口約束は、あくまでも口約束。証拠が残らずコストもかからない。何の保証もない。政治家は政党継続のためなら何でも言うだろう。

 僕だって口約束なら言える。

「今年こそ開業したい」
「今年こそ結婚したい」
「今年こそこの世から悪を撲滅したい」
「今年こそ一大帝国を築きたい」
「今年こそ最新作を発表したい」

 病院のスタッフもそろそろ人事の話が出てくると思うが、口約束にはくれぐれも気をつけたい。それがトップの人間ならそれ以上の追及が難しいが、そうでない場合(すべて末端だと思え)は要注意。

 今の多くの病院はどうかというと、医者が足りずにもう業者に頼むしかないような状況。なら業者(バンクなど)に頼んだら済むんだが(登録医師数は星の数ほど!)、それが安ければとうにこの問題は片付いている。

 なので、(大学医局を通す場合を除いて)スカウトや間接的な人事の場合、病院側としては入念に<作戦>が練られる。最小限のコストで最大限の時間割を、ということ。経営者からすると当たり前で、頑張りたい人も意欲があるなら結構だが、最初に決めた平常勤務がそう続くとは限らない。

・ 当直明け日の勤務終了時間 ・・ 徹夜で明けでも新規重症を担当する可能性も考慮する。かなり過労の場合はケースバイケースで帰宅する希望も出しておく。

・ 午前中検査終了後の予定 ・・ たとえば内視鏡が終わったら2時とかザラ。 そのあとに無理な業務があるとどんどん後手に。相手の時間割をそのまま信じない。
・ 月曜日の当直について ・・ カレンダーを見てみよう。内需拡大のため、月曜日の祭日は割と多い。コスト的に見合うかどうかも考えよう。

・ 必ずできない時間 ・・ 前もってキッパリ言っておく。でないと都合良く使われることになる。特に独身は逃げ場がない。

・ 早出の出勤時間 ・・ これはつまり非常勤の当直医からの引き継ぎ時。非常勤はたいてい予定より早く切り上げたがる。その時間で妥協すると、それはそのまま続く。本当に無理のない時間で要求する。

・ 学会のこと ・・ たいてい年2回くらいは許されるはず。そのときは代医をたててもらえるかなども確認しておく。

・ これはいつも強調してることだが・・・そこで絶対に決めない!マンションでも何でもそうだろう。いったん持って帰って頭を冷却し、友人にありのまま喋る。すると「あれ?」と何か気付くこともある。

 面接や自己紹介で「なんでもやります!」と言った医師はスパイダーマン。それだけの責任が伴う。

 教訓:医師の発言は何にしても、<口約束>にはならない。


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