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サンダル先生R 水曜日 ? 頼んだ!
2008年7月24日 診察。診察。診察。内視鏡。診察。診察。トイレ。(手を洗ったのち)診察。時間が過ぎていく。
内視鏡や超音波は暗室でするので、時間の経過も外の天気も分からない。しかし、日の光をあびるときが来た。
「ちょっと病棟、行って来る!」パルス療法中の患者を診察するためだ。
一瞬だが、光を浴びた。
「きれい・・・」トリニティの言葉を思い出す。
再び暗い病棟へ。
妙な予感は的中しなかった。患者は久方ぶりに笑顔で座っている。酸素マスクも鼻カニューラでいけてる。
「音も良くなってる。少しだが」
「は・・・は・・・・」
「いやいや。今は喋らなくても!」
このとき、ばあさんが礼を言おうとしていると思ったのだが・・・。彼女の言いたいことは違っていた。
ミチル師長が執拗というほど、ずっとそばについている。
「パルスが予想外に効いた。俺は今。ものすごく感動している」
「・・・・・」彼女の表情は硬かった。
「今日で3日目投与。感染症の予防は大事よな!」
「・・・・・」
「あ。朝の件か。俺もちょっと熱かった。大学も採血検体が欲しいなら、前もって言えばいいのに」
つい、許すようなことを軽く口走ってしまった。
「家族にも、知らせなきゃな」
「・・・・・・」師長はどこか一点を見ていた。
みな、心があちこちにワープしてるのか。医療スタッフにはあるまじき行為だろうがな。
医長は詰所で腕組みしている。
「先輩」
「おう。医長」
「パルス療法の人は、だいぶいいですね」
「ちっ!俺が先に言おうとしたのに!」
「でも油断は禁物ですよ」
「わかってら!で。お前は点滴入ったのか?」
「・・・・・」
どうやら、今日は撤退のようだ。
「そっか。俺がしようか?午後から」
「患者さんに負担ですので」
「え?今いける?」
向こうのナースの合図でわかった。
病室に入ると、患者の右鎖骨下あたりは・・・血が散乱。
「トシ坊。気胸はないだろな?」
「肺に刺してはいません」
「こんだけ刺して。何でわかるんだよ」
聴診は問題なさげだ。
「おい。ろくぶて(手袋)!」
ナースがさっと手渡す。
「すみませーん。ここからしまーす。チクッと・・・はい今ので終わりー」
医長がのぞきこむ。
「医長。近すぎだよ」
「・・・・・」
「検査のほう、行ってくれんか?」
「検査?」
「終わりかけのがちょっとあるんだ」
「先輩がIVHと格闘する間、自分は検査だけでいいので?」
「かくとう?ちっ・・ああ。いいんだよ。後輩」
「じゃ、すぐ終わらせて戻ってきます」
医長は消えた。たぶん、しばらく戻ってこないだろう。
「お。戻った。血液が」
いとも簡単に、挿入は完了した。
「点滴よこせ!おい!ボケっとすんな!」
こうやって怒鳴ることが多くなった。
内視鏡や超音波は暗室でするので、時間の経過も外の天気も分からない。しかし、日の光をあびるときが来た。
「ちょっと病棟、行って来る!」パルス療法中の患者を診察するためだ。
一瞬だが、光を浴びた。
「きれい・・・」トリニティの言葉を思い出す。
再び暗い病棟へ。
妙な予感は的中しなかった。患者は久方ぶりに笑顔で座っている。酸素マスクも鼻カニューラでいけてる。
「音も良くなってる。少しだが」
「は・・・は・・・・」
「いやいや。今は喋らなくても!」
このとき、ばあさんが礼を言おうとしていると思ったのだが・・・。彼女の言いたいことは違っていた。
ミチル師長が執拗というほど、ずっとそばについている。
「パルスが予想外に効いた。俺は今。ものすごく感動している」
「・・・・・」彼女の表情は硬かった。
「今日で3日目投与。感染症の予防は大事よな!」
「・・・・・」
「あ。朝の件か。俺もちょっと熱かった。大学も採血検体が欲しいなら、前もって言えばいいのに」
つい、許すようなことを軽く口走ってしまった。
「家族にも、知らせなきゃな」
「・・・・・・」師長はどこか一点を見ていた。
みな、心があちこちにワープしてるのか。医療スタッフにはあるまじき行為だろうがな。
医長は詰所で腕組みしている。
「先輩」
「おう。医長」
「パルス療法の人は、だいぶいいですね」
「ちっ!俺が先に言おうとしたのに!」
「でも油断は禁物ですよ」
「わかってら!で。お前は点滴入ったのか?」
「・・・・・」
どうやら、今日は撤退のようだ。
「そっか。俺がしようか?午後から」
「患者さんに負担ですので」
「え?今いける?」
向こうのナースの合図でわかった。
病室に入ると、患者の右鎖骨下あたりは・・・血が散乱。
「トシ坊。気胸はないだろな?」
「肺に刺してはいません」
「こんだけ刺して。何でわかるんだよ」
聴診は問題なさげだ。
「おい。ろくぶて(手袋)!」
ナースがさっと手渡す。
「すみませーん。ここからしまーす。チクッと・・・はい今ので終わりー」
医長がのぞきこむ。
「医長。近すぎだよ」
「・・・・・」
「検査のほう、行ってくれんか?」
「検査?」
「終わりかけのがちょっとあるんだ」
「先輩がIVHと格闘する間、自分は検査だけでいいので?」
「かくとう?ちっ・・ああ。いいんだよ。後輩」
「じゃ、すぐ終わらせて戻ってきます」
医長は消えた。たぶん、しばらく戻ってこないだろう。
「お。戻った。血液が」
いとも簡単に、挿入は完了した。
「点滴よこせ!おい!ボケっとすんな!」
こうやって怒鳴ることが多くなった。
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