サンダル先生R 月曜日 ? ダル(dull)な奴
2007年11月26日 53歳女性。うつ・イライラ症状で再診。
「この前の血液検査はと」オークに促す。
「出てまへん」
「ホンマか?1週間したらもう出てるだろ?」
「カルテにはないけど」
「聞けよ!」検査室に電話。
僕は受話器を置いた。
「あっちにある。取ってき・・あれ?」
ナースはいない。自分で。
検査室に入ると、技師長ではない女性2人の甲高い声。
「えっらそうになあ!」「そうや!」
「あのう・・」
「取りに来いって言うたった!」「せや!」
「結果・・」
「電話するくらいなら来いや!」「来いや!」
「けっか・・」
「(2人)ひっ!」
伝票を持ち、診察室へ。
「結果は甲状腺も含め異常なしか。その症状はこう・・」
「更年期か自律神経でっか」
「なっ・・!」
「よかったよかった。癌はないっちゅうことやな」
「待って。そこまで言ってない・・・!」
「あんがと」
満足した表情で出ていった。
73歳女性。息子に肩を抱えられている。
「先生!うちの母!お願いします!この前、もう1人の先生にかかったんだけど!」
「あっち・・・もう1診の?だったらそっちで!」
「いやいや!あの先生はあかん!」
「いやしかし・・・前回も彼だったら今回も」
「・・と私も申したのですが」
事務の田中くんがすまなさそうに立っている。
「長男さん!主治医の先生と!よく話合って!」
彼はうまく逃げた。
採血し、僕は島に声をかけた。
「今、横になってるんだけど・・・」
「あ。今度は先生んとこ来たんっすか?」
「何度か診てるよな?」
「ですけど。そこに来たのならそこで診てもらわないと」
「倦怠感で何度か来ている。表紙には不安神経症。抗不安剤が処方されてるけどいくつか・・・効きすぎなんじゃないか?」
「あーもしもし!」
彼は携帯を持ち上げた。
どうも携帯電話が登場して・・・パーソナルな会話がまともにできなくなった。
ナースがデータを持参。
「ブヒブヒ。悪いです」
「なにぃ?かせ!うっ?二酸化炭素が・・・」
かなり高い。微量の酸素を流し、そこの超音波を当てる。
「鎮静剤が効きすぎて呼吸が・・じゃないな。心臓がこんなとこ(みぞおち)にある。COPD(肺気腫など)がもともとあるんじゃないか?息子さん。この人タバコ・・」
「いや吸ってない!」
「以前は?」
「昨日までは吸ってた!1日3箱!」
「どあ・・いやいや。ニップネーザルをつけよう!うわあっ?」
ばあさんはいきなり暴れ出した。皆で押さえる。息が荒くなる。痰も多くからんでそうだ。
僕は周囲になるべくと救援を頼んだ。
「島!おい!手伝え!」
「(電話中)えーわかりました!3本ほどあればいいですか?」
「なにが毛が3本だ!おい挿管しよう!今ここで!」
鎮静剤を筋注、アンビューを受け取る。
「おいナース!どこ行く?」
遠ざかるナースらを引き留め、点滴・吸痰の処置など命じる。しかしほとんどの処置は駆けつけのドクターに依存した。
そのくらい、当院の残存ナースのレベルは低くなっていた。
・・・あっという間の出来事で、周囲の机や台などが外にはみ出ていた。
主治医はトシ坊。呼吸器が接続されたあと、島は後ろから覗いてきた。
「はい?」
「どある。もう処置は落ち着いたよ・・・!」
「大学からの大事な用で」
「こっちも大事なんだよ!」
「カリカリせんでも・・・」
「非常勤でもな。気を抜くんじゃないんだよ!」
「どうしても要望がおありなら、医長先生を通してからでお願いできませんか?」
「くっ・・!」
僕は、もう医長ではなかった。
「でもやっぱ腹立つ!おめえ!」
島は振り向いた。
「(toナース)あ。次の人。入ってもらって」無視し、リセット。
「どあ・・!」
この世界。怒りにそのまま任せたら、自分まで潰れる。それが患者にプラスになることは、決してない。
「この前の血液検査はと」オークに促す。
「出てまへん」
「ホンマか?1週間したらもう出てるだろ?」
「カルテにはないけど」
「聞けよ!」検査室に電話。
僕は受話器を置いた。
「あっちにある。取ってき・・あれ?」
ナースはいない。自分で。
検査室に入ると、技師長ではない女性2人の甲高い声。
「えっらそうになあ!」「そうや!」
「あのう・・」
「取りに来いって言うたった!」「せや!」
「結果・・」
「電話するくらいなら来いや!」「来いや!」
「けっか・・」
「(2人)ひっ!」
伝票を持ち、診察室へ。
「結果は甲状腺も含め異常なしか。その症状はこう・・」
「更年期か自律神経でっか」
「なっ・・!」
「よかったよかった。癌はないっちゅうことやな」
「待って。そこまで言ってない・・・!」
「あんがと」
満足した表情で出ていった。
73歳女性。息子に肩を抱えられている。
「先生!うちの母!お願いします!この前、もう1人の先生にかかったんだけど!」
「あっち・・・もう1診の?だったらそっちで!」
「いやいや!あの先生はあかん!」
「いやしかし・・・前回も彼だったら今回も」
「・・と私も申したのですが」
事務の田中くんがすまなさそうに立っている。
「長男さん!主治医の先生と!よく話合って!」
彼はうまく逃げた。
採血し、僕は島に声をかけた。
「今、横になってるんだけど・・・」
「あ。今度は先生んとこ来たんっすか?」
「何度か診てるよな?」
「ですけど。そこに来たのならそこで診てもらわないと」
「倦怠感で何度か来ている。表紙には不安神経症。抗不安剤が処方されてるけどいくつか・・・効きすぎなんじゃないか?」
「あーもしもし!」
彼は携帯を持ち上げた。
どうも携帯電話が登場して・・・パーソナルな会話がまともにできなくなった。
ナースがデータを持参。
「ブヒブヒ。悪いです」
「なにぃ?かせ!うっ?二酸化炭素が・・・」
かなり高い。微量の酸素を流し、そこの超音波を当てる。
「鎮静剤が効きすぎて呼吸が・・じゃないな。心臓がこんなとこ(みぞおち)にある。COPD(肺気腫など)がもともとあるんじゃないか?息子さん。この人タバコ・・」
「いや吸ってない!」
「以前は?」
「昨日までは吸ってた!1日3箱!」
「どあ・・いやいや。ニップネーザルをつけよう!うわあっ?」
ばあさんはいきなり暴れ出した。皆で押さえる。息が荒くなる。痰も多くからんでそうだ。
僕は周囲になるべくと救援を頼んだ。
「島!おい!手伝え!」
「(電話中)えーわかりました!3本ほどあればいいですか?」
「なにが毛が3本だ!おい挿管しよう!今ここで!」
鎮静剤を筋注、アンビューを受け取る。
「おいナース!どこ行く?」
遠ざかるナースらを引き留め、点滴・吸痰の処置など命じる。しかしほとんどの処置は駆けつけのドクターに依存した。
そのくらい、当院の残存ナースのレベルは低くなっていた。
・・・あっという間の出来事で、周囲の机や台などが外にはみ出ていた。
主治医はトシ坊。呼吸器が接続されたあと、島は後ろから覗いてきた。
「はい?」
「どある。もう処置は落ち着いたよ・・・!」
「大学からの大事な用で」
「こっちも大事なんだよ!」
「カリカリせんでも・・・」
「非常勤でもな。気を抜くんじゃないんだよ!」
「どうしても要望がおありなら、医長先生を通してからでお願いできませんか?」
「くっ・・!」
僕は、もう医長ではなかった。
「でもやっぱ腹立つ!おめえ!」
島は振り向いた。
「(toナース)あ。次の人。入ってもらって」無視し、リセット。
「どあ・・!」
この世界。怒りにそのまま任せたら、自分まで潰れる。それが患者にプラスになることは、決してない。
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