サンダル先生R 月曜日 23 ウェルダン(よくやった)!
2007年12月12日 北新地を、事務長と歩く。
「ステーキ屋?師長はヤキトリって言ってたぞ?」
「それは8時でしょう?もう9時ですよ」
「どある・・前哨戦だったとは・・・」
ステーキハウスのドアをくぐる。
ヨーロッパ風の内装。黒・赤の本能を擽りそうな雰囲気。
2階のVIPルームらしきとこへ、通される。
すると、いたいた。似つかわしくない奴らが。
「ブヒヒッ!」「ヒヒン!」「カ―ッ!」
カンカンカン!(食器を叩く音)
ドンドンドン!(床の踏み鳴らし)
僕は、コの字型の真ん中に座らされた。
「いしょっと!というのはもうオジンガーZ?」
「こんばん!は!」右に、すでに出来上がりの師長。昼間とは違う長髪の色っぽさが漂う。
「ここいいですか?よね?」左に事務の田中君。
「医長は?今日も尿路ケッセキか?」
「それがね。珍しい。あそこです」隅っこで水を飲んでいる。
「おい!トシ坊!」
「・・・・・」また陰気に水を飲んでいる。ボーイがつぐ。
「トシ坊!もうちょっとこっち来いよ!」
「あの・・さんは!」
「何?聞こえん!」
「あの患者さんは!落ち着きましたか!」
「職場の話、ここですんなよ!」
しかし周囲で繰り広げられている話の9割以上はそれだった。
料理長らしき人がおじぎをする。
「では担当の私が」
「あ、よろしくおねがいし・・」と挨拶したのは僕だけだった。
寡黙な彼は、ホタテ?らしきものをサッサッとスライス。目の前の鉄板に正方形の油がプカプカ・シュワ―と泳ぐ。みなそれに注目。
「あ〜はら減った。みんなは?」
「焼鳥食ったから」心ないオークがつぶやいた。
「バカ!シッ!」
お手拭きで顔をふき、お茶を飲んだ。
「今日はもう、大変だったよ!」
「満床です。もう入らんよ」師長がネイルを1本ずつ数える。
「俺はちゃんと家族への説明は夜・・おっと」
知らない間に、また仕事の話になっている。それに横には彼女だ。こういう話では・・。
「ミチルさん。深夜からそのまま日勤勤務、おつ・・・」
「(全員)カンパーイ!」
「どあ・・・」
遠くで、花束贈呈を受ける若手ナース。
「短い付き合いだったなあ・・・」くらいしか浮かばない。
「今の若い子はねー」ミチルはうつむいた。
「結婚て言われたら仕方ないか」
「30過ぎてるけど」
「あっそうか・・師長もそういやさん・・げっ!」
妙な間があった。
左の田中君がアドリブで助ける。
「ユウキ先生!今日の夕方の言葉、あれ感動しましたよ感動!」
「あーそうか?」
「こう言ったんだよ皆!はい注目!」
シェフがホタテを皆の皿へ分けていく。
「では・・・では」
「(一同)おおおおお!」
あっという間に皿が空っぽに。
シェフは身を乗り出した。
「焼き加減は?」
「ミディアム!」「レア!」「ミディアム!」「ブヒ!」
僕は田中君の背中を叩いた。
「さっきのアドリブ、ウェルダンだったな。寒!」
「さてそんでね!ユウキ先生の言葉!」
「もう酔ってるよ・・・」
「へへ〜俺も誰かのヒーローになりてえな〜そいつだけの〜患者さんよりそいつだけの!」
「こらっ!最後は蛇足だぞ!」
「へへ〜冗談ですよん〜冗談〜すぐ怒るから〜」
分厚い肉の真上、クルクルッとコショウがみぞれのように降りかかる。
見ていると、鼻がムズムズしてきた。
「ああ、あかんのや、俺・・こういうの見るだけで例えば花粉のニュースでもべいくしょい!」
「きゃああ!」右のミチルが吹き飛んだ。
「す、すまん!」
「ちょっと!」彼女は真っ赤になりあちこちタオルで拭いた。
「俺も拭く拭く・・・あ!」
お互い、手を握ったような形になった。
「(一同)おおお〜」
「ちが!ちが!ふ・・ふへ!」
シェフはステーキを丸ごと遠ざけた。そこでサイコロ分割。
「ふへ・・・不発。ぶしょい!」
「やめてくださ!」左の田中君がよけた。
「あ〜ぶいいいいっ!お!肉来たぞ!」
「ステーキ屋?師長はヤキトリって言ってたぞ?」
「それは8時でしょう?もう9時ですよ」
「どある・・前哨戦だったとは・・・」
ステーキハウスのドアをくぐる。
ヨーロッパ風の内装。黒・赤の本能を擽りそうな雰囲気。
2階のVIPルームらしきとこへ、通される。
すると、いたいた。似つかわしくない奴らが。
「ブヒヒッ!」「ヒヒン!」「カ―ッ!」
カンカンカン!(食器を叩く音)
ドンドンドン!(床の踏み鳴らし)
僕は、コの字型の真ん中に座らされた。
「いしょっと!というのはもうオジンガーZ?」
「こんばん!は!」右に、すでに出来上がりの師長。昼間とは違う長髪の色っぽさが漂う。
「ここいいですか?よね?」左に事務の田中君。
「医長は?今日も尿路ケッセキか?」
「それがね。珍しい。あそこです」隅っこで水を飲んでいる。
「おい!トシ坊!」
「・・・・・」また陰気に水を飲んでいる。ボーイがつぐ。
「トシ坊!もうちょっとこっち来いよ!」
「あの・・さんは!」
「何?聞こえん!」
「あの患者さんは!落ち着きましたか!」
「職場の話、ここですんなよ!」
しかし周囲で繰り広げられている話の9割以上はそれだった。
料理長らしき人がおじぎをする。
「では担当の私が」
「あ、よろしくおねがいし・・」と挨拶したのは僕だけだった。
寡黙な彼は、ホタテ?らしきものをサッサッとスライス。目の前の鉄板に正方形の油がプカプカ・シュワ―と泳ぐ。みなそれに注目。
「あ〜はら減った。みんなは?」
「焼鳥食ったから」心ないオークがつぶやいた。
「バカ!シッ!」
お手拭きで顔をふき、お茶を飲んだ。
「今日はもう、大変だったよ!」
「満床です。もう入らんよ」師長がネイルを1本ずつ数える。
「俺はちゃんと家族への説明は夜・・おっと」
知らない間に、また仕事の話になっている。それに横には彼女だ。こういう話では・・。
「ミチルさん。深夜からそのまま日勤勤務、おつ・・・」
「(全員)カンパーイ!」
「どあ・・・」
遠くで、花束贈呈を受ける若手ナース。
「短い付き合いだったなあ・・・」くらいしか浮かばない。
「今の若い子はねー」ミチルはうつむいた。
「結婚て言われたら仕方ないか」
「30過ぎてるけど」
「あっそうか・・師長もそういやさん・・げっ!」
妙な間があった。
左の田中君がアドリブで助ける。
「ユウキ先生!今日の夕方の言葉、あれ感動しましたよ感動!」
「あーそうか?」
「こう言ったんだよ皆!はい注目!」
シェフがホタテを皆の皿へ分けていく。
「では・・・では」
「(一同)おおおおお!」
あっという間に皿が空っぽに。
シェフは身を乗り出した。
「焼き加減は?」
「ミディアム!」「レア!」「ミディアム!」「ブヒ!」
僕は田中君の背中を叩いた。
「さっきのアドリブ、ウェルダンだったな。寒!」
「さてそんでね!ユウキ先生の言葉!」
「もう酔ってるよ・・・」
「へへ〜俺も誰かのヒーローになりてえな〜そいつだけの〜患者さんよりそいつだけの!」
「こらっ!最後は蛇足だぞ!」
「へへ〜冗談ですよん〜冗談〜すぐ怒るから〜」
分厚い肉の真上、クルクルッとコショウがみぞれのように降りかかる。
見ていると、鼻がムズムズしてきた。
「ああ、あかんのや、俺・・こういうの見るだけで例えば花粉のニュースでもべいくしょい!」
「きゃああ!」右のミチルが吹き飛んだ。
「す、すまん!」
「ちょっと!」彼女は真っ赤になりあちこちタオルで拭いた。
「俺も拭く拭く・・・あ!」
お互い、手を握ったような形になった。
「(一同)おおお〜」
「ちが!ちが!ふ・・ふへ!」
シェフはステーキを丸ごと遠ざけた。そこでサイコロ分割。
「ふへ・・・不発。ぶしょい!」
「やめてくださ!」左の田中君がよけた。
「あ〜ぶいいいいっ!お!肉来たぞ!」
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