□ βブロッカー(ベータ−ブロッカー)=β遮断薬 

 β受容体を遮断する薬剤。目的としては降圧が多い。ACE阻害薬と同様、慢性心不全の予後を改善すると最近見直されてきた薬。

 なので本来の降圧薬としてでなく循環器領域で使用する頻度が増えている。

 ただしこの中にも種類があって、症状、血行動態(エコー所見など)によって慎重な選択が望まれる。できれば循環器系のドクターに調節してもらったほうがいい薬剤。糖尿病、徐脈など副作用は多い。だが欧米に比しわが国での使用頻度はまだまだ少ない。

□ β-D-グルカン ・・ カンジダ抗原より正確な、真菌検出・抗真菌剤効果判定のための血液検査。結果判定まで数日を要するのと、月1回の測定までしか許されないことが多いのが難。カンジダ抗原と同一日に測定できないので、実際は最初にカンジダ抗原を測定、即日の結果が陽性なら抗真菌剤を開始。翌日にβ-D-グルカンを測定、数日後の判定でもし陰性なら抗真菌剤は中止、という具合。なお測定法が2つあるのだがそれぞれ長所・短所があり、どちらをどう使い分けるべきかなどの評価検討が進められている。

□ B型肝炎=B型慢性肝炎=CHB 

 肝硬変への移行を防ぐための治療のタイミングがポイント。無治療でも治るケースがあるため若年では高ウイルス量でもすぐに治療をするべきかどうかは悩むところ。35歳までは様子見で、越えてHBe抗原が陽性なら早期の治療を進めるという考えが強い。

 また、HBV-DNA量が1X10の4乗以上であればHBe抗原・ALTの値にかかわらず肝硬変進展の独立因子である、という台湾の研究結果に基づき、そこを基準に治療に踏み込むべきという意見もある。

 治療は大きく分けて

?免疫機序でウイルス排除:IFNによる期間限定的治療
?ウイルス増殖抑制:核酸アナログによる長期治療

 がある。

?はウイルス多い例には有効性低く、ウイルスの種類(ジェノタイプ)にも左右されるという問題
?には耐性の問題

がある。こういう問題もあるので、治療適応はあくまでも各人で異なったものとなる(実際ガイドラインも国によって様々)。

□ B.I.=ブリンクマン・インデックス ・・ 喫煙年数 X 1日のタバコ本数。これが400を越えるなら肺癌のリスクあり。
 例文)「ブリンクマン・インデックスは2000と、かなりのヘビースモーカーです」

□ BAD=branch atheromatous disease ・・脳の深部に入り込む動脈を穿通枝というが、このうち比較的太い部位(厳密には穿通枝入口部から本管側)のアテローム閉塞による脳梗塞。脳梗塞の大きさはアテローム梗塞とラクナ梗塞との中間に位置する。

□ BAL=bronchoalveolar lavage=管支肺胞洗浄 ・・ 気管支鏡によって気管支の末梢に生食を流し、回収したもの(回収した液がBALF=BAL fluid)。気道にある炎症細胞などを拾って分析。

□ Bartter症候群 ・・ 遺伝性の尿細管疾患、の1つ。症状は乳幼児期からで、脱水・低カリウム症状が主体。代謝性アルカローシスを呈するほか、レニン上昇、一方アルドステロンは正常〜高値と幅広い。尿中にはClの排泄が増加する。利尿剤フロセミドによっての強制利尿が得られないのも特徴で、これより本剤の作用部位であるヘンレの太い上行脚の機能異常が指摘され、現在原因遺伝子特定(複数)にまで至っている。

□ Batista手術 ・・ 左心室の自由壁を部分的に切除・縫縮することで左心室の大きさを縮小する。僧房弁置換術も行う。DCMに行われること多いが、ごく一部の適応を除き否定的な意見(術後はいいが再悪化してくる)が多いらしい。

□ BRS=Baroreflex Sensitivity=圧受容体反射 ・・ 副交感神経機能の評価法の1つ。カテコラミン製剤であるフェニレフリン(商品名ネオシネジン)を静脈注射して、動脈圧と心電図モニターの動きをみる。通常は血圧が上昇するに従い脈は遅くなる。動脈圧が上昇すれば通常、受容体(大動脈弓、頸動脈洞にある)による反射で副交感神経が刺激され徐脈になるという現象を利用。心筋梗塞を起こした患者のこの反射は低下しており、徐脈になるまでの時間が遅延する。遅延するほど予後が悪い。

□ Brugada(ブルガダ)症候群 

 特定疾患。以前の「ぱっくり病」の主たるもの。提唱が1992年と新しい。若年〜中年男性の睡眠時突然死(心室細動による)の原因として注目。30歳代後半〜40歳代の男性に多く(75-94%)有病率0.15%。症状のある群とない群があり、後者のほうが一部を除き予後良好。

 発作は安静時(つまり副交感神経亢進時)に多く、具体的には大仕事・運動直後に起こりやすい。

 失神歴と安静時心電図所見(不完全右脚ブロック+右側胸部誘導(V1-3)のST上昇)より診断<心電図所見のみの場合は「Brugada様心電図」と区別することがある>。?群抗不整脈剤でその特徴的な心電図波形が増強するが、同時に心室細動が誘発されることがある。なお心電図波形は運動・イソプロテレノ−ル負荷では逆に正常化する特徴もある。発熱時にはST上昇が増強するため入院管理が望ましいとされている。

電気生理学検査(EPS)では2-3連発の心室早期期外刺激で50-80%の例にVFやVTが誘発される(無症候性<有症候性)。

 なお最近では完全右脚ブロックを呈する例は少なく、むしろ正常QRS幅が1/3も占めるといい、右脚ブロックを本疾患の必須条件とする必要はないと考えられている。

 突然死は家族性・若年性。つまり遺伝病。原因遺伝子として<SCN5A>が特定され(15-25%に認める)、(ナトリウム)イオンチャネル病と考えられている。

 突然死の家族歴、電気生理検査でのVT/VF誘発があれば日本の適応(ICD植え込み)でいうとクラス?a(絶対適応ではないが適応のエビデンスあり)に該当する。ただ無症状で心電図所見のみの患者はどうしたらいいのか、結論は出ていない。

□ bruit(ブルーイ) ・・ 拍動に合わせて聞こえる雑音。腹部や頸部、そけい部などで聴取される場合をいう。血管の狭窄を反映する。

□ BS ・・ 血糖。いつの時点でのものかは不明瞭。

□ BSA=body surface area=体表面積 ・・ 単位は(m2=へーベー)

□ BSE=牛海綿状脳症 ・・ なぜか大半が20代の若年者(平均29歳)。初発症状は精神症状(元気なし、性格変化、ルーズ、意欲なし)と感覚異常(しびれ、痛み)。進行するとふらつき、体の震え。これらの症状は特異的なものではないので鑑別・除外診断が重要になる。平均罹病期間は14ヶ月。診断にはMRI、脳波(異常はまれ)、脳脊髄液検査も要する。日本では献血の問診で英国などBSE発生国に通算6ヶ月以上滞在したかどうかチェックする仕組みになっている。日本では検査体制、特定部位(SRM)除去などのリスク管理が非常に徹底されている(世界トップレベルらしい)。感染している牛の頭数が多い英国では年10-20人が発症、日本ではかなり少ないはず。
http://www.mhlw.go.jp/qa/kenkou/vcjd/厚生省。
http://www.nanbyou.or.jp/pdf/105_s.pdf難病情報センターも参考に。

□ BT(Body Tempreture)=KT ・・ 熱。

□ BTLS=Basic Trauma Life Support ・・ 米国救急医学会と救急医協会が開発した、外傷初期診療のためのパラメディカル(救急救命士含む)向けプログラム。患者の病院搬送までの救護処置に重点。日本ではBTLS JAPAN →http://www.btls-japan.jp/index.html←がこれにあたる。

□ BZD=ベンゾジアゼピン系抗不安薬 ・・ 抗不安・睡眠導入のために使用。即効性(1-2時間)で作用。このうち短時間作用型で高力価のものが不眠症に使用される。欧米では1980年代から長期服用の問題(依存性・認知機能低下・うつのマスキング)が指摘されSSRIに移行してきているが、日本ではいまだBZDの処方が多い。前述の副作用のため、最近では1ヶ月以上の継続は避けるべきとされている。急な中止は6割以上が離脱症状を訴えるのであくまでも漸減という形で。なお、うつの症例が目立つならSSRIへの切り替え(オーバーラップしながら)が好ましい。

※ 認知機能低下 ・・ 特に自動車事故、転倒。
※ うつのマスキング ・・ BZDは、うつには無効。身体症状の改善に満足して、うつがほったらかしのケースが多い。

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