挙手。中年男性。大学<助手>の名札。

「アイム、アー・・・(通訳音声)私は。基礎系の教室で勤務しています。実質的には臨床経験はなく、ペーパー医師と皮肉られることもありました。実験は好きなので今の仕事には満足してますが、未来への。将来が心配です。安定した収入のため、また人助けという本来の仕事に立ち返り・・・やはり臨床という仕事につきたいと思っています」

N「臨床の仕事に就きたい?」
 「はいそうです」

Y「イッツアミラコー・・・(通訳音声)基礎系の一部の人は、そのまま大学の研究室やどこかの企業に就職するようです。しかし待遇面がいいとはいえません。それにミクロの世界だけでなく、臨床の世界にも入りたい。そのため実際には、遅れてでも臨床医で将来設計を目指す人も増えてます。あくまで私の当て推量ですが。んがんん」

N「先生のところでも、基礎系の先生と触れ合う機会はある・・・?」

「(通訳)そうですね。自分が民間の病院で基礎系の先生に出会うとしたら・・彼らによく回ってくる非常勤のアルバイト。大学からの紹介です。単発のスポットも多いですが・・・当直日誌でみかけます。仕事がらか彼らには丁寧な印象があり完璧主義が災いすると思うこともありますが。臨床医としてそのままやっていけそうだと思うことも多いです」

N「基礎系の緻密なデータ処理という習慣・能力が、臨床でも応用できる?」

「(通訳なし)イエス。だが、臨床の現場で患者に張り付くことがあるはずもなく、したがって長期的また予想外の事態には当然慣れてるはずがない。これを鍛えないと、いざ民間に勤めても上司から手放しで診療を許可するわけにはいかない。したがって・・・そればっかだな自分は(苦笑)。ヘクシュ!ティッシュ借りるよ。ズズ・・・・部署も一般病棟でなく療養病棟的なところに回されてしまう可能性が高い。それが悪いことではないのだが・・本来の臨床からは遠くなる」

N「現実は厳しい」

「しかし楽な部署に回されたとして、そこまで不満を唱えるものはそういない。人事はそれほど悪くできてないんだ。それに・・・ある程度の年齢を過ぎるとプライドも邪魔してくる。多忙な年下に基本から教えてくれなんて言えない。年を重ねて高い医学書を買うには財布やワイフとの相談も必要だろ?」

N「ある程度の年数なら・・ローンもあるかもしれない」

(会場:ブーイング)

 別の男性新米医師。

「モンスターペイシャントが増えて困ってます。どういった対処法をそればいいでしょうか?食いかかれると、診療に集中できません・・・」

N「父親も母親に押されぎみだね」
Y「男性が弱くなった印象は受ける。働き手としての鬱の状態が増えてることが背景だと思うが。それに女性が傲慢になり過ぎた?この現象は・・10年前にはなかった事だ」
N「この会場に、最近女性に押され気味だと思う男性は・・?」

 大半が挙手。

N「私なら、敷かれてみたいね」

 会場:ブーイング

Y「マスコミの誘導だか知らないが・・・自分が客観的な<弱者>と確認できたら我慢しなくていい、集団でだったら怖くないという構図が許されるようになった。感情さえあれば、個人としての意見がなくてもいいわけだ。代弁する者がいくらでもいるからだ。これはある意味、アメリカ的な構図だ」

N「ハリウッド的?」

Y「皮肉のようだが、言いすぎでもないな。で、最近気になってるんだが・・・この集団心理につけこんだ多角的ビジネスが横行している。医療訴訟にしたがる弁護士らも関係あると思ってる」

(CM)

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