サンダル先生R 火曜日 ? 娘よ・・・
2007年12月19日腹が減って時計を見ると、昼の1時。囚人食堂はややガラガラになってきていた。
「大盛りでなくていいのか〜?」旧日本兵がニヤニヤしながら、カレーを御飯の上に盛りかける。底をあさったのか、コゲが多い。
「サラダの、マヨネーズちょうだい」
「あっ・・・あそこにある」
「ナント?先生!ナント?」
「すいちょうけん!」僕らの合言葉だった。
ちょうど、師長のところだ。オークら数人と食べている。仕方なく、そこへ寄った。
「おう」
「あ。来た来た」ミチルは早食いに切り替えた。
「マヨさん、欲しい」
近くのオークらが早々に引き揚げる。
「詰所のリーダー、カンカンよ先生」
「朝はちゃんと寄ったぞ?」
「夜勤からいろいろ報告あったみたいよ?」
「なに?報告がまだあったのか?」
夜勤が申し送りする前に、情報をいかに仕入れるかがその日の病棟をスムーズに診るかにつながるのだが・・・。ダメな職場では情報を<後出し>したり、日勤が掘り起こして発覚するケースも多い。
「どある・・・このあと、行こ」
「昨日は、タクシーで医長が吐いて・・」
ピクッ、とスプーンが止まった。
「あたしの胸、ビショ濡れになって・・・」
「な、なぬ・・・」想像さす言い方だ。
「き、着替えは」
「あ、いっしょに泊まったんでそこはね」
「なにい!」
ガタン、とトレイの音が響き数人が振り向いた。
「とと、とまっ・・・」
「ごちそうさん!」
ミチルは立ち上がり、食器を返しに行った。
「と、とまっ・・・」
何とか数さじ進み、茫然と時間が過ぎた。これは演習ではない、演習では・・・。
近くでシャー!と水の流す音。日本兵はあちこちテーブルを拭き始めた。
「もう先生!はよ食べてえな!小学生の居残り残飯か!」
「はっ?もう俺だけ?」
「木を見て!森を見る!先生の言葉やろ!」
「別に俺の言葉じゃ・・・」
「へっへ!冗談冗談!ま、男は振られてナンボ!」
「誰が振られて!」
「お〜おコワコワ!指先に集中集中!」
こいつ・・・!どこでどう話が漏れてるのか知らんが。
食堂を出て、詰所へ。ゲップが3度も出た。
「あの〜」見たことのある中年夫婦。
「詰所の誰かに用・・?」
「あ!この先生がユウキ先生や!あの!ほれ父さん!あの!」
おばさんは妙に興奮していた。
「いつも、ミチルがお世話になっております!」おじさんが手を差し出した。
「あっ?師長の・・ご両親?」
廊下の奥から、ミチルが走ってきた。
「ちょっと!やめてよ!来んといて!」
「もう来てもた!わっはは!」団塊夫婦が余裕で笑う。
「何しに・・・?」
おじさんが大きなバッグから、折りたたんだシャツらしきものを取り出した。丁寧にビニールに入れてある。
「やっと乾燥したんで」
「あ。あんがと」
「お前も家事くらいできたら・・・!」
苦虫を押しつぶしたようなおじさんは、トントンと足踏みした。
根回しで呼ばれた医長がやってきた。赤面している。
「ああはあああ!すみません!」
「あっ!どうも!」両親は深く礼。
「昨日はどうも!失礼なとこをお見せしまして!」
「いやいや。これ、乾きましたんで」両親はまた礼。
「ご丁寧にわざわざ!」
「たまたま通りかかったもんで・・」
わけないだろ・・・。
「大盛りでなくていいのか〜?」旧日本兵がニヤニヤしながら、カレーを御飯の上に盛りかける。底をあさったのか、コゲが多い。
「サラダの、マヨネーズちょうだい」
「あっ・・・あそこにある」
「ナント?先生!ナント?」
「すいちょうけん!」僕らの合言葉だった。
ちょうど、師長のところだ。オークら数人と食べている。仕方なく、そこへ寄った。
「おう」
「あ。来た来た」ミチルは早食いに切り替えた。
「マヨさん、欲しい」
近くのオークらが早々に引き揚げる。
「詰所のリーダー、カンカンよ先生」
「朝はちゃんと寄ったぞ?」
「夜勤からいろいろ報告あったみたいよ?」
「なに?報告がまだあったのか?」
夜勤が申し送りする前に、情報をいかに仕入れるかがその日の病棟をスムーズに診るかにつながるのだが・・・。ダメな職場では情報を<後出し>したり、日勤が掘り起こして発覚するケースも多い。
「どある・・・このあと、行こ」
「昨日は、タクシーで医長が吐いて・・」
ピクッ、とスプーンが止まった。
「あたしの胸、ビショ濡れになって・・・」
「な、なぬ・・・」想像さす言い方だ。
「き、着替えは」
「あ、いっしょに泊まったんでそこはね」
「なにい!」
ガタン、とトレイの音が響き数人が振り向いた。
「とと、とまっ・・・」
「ごちそうさん!」
ミチルは立ち上がり、食器を返しに行った。
「と、とまっ・・・」
何とか数さじ進み、茫然と時間が過ぎた。これは演習ではない、演習では・・・。
近くでシャー!と水の流す音。日本兵はあちこちテーブルを拭き始めた。
「もう先生!はよ食べてえな!小学生の居残り残飯か!」
「はっ?もう俺だけ?」
「木を見て!森を見る!先生の言葉やろ!」
「別に俺の言葉じゃ・・・」
「へっへ!冗談冗談!ま、男は振られてナンボ!」
「誰が振られて!」
「お〜おコワコワ!指先に集中集中!」
こいつ・・・!どこでどう話が漏れてるのか知らんが。
食堂を出て、詰所へ。ゲップが3度も出た。
「あの〜」見たことのある中年夫婦。
「詰所の誰かに用・・?」
「あ!この先生がユウキ先生や!あの!ほれ父さん!あの!」
おばさんは妙に興奮していた。
「いつも、ミチルがお世話になっております!」おじさんが手を差し出した。
「あっ?師長の・・ご両親?」
廊下の奥から、ミチルが走ってきた。
「ちょっと!やめてよ!来んといて!」
「もう来てもた!わっはは!」団塊夫婦が余裕で笑う。
「何しに・・・?」
おじさんが大きなバッグから、折りたたんだシャツらしきものを取り出した。丁寧にビニールに入れてある。
「やっと乾燥したんで」
「あ。あんがと」
「お前も家事くらいできたら・・・!」
苦虫を押しつぶしたようなおじさんは、トントンと足踏みした。
根回しで呼ばれた医長がやってきた。赤面している。
「ああはあああ!すみません!」
「あっ!どうも!」両親は深く礼。
「昨日はどうも!失礼なとこをお見せしまして!」
「いやいや。これ、乾きましたんで」両親はまた礼。
「ご丁寧にわざわざ!」
「たまたま通りかかったもんで・・」
わけないだろ・・・。
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