●役所「これから頑張ります!何でもお任せください!」
○役所「おう。人が足りなかったんだ。さっそく検査を担当してもらうよ」
●役所「ええ。一からがんばります!」
○役所「一からってそんな。困る。一通りの修業はしてきたんだろ?今日は胃カメラ6件、大腸カメラも予約が入ってるんだ」
●役所「まだ1人ではできません。万が一のことがあったら大変です。指導してください!」

●役所「やれやれ・・・このように、研修を積んで一般病院へ放り出されても、実践力があるとはいえない医師が多い。のは事実です。しかしそれは実力がないということではなく・・・やっと1つの科を集中して学べるという・・・いわばターニングポイントなのです。カリキュラムを終えて、放り出された新天地。本当の修業は、ここから始まります」

 所変わって、さきほどの病院。詰所横、朝のカンファレンス。医師1人1人が、プレゼンテーション。人数は少なくとも、活気溢れる意見交換がされています。

「58歳。CHFでCHDF・・・」
「引きすぎちゃんか?」
「カテコラミン・・・」

 A医師、ただ茫然と聞いています。
「コッチノリカイリョクモ、カンガエテクレッテイウカー。ハヤスギマスネ。カマッテクレテモイイカナ、ト」

 まだ朝の9時。各ドクター、それぞれの勤務へ別れます。すると、詰所内に呼ばれるA医師。待っていたのは・・

「こっちや」腹のデップリと出たB医師。
「ハイ・・・」何やらご機嫌斜めと察したA医師。
「お前な。常識やったらな。もっと朝はよ来て」
「ハヤク・・デスカ?」
「途中で遮るなボケ!」コブシでいったん飛び上がる灰皿。

 これには詰所のナースたちも・・・いや、動じている人は少ない。

 「ちょっとカメラさん・・・向こう出てくれはらへんか?」

 指導医の先生により、いったん取材拒否。カメラは廊下で待つことに。

 この急性期病棟。そもそも、病気を早期に治して社会復帰へと向けるのが目的。ここでは様々な人間ドラマが生まれています。感染症、悪性腫瘍・・・治しても治しても、入院患者さんは入ってきます・・・戦いは終わることはないのです。

 看護師さんらが、何やら廊下で話してます。
「うわー。まだやってる」「やってるやってる」

 指導医Bの説教は、A先生が1人前の医師になるための洗礼。通過儀礼なのです。A先生。感情が爆発したのか。涙を浮かべています。

「・・・やな。わかったか」
「ハイ」
「わかったかって聞いてんねや!」
「ハイ!」

 立ち去っていくB医師。A医師はどうやら、B医師担当の全患者の回診を頼まれたようです。これを昼までに終えるとのこと。

「ゴゴ、アラタメテ、イッショニカイシンシマス・・・キ?デスカ?オモイ・・・」

 言葉を濁すA医師。カルテを1冊ずつ広げ、重いフィルム袋をを取り出します。

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