千里中央の大屋敷。
足津が寝そべり、上から背中をマッサージしてもらっている。ひたすら読書中。
「・・・?」
バットが映ったかと思うと、画面が粗くなり瞬く間に消えた。足津は仕方なく、別カメラのプレイバック画面に切り替える。
テレビには、チワワを通した場面。途切れ途切れの静止画。松田院長の横顔がアップ。
「・・・」
<ご報告です>と藤堂ナースの声。
「今のような感じですね?」
<どうでしょうか?>
「ま、簡単に試してはみましたが。ドクターシローは戦力として利用できます。株主の多数決もあって合格です。もう1人の人材にも要望がありましたが」
<あれは、真田病院の>
「知ってます。あそこを落とすのは時間の問題ですので。その際に安く買い叩きます」
<はっ>
「今後はドクター松田は一般診療どまり。ドクターシローは救急および2診といったポジションで。このあとの<作戦>のあと、こちらに正式抜擢の予定です。役立たずになれば、そのときに潰せばいいというのが株主らの一致した意見です」
<この流れの続行ということで?>
「ええ。焦ればミスも出やすいのは医療と同じです。大学病院への攻勢の手始めとして、次のターゲットを設定しました」
<それよりも大学病院を。私は一気にたたみかけたいと・・・>
「私情を挟まず、最初のストラテジーに従ってください。株主の意向が優先です。あくまでも契約書類上、計画を進行させます」
<ですが・・・>
「書類に、もう一度目を通してください」
末端スタッフが近づいた。
「ではそろそろ・・・先生」
「はい。早速駒を進めてください」
足津は3ケタを押した。
「真珠会の会長様ですか?」
<は?ああ!足津さん!>
今や人形同然の会長が電話で飛び起きた。
「出動要請です。名誉教授の息子さんの病院、ご存じですね?」
<はい!あそこはもう経営がガタガタでして。ですが売るつもりはないと>
「出動の準備をお願いします。私も見学します」
電話を切り、足津は立ち上がった。
大きな窓が左右に開き、勢いのある風が入ってきた。
ブオオオオオオ!と、それは部屋の中の書類を散乱、いやダンスのように舞わせた。
真っ白なヘリが、広大な庭に足元おぼつかず着陸していく。
足津が寝そべり、上から背中をマッサージしてもらっている。ひたすら読書中。
「・・・?」
バットが映ったかと思うと、画面が粗くなり瞬く間に消えた。足津は仕方なく、別カメラのプレイバック画面に切り替える。
テレビには、チワワを通した場面。途切れ途切れの静止画。松田院長の横顔がアップ。
「・・・」
<ご報告です>と藤堂ナースの声。
「今のような感じですね?」
<どうでしょうか?>
「ま、簡単に試してはみましたが。ドクターシローは戦力として利用できます。株主の多数決もあって合格です。もう1人の人材にも要望がありましたが」
<あれは、真田病院の>
「知ってます。あそこを落とすのは時間の問題ですので。その際に安く買い叩きます」
<はっ>
「今後はドクター松田は一般診療どまり。ドクターシローは救急および2診といったポジションで。このあとの<作戦>のあと、こちらに正式抜擢の予定です。役立たずになれば、そのときに潰せばいいというのが株主らの一致した意見です」
<この流れの続行ということで?>
「ええ。焦ればミスも出やすいのは医療と同じです。大学病院への攻勢の手始めとして、次のターゲットを設定しました」
<それよりも大学病院を。私は一気にたたみかけたいと・・・>
「私情を挟まず、最初のストラテジーに従ってください。株主の意向が優先です。あくまでも契約書類上、計画を進行させます」
<ですが・・・>
「書類に、もう一度目を通してください」
末端スタッフが近づいた。
「ではそろそろ・・・先生」
「はい。早速駒を進めてください」
足津は3ケタを押した。
「真珠会の会長様ですか?」
<は?ああ!足津さん!>
今や人形同然の会長が電話で飛び起きた。
「出動要請です。名誉教授の息子さんの病院、ご存じですね?」
<はい!あそこはもう経営がガタガタでして。ですが売るつもりはないと>
「出動の準備をお願いします。私も見学します」
電話を切り、足津は立ち上がった。
大きな窓が左右に開き、勢いのある風が入ってきた。
ブオオオオオオ!と、それは部屋の中の書類を散乱、いやダンスのように舞わせた。
真っ白なヘリが、広大な庭に足元おぼつかず着陸していく。
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