サーガマニュアル2007秋 T U V W
2007年9月17日□ Tbc=Tb ・・ 肺結核の意味でカルテに記載される。「テーベー」とよく呼ばれる。最近では糖尿病、免疫抑制剤服用患者、エイズ患者での発症が増えている。免疫能を低下させるこれらのケースは、全て結核が易感染性であることを念頭に置く必要がある。なお厚生省は結核予防法を廃止・統合して感染症法の中に組み込む意図だが、対策内容が後退するなどの反対意見が多く、難航している。
□ TBLB=経気管支肺生検
□ TEE ・・ 経食道エコー=食道エコー
□ Tei index ・・ 心臓超音波、パルスドプラ法で求められる、心機能の総合的な指標(マニアックではある)。心機能は収縮能と拡張能に分けられ、前者はEF(左室駆出率)、後者はE/A比で評価されることが多いが、これらを総合してスコア化したのがこれ。 a・・僧房弁血流のA波終了点〜E波開始点までの時間 b・・大動脈駆出血流の開始〜終了までの時間 とし、(a-b)/b をTei (テイ)indexという。正常は0.39±0.05で、増大は予後が不良であることを示す。つまり予後・合併症の推定・予知に役立つ。
□ TIA=一過性脳虚血発作 ・・ 一瞬、脳梗塞様の症状を呈する。頭部CTなどの画像では証拠が残らない。
■ TOPOFF訓練 ・・ TOPOFF=top officials of the US government。様々な機関が協力して、国家の非常事態(バイオテロなど)を想定して行われる、マネジメント訓練。http://www.cyberpolice.go.jp/international/north_america/20050310_211347.html
□ toxicity=中毒
□ TRT=tinnitus retraining therapy ・・ 耳鳴りを根本的に治すのでなく、慣れさせることで軽減にもっていく治療法。具体的にはsound generatorで不快ない雑音を1日6-8時間流しhttp://df.sat.siemens.de/Grafiken/allgemeines/ueberblick_tinnitus/prisma-tci.jpg、カウンセリングを組み合わせる。3−6ヶ月でほとんどの例に効果がみられる。耳鳴りに束縛されるという心理的圧迫から解放されるという。
■ TTE=経胸壁エコー=心臓超音波検査=心エコー
■ TMA=thrombotic microangiopathy=血栓性細小血管障害症
溶血性貧血+血栓形成などによる微小循環系(細小血管レベル:つまり末梢)での臓器障害を特徴とする病態の総称。成人に好発するTTP、小児・若年に好発するHUS(O-157による溶血性尿毒症症候群)の総称ともいえる。これらは以下の所見を呈する。
? 血小板減少
? 溶血性貧血
? 腎機能障害
? 動揺性精神神経症状
? 発熱
・ TTP ・・ ?+?+?+?+?
・ HUS ・・ ?+?+?。神経症状は少ない特徴がある。
いずれも細小動脈の臓器障害という点で共通。
・ TTPの原因:vWFのうちの大分子成分を切断して血小板血栓を防ぐ酵素であるvWF-CPの異常型であるULvWFの存在が原因とされていた。最近ではADAMTS-13というvWF分解酵素が同定され、TTPではこれへの自己抗体が産生されるためvWFが分解されずADAMTS-13活性低下→ULvWFが増加→血小板と反応(つまり血栓の主成分はvWFである)→塞栓・溶血→臓器障害となる。
※ 先天性TTPの場合はADAMTS-13そのものの遺伝子異常。
・ HUSの原因:O-157によるベロトシキンにより血管内皮傷害によりサイトカインや接着蛋白が増加しNO産生を低下、また血小板活性は増加する。これらがすべて血栓傾向を促し病態を作る。家族性HUSは1割がこの機序。
・ TTPの治療:FFPの輸注、血漿交換。血小板輸血は禁忌。
・ HUSの治療:腎障害対策(輸液・透析)。血漿交換は有効不明。
○ 診断
・ ?〜?より疑いが出れば末梢塗抹標本を作成→赤血球破砕像を確認
・ 増加するもの ・・ 関接ビリルビン、LDH・・・溶血による。あと網状赤血球も増加。トロンボモジュリン(内皮細胞障害マーカー)も増加多い。
・ 減少するもの ・・ 血小板、ハプトグロビン
・ 合併する膠原病で最多はSLE。SLEの半数は活動性↑に伴い(TTPが)発症、残り半分は関係なく発症。
○ 治療
・ 血漿交換 ・・ ULvWFを除去しvWFを補給 神経症状を伴う場合は直ちに行うべき。投与量は50-80ml/kg/day。
・ 血漿輸注 ・・ vWFを補給
効果は前者のほうが強い。
□ TZ=ツッカー ・・ 点滴のツッカー(ブドウ糖)を指す。通常は5%TZをさす。心不全のある患者はまずこれで開始。
□ UGI=upper GI=胃透視 ・・ バリウム検査。食道〜胃〜十二指腸上部まで観察。
□ unstable AP=UAP=不安定狭心症=アンステーブル=切迫心筋梗塞 ・・ 冠動脈が今にも詰まるかもしれない狭心症。機序としては高血圧・喫煙などの冠危険因子→血管の内側の血管内皮に亀裂→血小板や凝固系のものが付着→血栓→血管を徐々に閉塞しかける→胸痛。血管が詰まりかけなので二トロペンが単純に効かず。そのため緊急カテーテル検査が必要。
□ UTI = Urinary Tract Infection=尿路感染 ・・ 膀胱炎、腎盂腎炎の総称。通常は尿中白血球の増加を認める。
□ VAP=ventilator-associated pneumonia ・・ ベンチレーター、すなわち人工呼吸器に関連した肺炎。定義では「気管挿管による人工呼吸開始48時間以降に発症する肺炎」であり、挿管前に肺炎がないことが前提。発症率は挿管している期間に相関し、具体的には7日間なら7%、30日なら30%(←覚えやすい!)。肺炎の発症時期により、?気管挿管4日以内の場合(早期VAP)と?5日以降発症(晩期VAP)とに分類。ただし?の分類でも3ヶ月以内の抗菌薬投与歴あり又は5日以上の入院歴は?に含めるものとなっていることに注意。VAPの原因菌は?では抗生剤の比較的効きやすいMSSA、インフルエンザ菌、肺炎球菌が主体で、?では耐性菌が多く、MRSAや緑膿菌、アシネトバクター、エンテロバクターが中心。早期の投薬が予後を左右するので、培養検査を待つヒマはく、できればグラム染色で確認次第方針(選択薬)を決めたいところ。最近はバンコマイシン耐性のMRSAの出現も珍しくなく、その場合はリゾネリド(というかその目的で出た薬剤)のほうが有効という意見が多い。しかしVAPの予防が基本にあり、具体的には痰の気管内貯留防ぐための溶解・吸引、それと口腔ケアである。なお挿管は経鼻だと副鼻腔炎の合併が多いので、経口が望ましい。
□ vertigo ・・ 回転性めまい。メニエル病で特徴的。http://www.memai.jp/こういう学会あるんやなあ。
□ viability(バイアビリティー) ・・ 心筋の生き生き度。血流シンチ(RI)での血液の流れを(良いほど赤、悪いほど紫)反映。ただし流れる血液の絶対量を表すものではなく、他の部分と比べてのあくまでも<相対的な>血流を表現することに注意。
□ volume overload ・・ 容量負荷。点滴の量が過剰なときなど、こう指摘される。CVP(中心静脈圧)や下大静脈径より判断される。
□ warm shock ・・ 敗血症性ショックの初期段階。発熱などによる全体的な血管拡張により、体はまだ温かい。これが進行すれば体は冷たくなり、いわゆる「cold shock」とよばれる。末梢の毛細血管を収縮させてでも大血管の循環を守ろうとする、反射的な防御機構だ(わが国の風潮に似る)。結果的に末梢組織は虚血となりアシドーシスの病態を呈する。
□ wheeze(ウィーズ)=wheezing(ウィージング)=喘鳴(ぜいめい) ・・ 気管支喘息にみられる呼吸音で、ヒューヒューと聞こえる。ただし年寄りの誤嚥による気道狭窄、心臓喘息の場合もあり注意。
□ W.N.L.(Within Normal Limit) = 正常範囲内 = 異常なし = 特記事項なし = n.p.(エヌピー)
□ TBLB=経気管支肺生検
□ TEE ・・ 経食道エコー=食道エコー
□ Tei index ・・ 心臓超音波、パルスドプラ法で求められる、心機能の総合的な指標(マニアックではある)。心機能は収縮能と拡張能に分けられ、前者はEF(左室駆出率)、後者はE/A比で評価されることが多いが、これらを総合してスコア化したのがこれ。 a・・僧房弁血流のA波終了点〜E波開始点までの時間 b・・大動脈駆出血流の開始〜終了までの時間 とし、(a-b)/b をTei (テイ)indexという。正常は0.39±0.05で、増大は予後が不良であることを示す。つまり予後・合併症の推定・予知に役立つ。
□ TIA=一過性脳虚血発作 ・・ 一瞬、脳梗塞様の症状を呈する。頭部CTなどの画像では証拠が残らない。
■ TOPOFF訓練 ・・ TOPOFF=top officials of the US government。様々な機関が協力して、国家の非常事態(バイオテロなど)を想定して行われる、マネジメント訓練。http://www.cyberpolice.go.jp/international/north_america/20050310_211347.html
□ toxicity=中毒
□ TRT=tinnitus retraining therapy ・・ 耳鳴りを根本的に治すのでなく、慣れさせることで軽減にもっていく治療法。具体的にはsound generatorで不快ない雑音を1日6-8時間流しhttp://df.sat.siemens.de/Grafiken/allgemeines/ueberblick_tinnitus/prisma-tci.jpg、カウンセリングを組み合わせる。3−6ヶ月でほとんどの例に効果がみられる。耳鳴りに束縛されるという心理的圧迫から解放されるという。
■ TTE=経胸壁エコー=心臓超音波検査=心エコー
■ TMA=thrombotic microangiopathy=血栓性細小血管障害症
溶血性貧血+血栓形成などによる微小循環系(細小血管レベル:つまり末梢)での臓器障害を特徴とする病態の総称。成人に好発するTTP、小児・若年に好発するHUS(O-157による溶血性尿毒症症候群)の総称ともいえる。これらは以下の所見を呈する。
? 血小板減少
? 溶血性貧血
? 腎機能障害
? 動揺性精神神経症状
? 発熱
・ TTP ・・ ?+?+?+?+?
・ HUS ・・ ?+?+?。神経症状は少ない特徴がある。
いずれも細小動脈の臓器障害という点で共通。
・ TTPの原因:vWFのうちの大分子成分を切断して血小板血栓を防ぐ酵素であるvWF-CPの異常型であるULvWFの存在が原因とされていた。最近ではADAMTS-13というvWF分解酵素が同定され、TTPではこれへの自己抗体が産生されるためvWFが分解されずADAMTS-13活性低下→ULvWFが増加→血小板と反応(つまり血栓の主成分はvWFである)→塞栓・溶血→臓器障害となる。
※ 先天性TTPの場合はADAMTS-13そのものの遺伝子異常。
・ HUSの原因:O-157によるベロトシキンにより血管内皮傷害によりサイトカインや接着蛋白が増加しNO産生を低下、また血小板活性は増加する。これらがすべて血栓傾向を促し病態を作る。家族性HUSは1割がこの機序。
・ TTPの治療:FFPの輸注、血漿交換。血小板輸血は禁忌。
・ HUSの治療:腎障害対策(輸液・透析)。血漿交換は有効不明。
○ 診断
・ ?〜?より疑いが出れば末梢塗抹標本を作成→赤血球破砕像を確認
・ 増加するもの ・・ 関接ビリルビン、LDH・・・溶血による。あと網状赤血球も増加。トロンボモジュリン(内皮細胞障害マーカー)も増加多い。
・ 減少するもの ・・ 血小板、ハプトグロビン
・ 合併する膠原病で最多はSLE。SLEの半数は活動性↑に伴い(TTPが)発症、残り半分は関係なく発症。
○ 治療
・ 血漿交換 ・・ ULvWFを除去しvWFを補給 神経症状を伴う場合は直ちに行うべき。投与量は50-80ml/kg/day。
・ 血漿輸注 ・・ vWFを補給
効果は前者のほうが強い。
□ TZ=ツッカー ・・ 点滴のツッカー(ブドウ糖)を指す。通常は5%TZをさす。心不全のある患者はまずこれで開始。
□ UGI=upper GI=胃透視 ・・ バリウム検査。食道〜胃〜十二指腸上部まで観察。
□ unstable AP=UAP=不安定狭心症=アンステーブル=切迫心筋梗塞 ・・ 冠動脈が今にも詰まるかもしれない狭心症。機序としては高血圧・喫煙などの冠危険因子→血管の内側の血管内皮に亀裂→血小板や凝固系のものが付着→血栓→血管を徐々に閉塞しかける→胸痛。血管が詰まりかけなので二トロペンが単純に効かず。そのため緊急カテーテル検査が必要。
□ UTI = Urinary Tract Infection=尿路感染 ・・ 膀胱炎、腎盂腎炎の総称。通常は尿中白血球の増加を認める。
□ VAP=ventilator-associated pneumonia ・・ ベンチレーター、すなわち人工呼吸器に関連した肺炎。定義では「気管挿管による人工呼吸開始48時間以降に発症する肺炎」であり、挿管前に肺炎がないことが前提。発症率は挿管している期間に相関し、具体的には7日間なら7%、30日なら30%(←覚えやすい!)。肺炎の発症時期により、?気管挿管4日以内の場合(早期VAP)と?5日以降発症(晩期VAP)とに分類。ただし?の分類でも3ヶ月以内の抗菌薬投与歴あり又は5日以上の入院歴は?に含めるものとなっていることに注意。VAPの原因菌は?では抗生剤の比較的効きやすいMSSA、インフルエンザ菌、肺炎球菌が主体で、?では耐性菌が多く、MRSAや緑膿菌、アシネトバクター、エンテロバクターが中心。早期の投薬が予後を左右するので、培養検査を待つヒマはく、できればグラム染色で確認次第方針(選択薬)を決めたいところ。最近はバンコマイシン耐性のMRSAの出現も珍しくなく、その場合はリゾネリド(というかその目的で出た薬剤)のほうが有効という意見が多い。しかしVAPの予防が基本にあり、具体的には痰の気管内貯留防ぐための溶解・吸引、それと口腔ケアである。なお挿管は経鼻だと副鼻腔炎の合併が多いので、経口が望ましい。
□ vertigo ・・ 回転性めまい。メニエル病で特徴的。http://www.memai.jp/こういう学会あるんやなあ。
□ viability(バイアビリティー) ・・ 心筋の生き生き度。血流シンチ(RI)での血液の流れを(良いほど赤、悪いほど紫)反映。ただし流れる血液の絶対量を表すものではなく、他の部分と比べてのあくまでも<相対的な>血流を表現することに注意。
□ volume overload ・・ 容量負荷。点滴の量が過剰なときなど、こう指摘される。CVP(中心静脈圧)や下大静脈径より判断される。
□ warm shock ・・ 敗血症性ショックの初期段階。発熱などによる全体的な血管拡張により、体はまだ温かい。これが進行すれば体は冷たくなり、いわゆる「cold shock」とよばれる。末梢の毛細血管を収縮させてでも大血管の循環を守ろうとする、反射的な防御機構だ(わが国の風潮に似る)。結果的に末梢組織は虚血となりアシドーシスの病態を呈する。
□ wheeze(ウィーズ)=wheezing(ウィージング)=喘鳴(ぜいめい) ・・ 気管支喘息にみられる呼吸音で、ヒューヒューと聞こえる。ただし年寄りの誤嚥による気道狭窄、心臓喘息の場合もあり注意。
□ W.N.L.(Within Normal Limit) = 正常範囲内 = 異常なし = 特記事項なし = n.p.(エヌピー)
コメント