トシ坊は依然として、ひとりカテ状態だった。
「ステント挿入後の、確認造影!なにっ・・」
モニターが心室頻拍。拳で叩くが同じ。うしろ両側に手を伸ばし、パッドを持つ。
「200ジュール!」
ズドン、と打ち込まれ脈は正常化。患者目覚める。強い虚血変化。
「反対の冠動脈が・・・そうか!」
左の冠動脈、造影するが枝のように細くなっている。
「血管の痙攣・・・スパズムか!ニトロ剤を注入!」
独り芝居のように進んでいく。患者はちょっと楽になり、頭を少し持ち上げた。
「今は何を・・・?」
「血管を、守ってます!」
「あ、ありがとう」
「いいえ」
ユウはCOPDの患者・・・ニップネーザルをつけた患者を運んできた。
「これをしてて・・苦しくなった?」
「う!うう!」高齢男性は一生懸命頷いた。
「血液ガス!ちょっとチクッとするけど!」
腕の動脈血。色でかなり重症と分かる。
「ピート!俺はCTまで行ってくる!」
「ニップネーザルのマスク、外れてるぞ?」
「陽圧のかけすぎかもしれん!」
「どこで?」
「例のグループさ!」
ザッキーはユウがいないと分かり、制限がなくなった。
「陽圧のかけすぎかもね!ってか!あれ?」
パソコンの患者リストを確認。
「頭痛の患者が・・いない?」
「ブヒブヒ!」ナースが寄ってきた。
「処方もなし?」
「桜田先生が、帰しました!」
さきほどのCT画像に戻した。
「・・・・やばいぞ!」
ザッキーはダッシュした。
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