朝7時。テンションがいったん下がり、うつろとしそうになったその矢先だ。
<救急搬送!来ます!>
アナウンスだ。
地下エレベーター付近、トシ坊が物品整理を終わってドクターカー後ろを出る。
「呼び出し順では僕だ。ザッキーはあとを頼む」
「はいよ」
「呼吸器は3台。残りはトレーラーが追いかける。なるべくはそこの病院の呼吸器をそのまま借りればいい」
「ですね」
トシ坊はダッシュし、地下エレベーター・・でなく、離れていくつか並ぶ小さなエレベーターへ。イスがあり、座る。
滑走台の上、同型のイスにすでに人が座っている。大平が張り切っている。
「眠らなくてもいけるぜ。たとえ48時間でも。100時間でもな!」
真横のイス、桜田が上目づかいに見る。恋をしている目だ。オークナースらは女だけに、気づいていた。
「ユウらの時代は、もう古いってことを教えてやるよ!」
桜田の向こう、トシ坊の椅子がせり上がった。
「人の陰口は、良くないんじゃないんですか?」
「陰じゃないぞ!」
大平の椅子が前傾した。ピーポー音がこだまする。
<大平先生。転倒に注意してください>田中が警告。
「早く!落とせってんだよ!」
イスのベルトがいきなり解除され、滑り台に落とされた。
「ととっ!ぬぬぬぬぬ!」
スキーヤーの格好で、彼はスイーッと走り始めた。
<救急車は3台。通常の救急。いずれも腹痛の集団発生。桜田先生お願いします>
桜田の汗が落ちると同時、ベルトが外れた。
「たっ!」
彼女は左足を前に右足を後ろに、ぎこちないポーズで。
日系人のピートが、大平の座ってた椅子に腰掛け。
「もう1波、くるぜ」
<内容不明の救急搬送。6台が接近中・・・>
「ほらな」
「いかにも」ひょろっとして頼りない眼科医(修業中)が、女医のいた椅子に着席。
<訂正します。訂正。10・・・12台!>
「おいでなすった!」
ピートは読んでいた本を振り払った。
「ユウ!あとは頼んだぞ!」
大平と桜田が玄関前を走る中、残り3人とも滑走を開始した。
正面の松田クリニック、玄関横に待機する大型バイク。近未来的なデザインのものが支給された。メンテナンス終了次第、発進予定。
ユウの乗るドクターカーもエンジンがかけられ、地下から地上へ向かうシャッターがゆっくりオープンしていく。運転手の田中は後部座席を振り返った。
「レディ?」
「ファースト・・・」
存続をかけた、対決の時が迫っていた・・・。
<救急搬送!来ます!>
アナウンスだ。
地下エレベーター付近、トシ坊が物品整理を終わってドクターカー後ろを出る。
「呼び出し順では僕だ。ザッキーはあとを頼む」
「はいよ」
「呼吸器は3台。残りはトレーラーが追いかける。なるべくはそこの病院の呼吸器をそのまま借りればいい」
「ですね」
トシ坊はダッシュし、地下エレベーター・・でなく、離れていくつか並ぶ小さなエレベーターへ。イスがあり、座る。
滑走台の上、同型のイスにすでに人が座っている。大平が張り切っている。
「眠らなくてもいけるぜ。たとえ48時間でも。100時間でもな!」
真横のイス、桜田が上目づかいに見る。恋をしている目だ。オークナースらは女だけに、気づいていた。
「ユウらの時代は、もう古いってことを教えてやるよ!」
桜田の向こう、トシ坊の椅子がせり上がった。
「人の陰口は、良くないんじゃないんですか?」
「陰じゃないぞ!」
大平の椅子が前傾した。ピーポー音がこだまする。
<大平先生。転倒に注意してください>田中が警告。
「早く!落とせってんだよ!」
イスのベルトがいきなり解除され、滑り台に落とされた。
「ととっ!ぬぬぬぬぬ!」
スキーヤーの格好で、彼はスイーッと走り始めた。
<救急車は3台。通常の救急。いずれも腹痛の集団発生。桜田先生お願いします>
桜田の汗が落ちると同時、ベルトが外れた。
「たっ!」
彼女は左足を前に右足を後ろに、ぎこちないポーズで。
日系人のピートが、大平の座ってた椅子に腰掛け。
「もう1波、くるぜ」
<内容不明の救急搬送。6台が接近中・・・>
「ほらな」
「いかにも」ひょろっとして頼りない眼科医(修業中)が、女医のいた椅子に着席。
<訂正します。訂正。10・・・12台!>
「おいでなすった!」
ピートは読んでいた本を振り払った。
「ユウ!あとは頼んだぞ!」
大平と桜田が玄関前を走る中、残り3人とも滑走を開始した。
正面の松田クリニック、玄関横に待機する大型バイク。近未来的なデザインのものが支給された。メンテナンス終了次第、発進予定。
ユウの乗るドクターカーもエンジンがかけられ、地下から地上へ向かうシャッターがゆっくりオープンしていく。運転手の田中は後部座席を振り返った。
「レディ?」
「ファースト・・・」
存続をかけた、対決の時が迫っていた・・・。
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