外来の続き。もう何人かはプチ切れて帰っている。

80歳女性体重が120kgほどで糖尿病ありインスリン拒否。整形で腰椎圧迫骨折あり。

昨日の午前中に来た人だ。脚のむくみで凝固系の検査を提出してた。

「なんかもう、いつ帰ろうかなとそればっかりで・・」
「すみません」

採血データを確認。

「Dダイマーが54か・・・54!」
「それはなに?」
「血栓・・血の塊が出来ている証拠みたいなもんです」

「ひゃあこわい・・誰の?」
「そちらの」

沈黙。

「で・・・可能性としては脚の静脈が所々詰まって、それでむくみが出てる可能性が」
「脚が?詰まる?血管が?」

「(独り言)骨盤部〜大腿部の造影CTを、と」
「脚が・・くさってしまう?」
「いや。それは動脈の話で」

「糖尿がある人は足が腐るって。息子が。息子が!」
「今回は違いますって」

検査の承諾は受けられず、ワーファリンの少量内服。
「じじい(整形の医者)の奴、意味分かるかな・・・よし!次!」

72歳男性。COPDのうちの肺気腫。先月、低酸素で在宅酸素療法を導入。したが・・

「あれやったら先生。どうも鼻が窮屈で眠れんし!」
「でも、その後に記録した酸素の記録は以前のより」
「とにかくもう、業者に電話したんや!」
「ですが、酸素なしの場合」
「薬だけ出してけれ!」

もうちょっと聞き手に回ればよかったかな・・・。

若年男性。いつもの喘息の人だ。昨日も来た。

「スー!ハー!」
「喋らんでいいよ。も、分かってるから」聴診するまでもないほどのの喘鳴。

「昨日点滴してよくなったからヒー!でも先生のヒー!あのあと肉体労働してローソンのバイトして集配の仕事してヒー!」
「偉いなそこまで・・・!」

感心して注意するのを忘れた。自分より忙しい人はまだまだいる。

「いつものヤツ点滴ヒー!死ぬくらいキツイやつ!」
「行きましょか・・・」

22歳女性。発熱と関節痛。事務より「タミフル在庫なし」のメモ。

「もうないのか?ひょっとして・・・ナース。事務長呼んでくれ」
「ブヒ!」

インフルエンザの綿棒検査、陽性。

「1か月前はA型。今回B型です」
「うっそ〜!運悪!」

「タミフルがないらしく。リレンザという吸入薬で代用を」
「ええ〜っ?ないのォ〜?」
「症状でて2日目でしたよね?ならギリギリか」

「ううん。1週間」
「ならむしろ、使うのは・・」
「ちょっとォ!ちょうだいよ!」

患者出たあと、事務長が。

「なんでございまし?」
「おう。タミフル、早くなくなりすぎだぞ!」
「あ、そうなんですか?」

「とぼけるな。予想はついてんだ。スタッフらが処方に押しかけたことぐらいな!」
「スタッフらが大勢?先生が処方を?」

「俺はしてねえよ!そうだな・・・したなら誰が処方したんだろ?」

薬局長のおばさんも来た。

「確かに、今日の午前中に数名ほど」
「数名って、いくらだよ?」
「と聞いておりますが」
「あんた薬局長だろ?」

別の薬局スタッフ。細いおじさん。

「17名です」
「ほらみろ!身内に処方しすぎたんだ!カルテ出せ!」
「すみません!すみません!」
「謝ってもドモナラんて・・・」

驚いた。僕のハンコだ。

「おいおい。俺の許可もなしに。それはないだろ?」
「これは言っとかないかんな〜」事務長が苦し紛れ。

「それにおい!5日分出してる!3日分処方に控えろって言ったのは!」
「トシキ医長ですね」
「くっ!けどな・・けどな!患者さんらが困るだろ!外来の俺とかも!」

「注意しときます!」
「官僚みたいだな。お前ら・・・」

病院での追及は、疲れる。人間関係を壊すことすらあるからだ。

僕のように、特別な権限を持たぬ者に限って疑問符を持つ。客観的に見るし・・何より理由があるからだが。

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