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2009年6月22日 連載

 トシ坊は依然として、ひとりカテ状態だった。

「ステント挿入後の、確認造影!なにっ・・」
 モニターが心室頻拍。拳で叩くが同じ。うしろ両側に手を伸ばし、パッドを持つ。
「200ジュール!」

 ズドン、と打ち込まれ脈は正常化。患者目覚める。強い虚血変化。
「反対の冠動脈が・・・そうか!」
 左の冠動脈、造影するが枝のように細くなっている。
「血管の痙攣・・・スパズムか!ニトロ剤を注入!」

 独り芝居のように進んでいく。患者はちょっと楽になり、頭を少し持ち上げた。
「今は何を・・・?」
「血管を、守ってます!」
「あ、ありがとう」
「いいえ」

 ユウはCOPDの患者・・・ニップネーザルをつけた患者を運んできた。
「これをしてて・・苦しくなった?」
「う!うう!」高齢男性は一生懸命頷いた。
「血液ガス!ちょっとチクッとするけど!」

 腕の動脈血。色でかなり重症と分かる。

「ピート!俺はCTまで行ってくる!」
「ニップネーザルのマスク、外れてるぞ?」
「陽圧のかけすぎかもしれん!」
「どこで?」
「例のグループさ!」

 ザッキーはユウがいないと分かり、制限がなくなった。
「陽圧のかけすぎかもね!ってか!あれ?」

 パソコンの患者リストを確認。
「頭痛の患者が・・いない?」
「ブヒブヒ!」ナースが寄ってきた。
「処方もなし?」
「桜田先生が、帰しました!」

 さきほどのCT画像に戻した。

「・・・・やばいぞ!」

 ザッキーはダッシュした。
 
 

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