N「不景気の影響は、出ている?」
Y「もう出ている。医療業界の景気は、一般の景気より数年遅れてやってくると言われている」
N「倒産した病院も?」
Y「大阪で?もちろんある。病院の数自体が多いので目立たないだけだ。それに・・倒産といってもすべてが企業ではない。公立・町立など、自治体の予算の関係で潰れる病院もある」
N「予算と、医師不足・・・」

(拍手)

Y「大学から医師が引き揚げて・・・まあ実際そうなんだが、今や多くのドロップアウト医師たちがバンクに登録している。そこに流れた影響も大きい」
N「そこのほうがメリットが」
Y「ホワッ?」
N「登録した医師に・・よりメリットがあるわけ?」
Y「そりゃそうだ。だから登録したわけだ。おかしいな君は?」

(ブーイング)

Y「すまんすまん。安易な失言だった」
N「ついその一言が」
Y「患者を追い詰める。何を言わせるんだ!」

(ブーイング)

N「医師が少ないなら、バンクからどんどん雇えば済むことでは?」
Y「ノーだ。今では1年の契約で年収の2割を要求するといわれてるバンクだ。病院の経営が成り立たなくなる」
N「金の問題?」
Y「そうだ、すべてに金がからんでる」

(会場、騒然)

Y「ところで人間誰でも忙しいと、その忙しさに飲まれてしまう」
N「するとどうなる?」
Y「それが不思議なことに、適応していく」
N「ではいいのでは?それは・・マラソンと同じ?」
Y「ザッツァー・・・そうだな。その後、妙な達成感が生まれてくる。これが今回のキーワードだ」

(ざわめき)

N「満足感ってこと?」
Y「とも言えるかな。達成感は脳を常に目覚めさせておく効果があるらしい。その達成感は次の意欲という姿勢を生み、また新たな達成感が生まれて・・・」
N「毎日、達成している?」

(会場、嘲笑)

Y「というか、何かを達成できるようにできている。特に医療関係者はそのような環境にいるんだ。簡単なことから複雑なことまであるよ、そりゃ。だがほとんどが経験的なものなので、演習のような形で収束していく」
N「・・・・なるほど」
Y「なので、達成感に包まれるほど妙にその人間が輝いていくのを見る。果たして達成できたのかどうかの客観的判断は別として」
N「自己満足?」
Y「それを言われるとつらいな!そりゃ、今の知識だって完成したものかどうか分からない」
N「治療での話だね?」
Y「ああ。僕らはこれまで百科事典くらいの知識を叩きこまれ、あ、技術的・アクシデンタルな経験もそうだが。・・その中から日々選択をしていく。正しいと思う選択をね」
N「間違うこともある。だが正しいと分かったときには・・・」
Y「そこには達成感があり、次への意欲が出るのは間違いない」
N「間違い続きだと?」
Y「達成感がないままでは、生き生きしなくなる。それが診療態度にも出てくる。」
N「・・・・皆さんも主治医は選ばないとね」
Y「オーイ!」

(会場、爆笑)

Y「付け加えるが、診療態度というのはつまり・・・自分に思うような結果が出ないとき、そのときに要求される粘り強さだ」
N「いろんな試みを考えたり・・」
Y「ああ。だが医者も人間だ。限界がある。考えにも体力・気力があるし」
N「話を戻しますが。その達成感が最近、失われていると?」
Y「そうだ!よくその話に戻ったな!」

(拍手)

Y「モンスター患者・家族、偏った報道、自治体の横柄な態度など・・・すべてが物事を<達成しにくく>している。このような流れが続けば、次への意欲が生まれない」
N「献身的にできなくなる?」
Y「それは正確な言い方ではないが・・・そうだな。してあげてたことを・・しなくなってくる。分かるかな」
N「我々が当たり前と思ってた内容が減ってくる?」
Y「親子や恋人関係でもあるだろ?無くしてしまって気づくものだ」
N「国が黙って見過ごせないのでは?」
Y「彼らの利益にかかわらない限り、見過ごされるだろう」
N「以上、ヘチマの大予言でした」
Y「オーイ!」

(会場、爆笑)

Y「医療に限らず、達成感を期待して日々を過ごすのは重要だと思う」
N「これ、何の番組?」

(爆笑)

Y「そのためには、その対象となる出来事がいくら魅力的でも・・自分の器でもって計算しておく必要がある」
N「結婚の話かな?」
Y「ジー・・なるほどな。いい例だ。自分の例えでは、ある高額なアルバイトがあるとする。だがそれには高額なる理由が必ずある。それをある程度推定して、自分は果してそれに耐えうるかどうか。ついていけそうか」
N「男が近寄らない美人がいると、それには理由がある。その理由・・・性格が悪い、美しすぎる・・・」
Y「美人局。あるいはニューハーフかもしれない」

(爆笑)

Y「いやいや。要するに、~かもしれない~かもしれない、と冷静に石橋を叩けるかどうかだ。で、結論を出して自分が永続的に耐えうるものかどうか、考える」
N「その態度でもってしても、最近は満たされない?」
Y「(国の上層部の)急な決定や、(上層部・患者側・マスコミの)一方的な対応・態度というのが増えた・・そのデリカシーのなさが、考える価値をなくさせる」
N「そのうち思うわけだね」
Y「ああ、言わせてくれ。誰がもうガンダムに乗るもんか!ってね」
N「・・・やっぱり医者を選ぼう」
Y「オーイ!」

(爆笑)

Y「簡略化するとこうだ。一生懸命やっても、安易に踏みにじられる環境にあるのなら・・・達成は無理ということだ。むしろ安定を目指し自分を守る」
N「あるいは環境・・・仕事場などを変わる?」
Y「ちょと前までは、金の利回りのよさで達成感そのものが軽視されていたように思う」
N「豊かさは罪?」
Y「そうではない。しかし豊かな間にしたそのツケが、俺たち世代にやってきたってことさ」

(拍手)

N「そのツケを払う時代になっても・・・達成する希望は見いだせる?」
Y「成功して金を作ることが達成だとは言ってない。それまでに達成の階段を作る。ワンステップ、ツーステップ・・という風に。いきなり一段で上がろうとしないこと。器が小さければ、階段を多くすればいい。<自分なら登れるであろう>という階段だ」
N「目の前の目標にいきなり飛びつくなってことだね?」

(拍手)

Y「目の前のものに安易にすがるのが、どういう結果を生むか・・・新作でそれを明らかにしたい」


<お次は、6月公開作に向けてのクランクアップ情報です!>



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