サンダル先生R 水曜日 ? ちちっ!
2008年7月10日「ちわっす!」当直医が激しく激励。
「お?おう・・・?」
「ちわっす!(2回目)」
「お?おう・・・?(2回目)」
パルス療法(本日3日目)をする予定の患者の横に、彼は立っている。反対側に中年ナース。何やら固まっている様子。
「(ガニーズ)先生。処置を、何か?」
「い、いや。今は。今は落ち着いてますわ!」
「?ナース。バイタルが何か?」
近くの画面にはバイタルの折れ線が。嘘のように安定化している。
「むしろ良好だな?」
「はい・・・」ナースはまだ固まっている。
「おい?それは・・・」
ナースは血液入り注射器を持っている。
「採血したのか?」
「と、採りにくくて」
「今日って、そんな予定あったか?確か、家族の意向で採血は本日見合わせだったろ?」
患者の前での会話が続くので、いったん詰所へ。
「ああ!ここにおったおった!」そうじのオバサンが叫ぶ。
「びっくりしたな。なんだよ・・・」
「廊下を勝手に走りおって!」モップを振り回す。
「ててて!急変だと思ったんだよ!」
当直医とナースはモニターに見入ってる。
「おい。(ガニーズ)先生。もう時間・・・」
「あ?ああはい?お!もう行かきゃカンファが(←わざとらしい)!そうですね。お疲れー!」
「夜間の入院はあった?」
「あーあったあった!胸痛がさっき入って」
「なに?所見は・・・」
「しょけん?しょけんと!」
どうしたんだ。この男・・すっかり狼狽しきって。
それにしても不自然な奴らだな・・・
「ユウキ先生。所見は・・・これから?」
「俺に聞かれても・・・」
入院カルテの番号をあてに、個室へ。
「おはようご・・・あれ?」
いない。
「ナース。新入院の人は・・・トイレにでも?」
「あっ」
ナースは階段へ向かった。
「待ってくれよ!どこへ?」
「まだ下です!」
「下?」
「救急外来の部屋!入院の部屋は確保したんですが!」
「なっ?」
何アベコベやってんだ?それにしても総入れ替え後のうちの職員と来たら。
駆け足がいっそう速くなった。
救急部屋にまさか1人で・・・。
実はその通りだった。中年男性患者は眠っている。のか。
「おはようございます!」
「うっ?おはよ」
「痛みは今は?」
「よくなった。さっきは地獄かと思ったが」
「よくなった?ホンマ?」
それも考えものだが。私服に着替えたガニーズが降りてきた。
「じゃ!自分。帰りますんで!やあ表情、いいね!」
「あ。どうも先生。さっきは」患者は頭を少し持ち上げた。
「じゃユウキ先生!いい病院紹介してよ!」
「ここでそれやめろってんだよ・・・」
調子に乗りやがって・・・!明けの当直のせいかハイぎみになってる。
「ナース。検査はホントに何もしてないのか?」
「心電図はさっきとったような・・・」
「なんだよそれ。しっかりしろよ!」
心電図を記録。
「酸素飽和度は低下。心不全状態じゃないだろうな?くっ!」
「はあ?」中年ナースはわざとらしく驚いた。
「QSパターンだよこれ!心筋梗塞の過去形だ!前壁の・・・!」
「カテーテル、しますか?」
「気軽に言うな!」
超音波では、古い梗塞のさらにその上に梗塞・・といった印象だ。
「胸水も多い。心不全治療が優先だ。高熱も?」ピピッと体温計が見えた。38.7℃ある。
「肺炎?」ナースがつぶやく。
「アンタに聞いてないんだよ!」
「先生!暴言!イエローカードですよ!」救急入口が開いていたそこには、事務長が立っていた。
「事務長!当直医はもう帰ったか?」
「あ。あれそうです」
ベンツがブルルー、と余裕で道路へ飛び出した。
「あいつの携帯、鳴らせ!」
「無茶言わんでください!大事なお客様なのに!」
「あそっか!採血したから、これ出してくれ!」
「はいな」
「それと!」
「ほい?」
「はよ行け!」
事務長はコートのまま走って行った。次々とやってくる職員たち。見物人と変わらない。
「なに?」「どうして?」「あれ?」「うわ・・」
「とっとと着替えてこいよ!」
朝っぱらから怒り心頭だ。心臓に良くない。
<神経を集中。集中・・・・怒りは患者のプラスにならない・・・それがどんな理由でもだ>
自己暗示でなんとか平常心へ。
医長が出勤。最初から相手を見下したような風格が漂う。
「おはようございます。救急?」
「見りゃわかるだろ。トシ坊」
「原因は?バイタルは?」
「教授回診かいな。自分で見てみろ」
「荒っぽいですね」
「ちっ・・・!」
「ユウキ先生じゃありませんよ。心電図のつけ方がです」
「余計ちちっ!!」
検査の結果待ち時間は、なんともいえん。どうとも言えない時間っていうのは。
「そうだ。おい事務長!」
「はいただいま!」事務長は片膝ついた。
「ちょっと調べてくれ。病棟の俺の患者、勝手に採血された疑いがある」
「そういうのは、看護師長のほうへ・・・」
「怪しいものを感じたんだよ」
「怪しいのは、お互い様じゃないですか?」
「ちっ・・・」
心不全の患者は医長に割り当てられ、みな救急外来を出た。
「おい!ここちゃんと拭いとけよ!」
救急待機の麻酔科医、ピートがぞうきんで拭いている。
「オレはここの番人だぜ!何なら自費でリフォームさせるぜ!」
再び詰所へ。師長が腕組みしている。申し送りが始まったようだ。
「お?おう・・・?」
「ちわっす!(2回目)」
「お?おう・・・?(2回目)」
パルス療法(本日3日目)をする予定の患者の横に、彼は立っている。反対側に中年ナース。何やら固まっている様子。
「(ガニーズ)先生。処置を、何か?」
「い、いや。今は。今は落ち着いてますわ!」
「?ナース。バイタルが何か?」
近くの画面にはバイタルの折れ線が。嘘のように安定化している。
「むしろ良好だな?」
「はい・・・」ナースはまだ固まっている。
「おい?それは・・・」
ナースは血液入り注射器を持っている。
「採血したのか?」
「と、採りにくくて」
「今日って、そんな予定あったか?確か、家族の意向で採血は本日見合わせだったろ?」
患者の前での会話が続くので、いったん詰所へ。
「ああ!ここにおったおった!」そうじのオバサンが叫ぶ。
「びっくりしたな。なんだよ・・・」
「廊下を勝手に走りおって!」モップを振り回す。
「ててて!急変だと思ったんだよ!」
当直医とナースはモニターに見入ってる。
「おい。(ガニーズ)先生。もう時間・・・」
「あ?ああはい?お!もう行かきゃカンファが(←わざとらしい)!そうですね。お疲れー!」
「夜間の入院はあった?」
「あーあったあった!胸痛がさっき入って」
「なに?所見は・・・」
「しょけん?しょけんと!」
どうしたんだ。この男・・すっかり狼狽しきって。
それにしても不自然な奴らだな・・・
「ユウキ先生。所見は・・・これから?」
「俺に聞かれても・・・」
入院カルテの番号をあてに、個室へ。
「おはようご・・・あれ?」
いない。
「ナース。新入院の人は・・・トイレにでも?」
「あっ」
ナースは階段へ向かった。
「待ってくれよ!どこへ?」
「まだ下です!」
「下?」
「救急外来の部屋!入院の部屋は確保したんですが!」
「なっ?」
何アベコベやってんだ?それにしても総入れ替え後のうちの職員と来たら。
駆け足がいっそう速くなった。
救急部屋にまさか1人で・・・。
実はその通りだった。中年男性患者は眠っている。のか。
「おはようございます!」
「うっ?おはよ」
「痛みは今は?」
「よくなった。さっきは地獄かと思ったが」
「よくなった?ホンマ?」
それも考えものだが。私服に着替えたガニーズが降りてきた。
「じゃ!自分。帰りますんで!やあ表情、いいね!」
「あ。どうも先生。さっきは」患者は頭を少し持ち上げた。
「じゃユウキ先生!いい病院紹介してよ!」
「ここでそれやめろってんだよ・・・」
調子に乗りやがって・・・!明けの当直のせいかハイぎみになってる。
「ナース。検査はホントに何もしてないのか?」
「心電図はさっきとったような・・・」
「なんだよそれ。しっかりしろよ!」
心電図を記録。
「酸素飽和度は低下。心不全状態じゃないだろうな?くっ!」
「はあ?」中年ナースはわざとらしく驚いた。
「QSパターンだよこれ!心筋梗塞の過去形だ!前壁の・・・!」
「カテーテル、しますか?」
「気軽に言うな!」
超音波では、古い梗塞のさらにその上に梗塞・・といった印象だ。
「胸水も多い。心不全治療が優先だ。高熱も?」ピピッと体温計が見えた。38.7℃ある。
「肺炎?」ナースがつぶやく。
「アンタに聞いてないんだよ!」
「先生!暴言!イエローカードですよ!」救急入口が開いていたそこには、事務長が立っていた。
「事務長!当直医はもう帰ったか?」
「あ。あれそうです」
ベンツがブルルー、と余裕で道路へ飛び出した。
「あいつの携帯、鳴らせ!」
「無茶言わんでください!大事なお客様なのに!」
「あそっか!採血したから、これ出してくれ!」
「はいな」
「それと!」
「ほい?」
「はよ行け!」
事務長はコートのまま走って行った。次々とやってくる職員たち。見物人と変わらない。
「なに?」「どうして?」「あれ?」「うわ・・」
「とっとと着替えてこいよ!」
朝っぱらから怒り心頭だ。心臓に良くない。
<神経を集中。集中・・・・怒りは患者のプラスにならない・・・それがどんな理由でもだ>
自己暗示でなんとか平常心へ。
医長が出勤。最初から相手を見下したような風格が漂う。
「おはようございます。救急?」
「見りゃわかるだろ。トシ坊」
「原因は?バイタルは?」
「教授回診かいな。自分で見てみろ」
「荒っぽいですね」
「ちっ・・・!」
「ユウキ先生じゃありませんよ。心電図のつけ方がです」
「余計ちちっ!!」
検査の結果待ち時間は、なんともいえん。どうとも言えない時間っていうのは。
「そうだ。おい事務長!」
「はいただいま!」事務長は片膝ついた。
「ちょっと調べてくれ。病棟の俺の患者、勝手に採血された疑いがある」
「そういうのは、看護師長のほうへ・・・」
「怪しいものを感じたんだよ」
「怪しいのは、お互い様じゃないですか?」
「ちっ・・・」
心不全の患者は医長に割り当てられ、みな救急外来を出た。
「おい!ここちゃんと拭いとけよ!」
救急待機の麻酔科医、ピートがぞうきんで拭いている。
「オレはここの番人だぜ!何なら自費でリフォームさせるぜ!」
再び詰所へ。師長が腕組みしている。申し送りが始まったようだ。
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