる空気が線維化で固くなった肺と押し合いして、肺に穴が開いてしまうようなもの。そのため1回換気量はできるだけ少なめとし、呼吸回数を増やしてでも気道内圧を最小限にする努力が必要である。
○ 高濃度酸素による肺損傷 ・・ 人工呼吸器から高濃度の酸素が送られると(まあ必要だから送っているわけだが)、それ自体が活性酸素を増殖させ肺組織を傷害する。なのでできれば酸素濃度設定はせめて60%以下に抑えたい。

(内臓合併症)
○ 肺高血圧 ・・ これが進行すると右心不全も加わり、<肺性心>と呼ばれる状態になる。
○ 多臓器不全 ・・ 具体的には腎不全、肝不全、消化管出血など。
○ 敗血症
○ DIC

<治療>

● 薬物療法 ・・ 臨床所見で有効性が証明されたものはない。

・ グルココルチコイド(ステロイド)
 ステロイドパルス、つまりメチルプレドニゾロンを1日1グラム3日間、という方法が現実的によくみられるが、有効性の裏づけまではされていない。する価値がある治療、とでも言うべきか。というのは原疾患によってはステロイドが有効である病態がある、または潜んでいるかもしれないからだ。
※ 発症7日目以降の病態に対するステロイドの検討が大規模試験で行われており、結果待ちの状態である。

・ 好中球エラスターゼ阻害薬
 シベレスタットのこと。商品名エラスポール。投与するとしたら発症して72時間以内。それ以後は効果の期待薄い。臨床試験では有効性は証明済みだが生存期間まで短縮したわけではない。

・ 抗凝固療法
 AT?製剤
 遺伝子組み換え型活性化プロテインC(drotrecogin α)・・(本邦はまだ未承認) ・・ 重症敗血症の治療開始後28日目の予後を有意に改善、とのデータあり。

● 呼吸管理(要点のみ)

・ PCV=pressure control ventilationでは気道内圧の上限が設定でき、これは肺への損傷を最小限に防ぐという目的をもつ。
・ 最近の報告では有効な治療法としてはまず、低容量人工換気療法・・1回換気量を6ml/kgまで落として気道内圧を30cmH20以下にし、CO2上昇 しようともO2が60Torr以上維持できるなら呼吸性アシドーシスを容認してもいい、という内容。圧による肺への損傷を回避するためだ。この病態では大目に見ても1回換気量は10ml/kg以下の設定が好ましく、決して12ml/kg以上にしてはならない。
・ FiO2の設定はまず1.0で開始し徐々に下げ、PEEPは5を出発点として3-5キザミで上げていく。

□ AS=大動脈弁狭窄症 ・・ 心臓の出口の弁が年齢とともに硬くなり、血液が出にくくなった状態。脳などへの血液供給が減って失神・脱力を起こし、送れなかった血液は心臓の中へ逆流し(つまりARが合併してASRとなる)、心不全の原因となる。治せる薬はない。手術しかないが、その時期が重要。

□ ASCOT-BPLA試験(2005年報告) ・・ 心血管危険因子のある高血圧患者に、新薬群(カルシウム拮抗剤主体)と旧薬群(β遮断薬主体)とで心血管イベントの発生を比較。結論は新薬のほうが旧薬のほうを上回り、心イベント発症の抑制効果がより高いという結論が出た。

□ ATLS=Advanced Trauma Life Support ・・ 米国外科学会の外傷委員会が開発した、外傷初期診療のための医師(外科系いかんにかかわらず)向けプログラム。プライマリケアだけでなく患者の搬送の手順、病院選びなど幅広い能力が要求される。日本では<JATEC>http://www.jatec-web.com/がこれにあたる。

□ ATRA=アトラ ・・ 活性型ビタミンAで、白血病細胞のみに存在する融合蛋白をターゲットとして作用する、分子標的治療薬。
 1988年上海で24例のAPL(急性骨髄性白血病)全例が寛解、日本でも高率に寛解。以後APLの治療に使用。

 ATRAによりAPL細胞は好中球へと成熟・分化させるという機序のため、白血球の増加を招きやすく、それに伴いレチノイン酸症候群=RA症候群(ARDS類似の病態でステロイドパルスに反応良)、APL分化症候群といった重篤な副作用を来たすことがある。

 RA症候群の予防のため、化学療法が併用されるのが常。また長期使用による耐性も問題で、休薬によりまた有効となるが永久耐性の例もある。

 多施設共同研究では未治療群でのアトラによる寛解率は約90%と優れる。しかし約20%の再発例がある。再発の場合はATRAが無効の場合が多いが2005年春、日本発売の新規レチノイン酸Am80では再発例の約60%に再寛解が得られるという。

□ atrophy(アトロフィー) ・・ 萎縮。頭部CTの脳萎縮所見などのときに使用される用語。

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年6月  >>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293012345

お気に入り日記の更新

最新のコメント

この日記について

日記内を検索