サンダル先生R 月曜日 ? キレる奴ら
2007年11月26日 再び医局へ。ザッキーはおらず、今度はシローが寝ている。僕の弟分だが、今も彼の行動には解せないとこがある。
以前から注意してるんだが、あれだけニセ開業医(松田すこやかクリニック)のバイトを辞めろって言ってるのに・・・。というかそういう注意は辞めた。生活のため、割のいい金額は削れない・・という本音を聞いたことがある。
彼は子供をカルト宗教団体のワイフから取り返し、父子家庭として子供を託児所に預けていた。応援すべき人間だ。だが別れの日々が近付いていた。調停とかいう裁判?などを経て、ワイフに主導権を渡すことになっていた。
「だれも彼にも、気を遣うんだよなア・・!」
屈伸運動をして、机に向かう。郵便物を次々にごみ箱に落としていく。呼吸器関係の本で、肺線維症のところを再確認。パルス療法の是非を、今日決めないといけない。みな病棟で集まる昼過ぎ、そこで相談しようと思う。
「ふああ。あ、先生」シローが起きた。
「おうお疲れ。今日は子供の点滴、大変だったよ」
「小児内科とかなんとか、先生が言い出すからですよ?」
「僻地でちょっと影響されたんだ。俺の悪い癖だ。教授が海外で影響されて、実験の方針を変えるみたいなパターンかな?」
「これ以上、仕事増やさんことっすよ・・・」
「医者は見つかるって?」
「事務長が?ガセですよどうせ」
「1人欠けると大変だな・・・」
「もう1人、欠けてるようなもんでしょ」
「ザッキー。あいつな・・・!」
「慎吾先生が辞めたのは、ユウキ先生に責任あるって事務長が」
「僻地を望んだから、仕方ないだろ?たく、どいつもコイツも俺のせいにして・・・!」
この男が、なんとか僕の愚痴を聞いてくれる唯一の人間だった。
ガラッ、とトシ坊が入ってきた。
「タミフルの在庫が減ってますので、処方は3日分でお願いします!」
「タミフル無くなったら、リレンザでいくんだな?」
「ええ。ただし!」
「は?」
「検査が陰性なのに処方するのは慎むように!」
「なんだ?それ、俺に言ってんのか?」
「いや別に」
「その態度、やめろってこの!」つまらない態度に気が立った。
本気と感じたらしく、シローが立ち上がった。
「ユウキ先生。まあまあ抑えて。医長も言葉、横暴すぎですよ」
「横暴?」トシ坊が少しおさまった。
僕は机にまた戻った。
「陰性でも、陰性でも・・・!」
「それ、僕のマネなんですか?」トシ坊が食ってかかった。
「知ってんだ。知ってんだ・・・!」
みな、過労のせいか怒りやすくなるときがある。それもつまらん事で。診療中は冷静なんだが、こういう場ではどうも何故か・・・。
シローは目のクマを両指でこすりながら、少しかがんだ。
「っし!いこか!」
ダン!と両足で床を蹴り、廊下へと。
僕も、真似してダン!と床を踏んづけた。
「あれ?」
違和感がある。サンダルの裏にガム。
その足が、さらに上にのけぞった。
「うわっ?ちょちょっ!」
掃除のオバサンが、モップで下から持ち上げている。
「おおお、大きなガムやでえ!ほれほれ!」
「わちょっ!わちょっ!もうやめてえな!」
トシ坊は白衣の襟を正し・・・こう言い残した。
「お似合いですよ・・2人とも」
僕は意地でも追っかけ、同時にズドーン、と廊下へ飛び出した。
以前から注意してるんだが、あれだけニセ開業医(松田すこやかクリニック)のバイトを辞めろって言ってるのに・・・。というかそういう注意は辞めた。生活のため、割のいい金額は削れない・・という本音を聞いたことがある。
彼は子供をカルト宗教団体のワイフから取り返し、父子家庭として子供を託児所に預けていた。応援すべき人間だ。だが別れの日々が近付いていた。調停とかいう裁判?などを経て、ワイフに主導権を渡すことになっていた。
「だれも彼にも、気を遣うんだよなア・・!」
屈伸運動をして、机に向かう。郵便物を次々にごみ箱に落としていく。呼吸器関係の本で、肺線維症のところを再確認。パルス療法の是非を、今日決めないといけない。みな病棟で集まる昼過ぎ、そこで相談しようと思う。
「ふああ。あ、先生」シローが起きた。
「おうお疲れ。今日は子供の点滴、大変だったよ」
「小児内科とかなんとか、先生が言い出すからですよ?」
「僻地でちょっと影響されたんだ。俺の悪い癖だ。教授が海外で影響されて、実験の方針を変えるみたいなパターンかな?」
「これ以上、仕事増やさんことっすよ・・・」
「医者は見つかるって?」
「事務長が?ガセですよどうせ」
「1人欠けると大変だな・・・」
「もう1人、欠けてるようなもんでしょ」
「ザッキー。あいつな・・・!」
「慎吾先生が辞めたのは、ユウキ先生に責任あるって事務長が」
「僻地を望んだから、仕方ないだろ?たく、どいつもコイツも俺のせいにして・・・!」
この男が、なんとか僕の愚痴を聞いてくれる唯一の人間だった。
ガラッ、とトシ坊が入ってきた。
「タミフルの在庫が減ってますので、処方は3日分でお願いします!」
「タミフル無くなったら、リレンザでいくんだな?」
「ええ。ただし!」
「は?」
「検査が陰性なのに処方するのは慎むように!」
「なんだ?それ、俺に言ってんのか?」
「いや別に」
「その態度、やめろってこの!」つまらない態度に気が立った。
本気と感じたらしく、シローが立ち上がった。
「ユウキ先生。まあまあ抑えて。医長も言葉、横暴すぎですよ」
「横暴?」トシ坊が少しおさまった。
僕は机にまた戻った。
「陰性でも、陰性でも・・・!」
「それ、僕のマネなんですか?」トシ坊が食ってかかった。
「知ってんだ。知ってんだ・・・!」
みな、過労のせいか怒りやすくなるときがある。それもつまらん事で。診療中は冷静なんだが、こういう場ではどうも何故か・・・。
シローは目のクマを両指でこすりながら、少しかがんだ。
「っし!いこか!」
ダン!と両足で床を蹴り、廊下へと。
僕も、真似してダン!と床を踏んづけた。
「あれ?」
違和感がある。サンダルの裏にガム。
その足が、さらに上にのけぞった。
「うわっ?ちょちょっ!」
掃除のオバサンが、モップで下から持ち上げている。
「おおお、大きなガムやでえ!ほれほれ!」
「わちょっ!わちょっ!もうやめてえな!」
トシ坊は白衣の襟を正し・・・こう言い残した。
「お似合いですよ・・2人とも」
僕は意地でも追っかけ、同時にズドーン、と廊下へ飛び出した。
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