大学からは2台のシルバーセダンが発進した。中堅どころが2名。
「ノナキー先生。実験は終了。今、出ました。到着次第、ミタライをサポートします」
<頼む。こちらは手が離せない。状況を把握してこい!>
「どうせまたトラブルなんでしょう。当直医のミタライ助手には注意しておきます」
<すぐ戻れよ!それからお前ら。マクドナルドも寄るなよ!>
「はっ!」
中堅は電話を切った。
「フン。タダゴトかママゴトか。この目で見てやるよ!」
ブオオッ!と2台は黄色信号を駆け抜けた。
「アゴで使いやがって!」
大学。
ノナキーはやっと終わりかけた外来で背伸びをした。
「ふああ~・・・島。学食、行くか」
「おおっ!いいですね!」
2人が歩くと、誰もが道を開けた。
ノナキーは両肩がかなりこっていた。
「論文の出来が、最近遅いんじゃないか?」
「学生の面倒が増えて・・・新入医局員も来年は絶望的で」
「昨年と、言ってることが違うぞ」
「うっ・・・ははい」
「昨年、こう言ったはずだ。<自分がサポートさせて頂く以上、血を吐く思いで頑張ります>。」
「・・・・・・・・でしたかね」
「お前は、血を吐いたか?」
「い、いえ・・・」
島には学食への道のりが、永遠に感じた。
燃えるような太陽が照りつける。
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