出世した者たちの共通点
2009年3月29日 連載これは、大学病院が出発点での話。
たとえば、自分の講座にいる准教授・講師の先生がいる。その先生が一生懸命やってるテーマがある。
・ ほぼ同じテーマの実験を積極的にする。その先生の提唱する仮説に基づく(論文の孫引として頻用)。論文で連名の常連(順番も!)となる。
・ その先生の授業・出張のサポートを行う。そうするうち、自ずと周囲が寄りつけなくなる雰囲気ができる。出勤もより早く、朝の挨拶もかかさず。夜は必ず報告し送りの挨拶。
そうしてるうち、お互い不思議と対等に話せるようになる(マニアックでディープな内容)。2人は話し方まで似てくるのである!
この段階までは皆やるが、ここからが分かれ道。
分岐点はその上の先生が賭けにでたとき、あるいは転勤になったときだ。
賭けとはつまり教授戦。敗れると自然に退去することになるが、そのとき自分もついていく(ようになる)。講師が夢破れても、中核病院などで上層部のポスト(診療部長など)が待ってるもの。その直属におかれる期待もある。
ただ、上司が教授に嫌われて冷遇された場合(僻地に飛ばされたり)は、検討を要する。
僕の知ってる連中で出世した者は、(ついていきたい)上司が大学から出れば即あるいは少ししてすぐに大学を引き払い、潔く同じ病院に収まったケースが多い(つまり別の人間に鞍替えしない)。その後数年して上司がナンバー1、自分がナンバー2か3くらいにという風になってる。
一番いいのは上司が教授になってくれることだろうが、イスが1つのため確率はごく小さいものと覚悟しておかないといけない。
ここでいう<出世>とは、積み重ねたことの報いが出た、つまり本望という意味。そう考えると、<出世しなかった>つまり望みを打ち砕かれた人間も多い。打ち砕かれた場合は再出発。別路線で名を上げることもあり、なかなかそれも面白い。
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