□ DC=バージョン=電気ショック=除細動(器)=電気的除細動 ・・ 電気ショック、あるいはそれに使われる器具。

□ DCA=directional coronary atherectomy=方向型アテレクトミー ・・ 冠動脈内の血栓を、カテーテルを通して入れたカッターでそぎ落とし回収する。

□ DES=Drug-eluting stent=薬剤溶出性ステント 

 従来のステント挿入後の慢性期再狭窄を解決するために新発売されたステント。冠動脈内の内膜増殖抑制剤が入っており、またこれを徐々に放出させる役割をもつポリマーが含まれる。

 大きく分類すると2タイプあり。

?シロリムス(免疫抑制剤。商品名はCYPHER。2004年8月から保険適応)

?パクリタキセル(抗癌剤。商品名はTAXUS)

 これらの臨床成績は良好で、再治療率が5%以下と驚異的だ。問題点としては・・高価であること、長期の抗血小板剤投与が必要なこと、それと新しいデバイスなので長期予後的なデータがないことだ(3ヵ月後以降は結局従来ステントと同じ再狭窄率、という嘆かわしいデータあり。ポリマーのせいとされ改良努力中)。このため様子をみている臨床医も多い。まなお留置するステントが複数で並ぶ場合、ステント間に隙間を作らず長く連続した留置がベターとされている。

□ DHEA補充療法 ・・ DHEAは性ステロイド(エストロゲン、テストステロン)の前段階ホルモン。副腎・性腺で産生され、男女とも6,7歳より増加、13-25歳まで高値が続き、加齢とともに減少。長寿例に高値が多く、長生きの指標とされている。実際これが動脈硬化や糖尿病などに有益であることはすでに証明されている。アメリカでは市販されていて連日内服という形で補充する。日本での発売はデータが乏しく困難。だが最近話題のメタボリックシンドロームへの応用の価値はあると思われ、特にインスリン抵抗性改善というデータは信頼性が高いので、今後特にそちらでの応用が望まれている。

□ DIC=播種性血管内凝固症候群 ・・ 重症化した病態。感染などの疾患が悪化し血液中の凝固システムが反応しあちこちに凝血塊を作り、さらにそれを溶かすための反応が亢進。出血傾向となる。

□ dizziness ・・ 動揺性めまい。横揺れ。船酔い様。

□ DIP ・・ 尿管結石診断のため、造影剤を点滴し、その尿路への流れを時間を追いながら写真に撮っていく検査。造影される尿管の途絶、また左右の尿管の見比べなどで診断。

□ direct (ダイレクト)PTCA ・・ AMIに対してすぐさま血栓溶解剤を使用せず、そのままカテーテル検査から始めること。
こちらのほうがPTCAの成績が優れている施設が多い。

□ DLST=薬剤リンパ球刺激テスト ・・ 薬剤とリンパ球の反応を、生体内でなくin vitroで検査し、生体内での?型アレルギー反応を評価しようというもの。ある検討では薬剤性肺炎の67%が陽性を示すとある。しかし信頼性には問題があり、偽陰性・偽陽性の問題、検査に使用する薬剤濃度の基準がない、検査時にステロイドが投与されている場合の影響などがある。しかも薬自身にリンパ球幼若活性があると検査そのものが陽性と出てしまうなどの問題も指摘されている。なので補助診断として扱うべき。

□ DOA=Death On Arrival=CPA=到着時死亡 ・・ 救急外来に搬入した時点で心肺停止状態の患者。

□ Dor手術 ・・ 心筋梗塞のために、左心室の壁がa-kinesis(全く動いてない)あるいはdys-kinesis(本来とは反対の動きをして協調性がなく、結果的に左心室が瘤のようにでかくなる)となった梗塞部分を除去。良好な成績。

□ DPB=Diffuse panbronchiolitis=びまん性汎細気管支炎 

 慢性的下気道疾患の代表。名前の通りで、両肺にびまん性に呼吸細気管支領域の慢性炎症を特徴とする。症状は慢性気管支炎の症状(咳・痰)のほか労時息切れ、また高率に慢性副鼻腔炎を合併するので、<副鼻腔気管支症候群>の1つともされている。

 なぜかアジア系に多く、実際HLAでは日本人でHLA-B54の頻度が高いほか、韓国ではHLA-A11との関連が強い。なのでHLA-A遺伝子座とHLA-B遺伝子座の間にDPBの疾患感受性を規定する遺伝子が存在すると考えられている。

 本症は感染を繰り返しやすく、8割以上は緑膿菌が肺の中に定着する。診断は胸部CT(HRCTが望ましい。通常のCTでは見落とし危険あり)の肺野条件、末梢まで追える気管支の枝(つまり呼吸細気管支領域の慢性炎症である)のきめ細かな像。

 さきほどの緑膿菌感染が問題となるが、マクロライド系長期投与が半数に奏功する(つまり半数が6ヶ月投与で菌が消失!この6ヶ月目が最大効果発現時期で、それ以後プラトーで効果を維持)。成績はよく、1985年以降の5年生存率データでは91.4%と明らかに予後を改善する。緑膿菌の<バイオフィルム・・・菌が多糖類、アルギン酸産生して集落形成、さらにフィブリン・血清成分などが蓄積したネバイ塊で、コレが気道の繊毛運動をジャマして結果痰が出にくくなる>形成を抑制するからだそうだ。

□ drug fever=薬物熱 ・・ 文字通り、薬物によるアレルギーによる熱発。不明熱のときの鑑別診断の1つとして、やり玉に挙げられる。

□ due to ・・ = ・・のせいで、・・が原因で

□ E型肝炎 

 1本鎖RNAウイルスであるE型肝炎ウイルス=HEVによる肝炎。

 4つのサブタイプがあり劇症肝炎は4型に多い。持続感染しないので慢性肝炎・肝硬変は起こさないが、劇症肝炎を起こす可能性があるわけだ。経口感染という点ではA型肝炎と似るが、A型と違って流行性・季節性があまりないのが異なる。

 動物、特にブタ肉の摂食による感染が多い。日本では北海道・東北(特に岩手)に多く、国外では中国・インドなどアジア諸国に多いが理由は不明。というのはそれ以外の地域でもそれに感染しているブタがかなりいるからである。1979年-2005年1月の調査で、感染人数は193人。いずれにしても豚肉を生焼けでは食べず火をよく通そう。

 潜伏期間は平均6週間(2-9週)で海外渡航歴も重要。HEV-IgM抗体の検出を行うが、陽性だとしても感染既往か感染中なのか意義づけがよく分かってない。HEV-RNAの測定でより確実な診断に近づくが、血液中には2週間しか出てこないので測定するのが遅いと見逃してしまう可能性あり。これら2つの検査は非保険適応。

 現時点ではこれといった治療法はなし。

□ EBウイルス関連胃癌 ・・ EBウイルス(2本鎖DNAウイルス)に感染した上皮細胞が増殖した腫瘍で、胃癌の1割弱を占める。男性に多いが年齢差はない。好発部位は噴門〜胃体部。転移の頻度は低い。
・ 組織像 : 低〜中分化型腺癌の像、リンパ球浸潤(CD8陽性主体)
・ 内視鏡所見 : 表面陥凹、境界不明瞭で分厚い病変が多い

□ EBM(Evidence-Based Medicine)=科学的根拠に基づく医療 ・・ 統計学的に蓄積されたデータから、治療の方針を決めようというもの。発想としては医学にプラスになるものだったが、結局は医薬品会社の薬の宣伝目的にすぎず、一時のブームに終わった。上述の「ガイドライン」と同様、国や会社の利益の介入がある限り、臨床医はそのまま受け入れるべきではない。

■ EGFR(上皮細胞成長因子受容体)遺伝子変異 ・・ EGFRのチロシンキナーゼ阻害剤(EGFR-TKI)であるゲフィニチブ(イレッサ)やerlotinibの奏功率を左右する因子として注目。これには4つの臨床背景が指摘されている→?アジア人種>非アジア、?女性>男性、?非喫煙者>喫煙者、?腺癌>非腺癌 。ただ、変異がなくても治療奏功例は存在するので、治療適応を遺伝子変異群にしぼるべきではないともいわれている。あと盲点として間質性肺炎のリスクも投与前の評価として重要となる。

□ EMR=内視鏡的粘膜切除術 ・・ 胃癌の中でも表層に限局してリンパ節転移がないものを対象とした、胃カメラ下での一括切除術。大きさ的には2センチ以下だが場合により3センチ以下も適応。

□ EPO=エリスロポイエチン ・・ 腎臓で産生されるホルモンで、赤血球を増加させる。赤血球造血目的のEPO製剤の適応は、CAPD(腹膜透析)施行中患者あるいは透析導入前の腎性貧血患者で、血清クレアチニン値2mg/dl以上、Ccr 30以下が保険適応となる。投与の目安はヘモグロビン値が10g/dl未満(ヘマトクリット値で30%未満)とする。なおヘモグロビン12g/dl、ヘマトクリット36%以上にまで上昇するなら休薬すること、となっている。

□ ERCP=内視鏡的逆行性胆管膵管造影  ・・ 胃カメラより長く太い側視鏡で行う造影。側視鏡は十二指腸下行脚の乳頭部まで余裕で届き、さらにそこから乳頭にワイヤー・カテーテルを入れて、胆道(C管)・膵管(P管)の造影を行う。

□ ERP=内視鏡的逆行性膵管造影。

□ ESD=endoscopic submucosal dissection=内視鏡的粘膜下層剥離術 ・・ 最近さかんな(H15あたりから)、EMRよりも適応の拡大した内視鏡下での早期胃癌治療法。まず癌の下の粘膜下層に生食などを局注して、病変部位を下から隆起させる。この病変の周囲を切開後、直接粘膜下層を剥離して腫瘍を一括切除する。従来法(EMR)に比べて穿孔・出血のリスクは高い。最近その合併頻度は減ってきているが、大腸の場合は粘膜が薄いため穿孔の率が高い(5-16%)。2006年3月より<早期胃癌>への保険適応となった。消化器外科ではなく、消化器内科の領域。

□ ESR=血沈=赤沈=赤血球沈降速度 ・・ 炎症所見の反映(1週間後)。DICで低下するほか、過粘度症候群(骨髄腫などでの)、フィブリノーゲン過剰症のスクリーニングに有用。

□ FBS ・・ 空腹時血糖。126を越えると無条件に「糖尿病」と診断される。

□ FiO2=吸入気酸素濃度 ・・ 鼻・口を通して肺へ送り出される酸素の濃さ。

○ 経鼻カニューラ:1リットルで24%、2リットルで28%、3で32%、4で36%、5で40%、6で44%。5リットル以下の場合0.2+0.03X(リットル)で計算される。
○ 酸素マスク:5-6リットルで40%、6-7リットル;で50%、7-8リットルで60%
○ リザーバマスク:6リットル;で60%、7リットルで70%、8リットルで80%、9リットルで90%、10リットルで99%。

□ flutter(フラッター) ・・ 通常は「心房粗動」をさす。心房細動に似ているが、「粗動」のほうが血行動態が不安定。

□ FM=fibromyalgia =線維筋痛症  ・・ 全身の慢性疼痛・朝増強のこわばりが中心で、疲労感・抑うつ・睡眠障害などを呈する原因不明のリウマチ性疾患。
   診察・検査でこれといったものがない。命にはかかわりないが長期に渡る例が多く、ADL.QOLを大いに落とす。
・ 米国で全人口の2%で本邦もそれくらいと言われており、決してまれな疾患ではない。
・ 原因は不明。
・ ストレス・天候に左右されること多い。
・ 全年齢で起こりうるが55-65歳がピーク。
・ 家族例が存在する(4.1%)。
・ 半数は感冒様症状に引き続いて発症する。
・ 抗ポリマー抗体が47%に陽性となり注目されている。
・ 一次性:2次性=3:1で、二次性にはリウマチ性疾患が多くRAの12%にFMを合併する。
・ 治療 ・・ 睡眠の調整、有酸素運動が基本で内服は三環型あるいはSSRI。NSAID・ステロイドは無効。根治療法はない。

□ FN=Febrile Neutropenia=発熱性好中球減少症 ・・ 造血器腫瘍(たとえば白血病)に多く認める、発熱(1回の検温で38℃以上、あるいは37.5℃が1時間以上持続する)+好中球減少(500/mm3未満、あるいは1000/mm3未満であるが500/mm3未満への減少が予測される場合)で定義されている。起炎菌が不明のことが多く致死的となりやすい。リスク(日本では、リスク評価としてのMASCCスコアはあまり普及しておらず主観に基づくことが多い)の高低に応じて、抗生剤を経口〜注射単剤〜注射2剤併用などに使い分け、培養結果を待ちつつ投与3-5日後に評価する。この場合発熱が続いていても全身状態安定していれば継続治療でもよいとガイドライン(2003年版)にある。

□ FOY(メシル酸ガベキサート) ・・ 蛋白分解酵素阻害薬。急性膵炎・DICのときに使用。単独投与が原則で24時間持続投与。

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年6月  >>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293012345

お気に入り日記の更新

最新のコメント

この日記について

日記内を検索