サンダル先生R 火曜日 ? 信念
2007年12月30日 夕方。
詰所はナースらがほとんど座り、記録と申し送りの準備体勢。
自分は、パルス療法2日目の説明中。座る場所を見つけるのに困る時間帯だ。
「あの。お姉さんは・・」
「今日は私が聞きますので」
強気な妹が胸を張る。小さな子供が動き回る。預けれる人も来てない。
「高熱が出まして。末梢の循環不全という状態に。おそらく敗血症・・・菌が一気に毒を吐きだした状態が原因かと」
「は?そこまで悪くなるとは、聞いてませんよ?」
「ステロイドの作用が裏目に出た可能性もあり・・」
「えっ?まだ治療の途中でしょう?」
気まずい沈黙が途切れ途切れに。近くで立ってる師長の鼻息が荒い。
「本来なら、今日が治療の2日目ですが」
「えっ?しないんですか?やめるんですか?」
「辞めると決めてはいません。しかし、今まで以上の覚悟が」
「中途半端なところでやめてもらったら、患者さんはたまりませんよ!」
くっ・・まるで、ミチルに言われてるみたいだ・・・。
「呼吸状態など悪化した場合、人工呼吸器がつく可能性もあります」
「治すのが医者でしょう!」
「・・・・・」
「姉さんに、何て言おう・・・」
妹はイライラし、周囲を見つめた。
子供が床のバッグを踏みつけた。
「何をしよんや!」
子供は反射的に固まり、震えだした。ミチルは見かね、他のスタッフに託した。
「では、2日目の注射を。あす、また評価します」
「また、血とるの?取り過ぎとちゃう?」
「最小限ですませる予定です」
「あちこち刺して、傷だらけにせんといてな!」
「・・・」
「病院で殺されるわ・・」
見上げた奥のテーブルで、申し送りが続いていた。
先ほどの話をカルテに記入。あとその他の患者の伝票を確認。
重症部屋に入り、ステロイド2日目の点滴をぶらさげる。
「眠ってるな・・・起こすのはよそう」
点滴終了を見届け、尿量を確認。末梢の手足はまだ冷たい。
「血圧は90台で低めだな・・尿は保たれてるが」
抗生剤2剤に抗真菌剤、輸液は多めだが中心静脈圧は正常内。
「レントゲンが、うっすら白いのが問題だな・・・」
先が読めないのに溜息をつき、詰所へ戻る。ミチルが腕組みして寄ってきた。
「いつものアンタも、タジタジやったな」
「はあ。ほっとけよ」
「押しが弱いのとちがう?」
「そこが俺の長所でもあるんだよ」
「アホが。医者が優柔不断でどうすんねん」
「・・・」
「なぁ、これ聞いて怒らんといてよ?絶対やで?」
「なんだよ・・早く言え!」
ミチルは暗くなった窓を眺めた。
「ホントはあんた・・・どうせ自分には治せんと思ってるんとちがう?」
「なにっ?」
しかし、言い返せなかった・・・実は思い当たる部分があった。
詰所はナースらがほとんど座り、記録と申し送りの準備体勢。
自分は、パルス療法2日目の説明中。座る場所を見つけるのに困る時間帯だ。
「あの。お姉さんは・・」
「今日は私が聞きますので」
強気な妹が胸を張る。小さな子供が動き回る。預けれる人も来てない。
「高熱が出まして。末梢の循環不全という状態に。おそらく敗血症・・・菌が一気に毒を吐きだした状態が原因かと」
「は?そこまで悪くなるとは、聞いてませんよ?」
「ステロイドの作用が裏目に出た可能性もあり・・」
「えっ?まだ治療の途中でしょう?」
気まずい沈黙が途切れ途切れに。近くで立ってる師長の鼻息が荒い。
「本来なら、今日が治療の2日目ですが」
「えっ?しないんですか?やめるんですか?」
「辞めると決めてはいません。しかし、今まで以上の覚悟が」
「中途半端なところでやめてもらったら、患者さんはたまりませんよ!」
くっ・・まるで、ミチルに言われてるみたいだ・・・。
「呼吸状態など悪化した場合、人工呼吸器がつく可能性もあります」
「治すのが医者でしょう!」
「・・・・・」
「姉さんに、何て言おう・・・」
妹はイライラし、周囲を見つめた。
子供が床のバッグを踏みつけた。
「何をしよんや!」
子供は反射的に固まり、震えだした。ミチルは見かね、他のスタッフに託した。
「では、2日目の注射を。あす、また評価します」
「また、血とるの?取り過ぎとちゃう?」
「最小限ですませる予定です」
「あちこち刺して、傷だらけにせんといてな!」
「・・・」
「病院で殺されるわ・・」
見上げた奥のテーブルで、申し送りが続いていた。
先ほどの話をカルテに記入。あとその他の患者の伝票を確認。
重症部屋に入り、ステロイド2日目の点滴をぶらさげる。
「眠ってるな・・・起こすのはよそう」
点滴終了を見届け、尿量を確認。末梢の手足はまだ冷たい。
「血圧は90台で低めだな・・尿は保たれてるが」
抗生剤2剤に抗真菌剤、輸液は多めだが中心静脈圧は正常内。
「レントゲンが、うっすら白いのが問題だな・・・」
先が読めないのに溜息をつき、詰所へ戻る。ミチルが腕組みして寄ってきた。
「いつものアンタも、タジタジやったな」
「はあ。ほっとけよ」
「押しが弱いのとちがう?」
「そこが俺の長所でもあるんだよ」
「アホが。医者が優柔不断でどうすんねん」
「・・・」
「なぁ、これ聞いて怒らんといてよ?絶対やで?」
「なんだよ・・早く言え!」
ミチルは暗くなった窓を眺めた。
「ホントはあんた・・・どうせ自分には治せんと思ってるんとちがう?」
「なにっ?」
しかし、言い返せなかった・・・実は思い当たる部分があった。
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