昭和ブーム

2007年11月5日 映画
 ノスタルジックな家族愛を、人はみな<昭和>に求める。だが自分にとって、昭和は受験戦争そのものだった。

 世間は平和な年功序列モードで、電気・電子工学科など理数系がかなり持ち上げられていた。自分も、模試の時は医学部の滑り止めとしてその科を選んだ(邪道だが)。科によっては将来性まで透けて見通せたほどだ。

 結局予備校に行ったんだが、当時は「今 予備校が面白い」と言われたくらい活気があって人気講師の教室に<親衛隊>まで現れた。「冬物語」が一部予備校生のバイブルに。寮では<しおりちゃん症候群>なる者まで現れた。

 すでに大学生になった友人の下宿でファミコン。そいつは合コン。河合塾のチューターは<C判定>でも気軽に受験を勧めた。予備校は成功者になるための、休憩地点にも思えた。

 このように自分なりの昭和を振り返ると、雰囲気自体が前向きだったように思える。そこで浮かぶのが、ミスチルのあの歌・・・「未来」。

 ♪
  生まれたての僕らの前にはただ 果てしない未来があって
  それを信じていれば 何も恐れずにいられた
  そして今僕の目の前に横たわる 先の知れた未来を
  信じたくなくて 目を閉じて過ごしている

 目を閉じたところ・・・そこ(昭和)で人々は、子供に帰ることを許される。

 ただ、ノスタルジーはある意味危険だ。

 <ニューシネマ・パラダイス>にて。

 「郷愁に惑わされるな。自分のすることを愛せ。かつて映写室を愛したように。我慢できずに帰ってきても私の家には迎えてやらない。 わかったか?」

 このじいさんの言葉の意味が、ようやく分かってきた。

 スタローンさんは、どう思われますか?

「昭和を懐かしむのはいい。俺は責めない。感傷は必要だ。人生の栄養だ。だが今過ぎ去る時間も、やがて振り返るためにある。誰がって?もちろん年老いた君がだ。その時君は、廃墟の未来の子孫に何て話す?俺なら苦労話がいい。<俺はあのときこういう苦労をして、そのお陰でお前が生まれた。だからお前に会えた。愛してるぞ>そう言え。だからお前も今の苦労を拒むな。むしろ感謝しろ。振り返るたび1秒1秒は掌の砂のように逃げて戻らない。大切なのは思い出になる<今>なんだ」

 な、なんかやれそうな気がしてきたよ・・・!

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