真田病院の駐車場では、シナジーが演説中。
「皆さん、ご覧のとおり。正面にそびえ立つは、医師会の反対をも押し切って進出した巨大なクリニック。往診関係でかつて当院とつきあいのあった先生が・・・正直ショックを隠しきれません」
オークナースらがそわそわと大勢立っている。
「ま、嘆いてもしょうがありません。当院の収益はここ1ヵ月でかなり落ち込んでいますし、挽回をはからないと。リストラが新たに発表され私も正直心苦しい。しかし小泉政権同様、痛みを伴う改革は必要です」
(無言。冷たい視線)
「ですがこちらも黙ってはいません。女医の桜田先生の他にもう1名の助っ人が新任で入ってくれまして。まだお目見えには・・・おかしいな。ここは心機一転をはかろうと・・・?」
シナジーの言葉が詰まったのは、何もユウ・大平が向こうからやってきた、つまり遅刻してきたことではなかった。
いきなり乗り付けてきた、黒い救急車だ。サイレンは回ってない。
「あの・・・・・」エンジンが止まる。
いきなりヤクザ風の大男が降りてきた。以前、トシ坊のケツを棒でねじった男だ。トシ坊は反射的に尻を隠した。その顔はどこか赤かった。
「(一同)うわあああ!」
「・・・・・・・」サングラスの向こうは見えない。
続いて降りて来たのは、例の会長だった。
「品川!」
「はい?」
「・・・・・・こりゃ、ちょうどいい。はっは!」
みな、ざわめきが起こった。
「怖がるな。助言に来た。私はもう、真珠会のオーナーではない」
詳細は違う。自らファンドに譲り、株主になった。
会長はマイクなしでも、声が通っていた。
「コンスタントに収益をあげていたとはいえ、となりのたかがクリニックに押されて利益が落ち込むとはなぁ」
大平は片手にさきほどのジュースをまだ持っていた。
「ユウ。大丈夫なのかここは?俺まだ来たばかりだぞ・・・?」
「借金でもせびりに来たのかな・・・?」
もとオーナーは主題に入った。
「当院、真珠会は本年度より、海外資本と手を組むことになった。ほれそこ、拍手してどうする。その海外ファンドの助言により、数々の病院を買い取ることに決めた!」
品川は腕組みした。
「足津のスポークスマンが・・・!」
会長は続けた。
「だが、貴院はもともとこちらとの付き合いがあるだけに、こちらとしても手荒なまねはしたくない」
トシ坊を棒でつついた大男が、拡声器を渡す。
<2週間以内に、ここを明け渡すことを勧める!その間、諸君らは次の職場に身を固めろ!その後は、当院のスタッフがここに結集することになる!・・・お前らの居場所はない>
松田クリニックのノルマ達成期限も、あと2週間。どうやら何か最後のイベントが起きそうな予感。
会長はすでに車。大男も片足突っ込んだ。
<あるいは激安の月給ででも、ここで骨埋めるか選べ!>
ブウ~と、車は走り去った。
「皆さん、ご覧のとおり。正面にそびえ立つは、医師会の反対をも押し切って進出した巨大なクリニック。往診関係でかつて当院とつきあいのあった先生が・・・正直ショックを隠しきれません」
オークナースらがそわそわと大勢立っている。
「ま、嘆いてもしょうがありません。当院の収益はここ1ヵ月でかなり落ち込んでいますし、挽回をはからないと。リストラが新たに発表され私も正直心苦しい。しかし小泉政権同様、痛みを伴う改革は必要です」
(無言。冷たい視線)
「ですがこちらも黙ってはいません。女医の桜田先生の他にもう1名の助っ人が新任で入ってくれまして。まだお目見えには・・・おかしいな。ここは心機一転をはかろうと・・・?」
シナジーの言葉が詰まったのは、何もユウ・大平が向こうからやってきた、つまり遅刻してきたことではなかった。
いきなり乗り付けてきた、黒い救急車だ。サイレンは回ってない。
「あの・・・・・」エンジンが止まる。
いきなりヤクザ風の大男が降りてきた。以前、トシ坊のケツを棒でねじった男だ。トシ坊は反射的に尻を隠した。その顔はどこか赤かった。
「(一同)うわあああ!」
「・・・・・・・」サングラスの向こうは見えない。
続いて降りて来たのは、例の会長だった。
「品川!」
「はい?」
「・・・・・・こりゃ、ちょうどいい。はっは!」
みな、ざわめきが起こった。
「怖がるな。助言に来た。私はもう、真珠会のオーナーではない」
詳細は違う。自らファンドに譲り、株主になった。
会長はマイクなしでも、声が通っていた。
「コンスタントに収益をあげていたとはいえ、となりのたかがクリニックに押されて利益が落ち込むとはなぁ」
大平は片手にさきほどのジュースをまだ持っていた。
「ユウ。大丈夫なのかここは?俺まだ来たばかりだぞ・・・?」
「借金でもせびりに来たのかな・・・?」
もとオーナーは主題に入った。
「当院、真珠会は本年度より、海外資本と手を組むことになった。ほれそこ、拍手してどうする。その海外ファンドの助言により、数々の病院を買い取ることに決めた!」
品川は腕組みした。
「足津のスポークスマンが・・・!」
会長は続けた。
「だが、貴院はもともとこちらとの付き合いがあるだけに、こちらとしても手荒なまねはしたくない」
トシ坊を棒でつついた大男が、拡声器を渡す。
<2週間以内に、ここを明け渡すことを勧める!その間、諸君らは次の職場に身を固めろ!その後は、当院のスタッフがここに結集することになる!・・・お前らの居場所はない>
松田クリニックのノルマ達成期限も、あと2週間。どうやら何か最後のイベントが起きそうな予感。
会長はすでに車。大男も片足突っ込んだ。
<あるいは激安の月給ででも、ここで骨埋めるか選べ!>
ブウ~と、車は走り去った。
コメント