松田は50インチテレビ電話に向かった。
「出足は上々ですわ。足津はん!」
「そのようですね」クールな声。
「真田はもう真珠会にわたさず、うちで乗っ取ろうかなという話ですわ!わしの独断で!」
「意味がよく理解できないのですが?」
松田はぎょっとした。
「い。いえ・・・」
「渡し先は、我がファンドです。お間違えなきよう」
「え、ええ。すみませんでした。真珠会には内緒ですよな。でも足津さん。うちで救急診れる自信がないねん。雇った外人も話が違う。日本語全然パァでんねん。ヘルプがまともにできんと、こっちも足元すくわれまっせ」
「当初の約束通り、お試し期間内に結果を出してください」
「ひっ?」
「3か月以内」
「ちょ、ちょっとそれ遅めに」
「でなければ、これまでお貸しした借金の穴埋め、移転時の建設費用。新聞への広告費用、ウエブ用広告、ホームページ製作・・」
「わかったわかった!冗談ですよ!」
松田は現実に戻ったような表情。
「3か月以内の実績が、ノルマに満たんかったら・・・?」
「今後の運営資金は凍結。即時、利子を含めての全額返却を要請します」
「そっちに投資した株はどうなります・・・?」
「続けたければどうぞ。ただし場合によっては莫大な追証金が発生しますので、存続が可能ならの話ですが」
ビデオ電話が切れた。
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