飲み会 パート1 (若手医師・体育会系編)
2008年11月6日 連載(昼ドラ音声解説風に)
大勢、飲み屋に入ってくる。それと見て分かる大先輩軍団。数人の若手医師。ナースらがその間を埋める。先輩医師、後輩医師の1人に目をつける。
「おつかれモードやな」
「はい」
「はっ・・・?」
一同、ワンテンポ遅れて高笑い。
「でな。この前。俺があんだけ調べとけ調べとけって。言ったよな?」
「ははい」
鎮まる周囲。上司、酒をほおばる。少しこぼす。周囲、完全に固まる。
「で?調べてなかったとは・・・どういうことや?」
「・・・・・」
「黙っとっても分からんやろ。なあ」
「・・・・・」
「言わんか!」
一同、後輩をただただ凝視。上司の怒りになすすべない様子。
手を挙げる、後輩の友人。
「あ。先輩。それとこいつですね」
「おう?お前はま、よくやってるよな。見なおした!お前、好き!で?」
「こいつですね。この前ナースらと合コンしてました」
「なにぃ?ナースもナースやなあ・・・」
ナースたち、戸惑う。リーダー格ナース、立ち上がる。
「あの。こうこれで十分じゃないですか?研修医の先生も反省されてることですし」
「お前らがな!そうやって甘やかすから!」
身を乗り出す上司。5人がかりで抑える同僚たち。同僚の1人が遠くから喋る。
「もうな、それくらいにしてやったら?」
「いやいや!あかん!絶対にこいつは!甘やかしたらいかん!」
「まあまあ先生」
「お前に何が分かるんや!」
完全に酔っぱらってる先輩医師。後輩、うつむいたまま。後輩同僚、腕組みしている。先輩、ナースらに罵声。
「お前らはなぁ。時間どおりに帰りやがって!」
「違います!次の勤務に備えるからです!」怒るナース。
「これからナースも当直制にせいや!きちんとせいやセイントセイヤ!」
(1時間後)
飲み屋で響く、カラオケ。先ほどの先輩、歌に酔いしれる。
「♪あし~たがある。あし~たがある。あし~たがあ~る~さ~イエイ!おい後輩!明日カテーテルの準備しとけよコラァ!」
先ほどの後輩、腕を組まれているが、まんざらでもない表情。怖い先輩、ふと優しいまなざし。
「がんばれ!なあ!がんばれ!」
「・・・・・はい」
「じゃ、あそこ行ってな。僕、がんばります!って言ってこい!」
いきなり大通りに走りだす後輩。
「俺の名前は~!明日から~!ガンバルマン~!」
こうして夜が更けていく・・・。
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