サンダル先生R 火曜日 ? 多忙スパイラル
2007年12月30日外科系病棟に行くと、確かに脈は30台だった。60台の女性は・・起きている(意識はある)。レスポンスも正常。だが気持ちボ−ッとしている。記録などをたどると、どうやら高血圧があり術後その管理?としてヘルベッサー(降圧剤)の点滴を受けている。
「効き過ぎだ・・・」
中止し、別の点滴・・亜硝酸剤系に。カリウムなどは狂ってないなど、本日のデータをさかのぼる。
「これ(徐脈)を除けば、別に<悪い状態>とは言えんだろうよ・・」
「あああ、りがとうございましたぁ!」夜勤ナースがヘコる。
循環器のドクターらは、「別にこのくらいのことで」と冷やかな態度で有無を言わさず、その場を仕切り乗り切ることがある。実は気にしている。自分もどこかそういうとこがあったかもしれん。
β刺激剤持続とし、脈のやや増加を見届ける。オタオタナースにモタモタ指示を受けさすより、自分で用意したほうがマシ。
「内科の先生?」廊下からのぞく、スーツの中年男性。
「ご主人さん?この方の?」
「いえ。兄です」
沈黙。
「す、すんません!つい!」
「よく言われるんで。慣れてます・・・」
「点滴を<調節>して、様子見としているとこです」
「明日も、先生!」
「は?」
「明日も・・見に来て頂けますよね?なんかそのほうが安心する」
「え、ええ・・・いいですよ」
こうして、仕事が1つずつ増えていく。他のドクターは定時に帰れており、重症などで多忙な僕が身近な急変などに対処する。そうなると益々負担が増え、それがまた<身近な>負担を生み・・・。今年は<サブ主治医>として任され続けることが多かった。
空きっぱなしのエレベーターから覗いているオークナース。
「あの、患者さんらかなり怒って・・」
「閉めるな!たあ!」
「ブヒヒッ!」
危うく、抱きつくところだった。
外科ナースが遠くから叫ぶ。
「先生!外来が終わったら来てくれるんですよねー!」
「当直医に聞け!」
ドアは閉まった。
このままじゃ、体がいくつあっても、足りん・・・!
チン、とドアが開いた。
「そうか・・・下の救急はダメだったのか。夜診の残り、さばく!」
「ブヒ!そこはまだ・・・」
「あっ?」
ユラ〜と、入院したばかりの23歳。病衣で長身。
「ここまだ内科病棟か!しまった!」
「しまった?ねえ先生?それどういう意味よ?」青年は傷ついた様子。
「閉まれ閉まれパチパチ!また今度な!」
「うわ!嫌われたわ〜オレ!ひどいわ先生それないわ!おい待ていやこのオッサンがあ!」
ドアは閉まった。だが彼の手・・とっさに隠していたようだが。
酒を持ち込むとは、いい度胸だ・・・!
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