フレッシュマン特集　医師編　?

　この度、新臨床研修を終えて希望の病院に見事採用となったA医師・・・。アパートから自転車での出勤です。

「オハヨウゴザイマス・・ネムイデスネ」（顔はモザイク処理）

　黒いネクタイにカッターシャツ。見た目はサラリーマンと変わりませんが実は・・・市内でも一番有名な民間病院の医師。

「アッ。キュウキュウシャダ」
　ふと後方に耳を寄せ、自転車の舵を向けるA医師。カメラも追います。しかし戻ってくるA医師。

「スンマセン。チガウビョウインデシタ」
　先が思いやられます・・・。

　A医師、民間病院に到着し医局へ入ります。医局秘書が出迎えます。
「ボクノツクエハ？」
「あ」そう言って席を空ける、1人の上級医師。彼は・・・本日、ここの病院を去ります。

　大きなバッグ・・いったい何が入っているのか。
「新入り？」上級医師が問いかけます。
「ハイ・・ヨロシクオネガイシマス」
「いやいや。俺、今日で退職なんだ。ここ。転勤で」
「ドチラヘイカレルンデスカ？」
「・・・・・いいじゃん」
「ハ？」

揺れるカメラ。上級医師のアップ。

「別にいいじゃん。そんなの。じゃ！」
「おつかれでーす！」秘書さんが見送る。

ただ茫然と見送るA医師。

「ナンカ、ヨソヨソシカッタデスネ・・ナニカアッタノカナ」

　空いたばかりの机に、ドサッと置かれた新しい荷物。ここが彼の新天地。一人前の医師としての出発です。

「イママデ、ヒロクアサク、ナンデー。コレカラショシンデマタ、ハジメヨウッテイウカー・・・」

　秘書さんから持たされるPHS。すると、とたんに・・・

「アッ！ナッタ！ナッテル！」

　火に驚く石器人のように慌てるA医師。何か驚いてる様子で電話を切ります。

「ビョウトウデノシュウゴウハ、9ジッテキイタンデスケドー。ハヤクコイッテ」
「30分前ですよね」（カメラマン）
「ダレカ、ワカンナイケドー。スゴイケンマクデー」

　廊下を次第に早走りするA医師。カメラは追います。