新玄関から、助手の集団が出てきた。
「手伝え!おーい手伝え!」
どうやら、倒れている大人数の救護要請だ。
さらにそこへ、ベッドが1台ずつとめどなく入っていく。
人手は十分足りるようになった。
ユウはバイクのまま、戦闘機のようにグワッと周回した。
「ひどい・・・」
散らばったテントのほか、放置されたガーゼやタオル、それらにすべて血液や注射液などが付着している。物品も針が乱れて散乱しており、数日もの大掃除が必要だ。
中でも、比較的新しいと思われる出血の跡も。ノナキーが吐いたものだ。
「吐血か、喀血か・・・」
自分の鼻をぬぐう。やはり、血液は垂れ流されたまま。止まったと思っても、また流れてくる。
ガリガリ、と踏みつける使い古したチューブ類。微動する段差を気にすることなく、ユウは新玄関へと針路を向けた。シナジーが携帯より。
<ザッキー先生は意識がぼやけてますが、大丈夫とのことです>
「ああ・・・」
<桜田先生は重体で、野中先生もこれから緊急内視鏡を>
「・・・・・」
<大平先生がいないんです・・・>
ユウは振り向いた。
「・・・俺も探してる・・・」
また前を振り向いたところ、前輪に違和感を感じた。
「針でも踏んだか?」
ガクンガクン、と大きく揺れ始め、危険を察する前に飛び降りた。
その際、横でうごめく影で分かった。
「大平!」
バイクはその場で痙攣するように、ウインウインともがき回った。
そこへさらに、雷のような電撃が斜め後方から打ち落とされた。
「うわっぷ!」
ズドーン!とバイクの後方が爆発し、タイヤに刺さっていた針がヒュヒュンとあちら方向に飛んだ。
「大平に、電気女・・・!」
携帯が鳴る。受けるどころではないが癖で受けた。
「シローか!」
<先生。先生・・・>
「トレーラーの中か!」
静まったトレーラーは、依然エンジンも切られたまま。
<先生。狙われています!>
「し・・知ってる!」
周囲、煙のような演出のためよく分からない。パリ、だとかシャリ、だとかいう音が自然的な音なのか人為的なそれなのか。
<先生。警察には詳細に連絡しました。ですので>
「大阪の警察が、頼りになるものか!」
とにかく怖くなり、ダッシュで駆け出した。
シローはトレーラー内で、いきなり頭を殴られた。
「あたっ!」
「誰に!誰に連絡していた?」マーブルが鼻息を吹きかけた。
携帯をもぎとる。
「<1>?誰の短縮だこれはぁ?」
「・・・」
「ま、<1>っていうくらいだからな。お前に一番近い人物といえば・・・」
マーブルは、コンテナ横のハッチを1つ手動で開けた。
「・・・・ユウ!やはり貴様か!」
マーブルはその携帯で、覚えてる番号をかけた。
「大平!ユウがこっちに来る!倒せるんだろうな?」
「くそっ!」シローは体当たりし、携帯が落ちた。
「なにっ!シロー!」
シローは布団を持ったまま窓側へ突っ走り、ハッチのほうへ飛び込んだ。
ユウは走りつつ、ハッチから地面へ落ちてくるシローを目撃した。
「ああっ!あぶねえ!」
間に合うはずもなく、シローはトレーラー横でバウンドした。幸い、布団で弾んだようだ。ユウは開いたハッチを見て、反射的に目指しにかかった。
「元はといえば!マーブルらの野郎が!」
ユウの後ろ、忍者のようにタタッとかがんだ大平がストローを2つ咥えシャシャ!と2連射。カンカン!とコンテナ壁で跳ねかえった。
「チッ!」
ユウは開いたハッチ前に来た。
「シロー!四つん這いになれ!」
「ははい!」
背中を蹴り、両腕がハッチ内に飛び込んだ。内側にのめり込む。
「ぐう!」
「来るなよ!」マーブルの焦った声。
上半身が入りかけたところ、マーブルはリモコンを落としそうに両手でアタフタする。
「潰してやる!」
「!」殺気を感じ、あらかじめ胸ポッケの打腱器を、ブウンと投げた。
「わたっ!」当たらずともマーブルがビビって、リモコンを落とした。
「手伝え!おーい手伝え!」
どうやら、倒れている大人数の救護要請だ。
さらにそこへ、ベッドが1台ずつとめどなく入っていく。
人手は十分足りるようになった。
ユウはバイクのまま、戦闘機のようにグワッと周回した。
「ひどい・・・」
散らばったテントのほか、放置されたガーゼやタオル、それらにすべて血液や注射液などが付着している。物品も針が乱れて散乱しており、数日もの大掃除が必要だ。
中でも、比較的新しいと思われる出血の跡も。ノナキーが吐いたものだ。
「吐血か、喀血か・・・」
自分の鼻をぬぐう。やはり、血液は垂れ流されたまま。止まったと思っても、また流れてくる。
ガリガリ、と踏みつける使い古したチューブ類。微動する段差を気にすることなく、ユウは新玄関へと針路を向けた。シナジーが携帯より。
<ザッキー先生は意識がぼやけてますが、大丈夫とのことです>
「ああ・・・」
<桜田先生は重体で、野中先生もこれから緊急内視鏡を>
「・・・・・」
<大平先生がいないんです・・・>
ユウは振り向いた。
「・・・俺も探してる・・・」
また前を振り向いたところ、前輪に違和感を感じた。
「針でも踏んだか?」
ガクンガクン、と大きく揺れ始め、危険を察する前に飛び降りた。
その際、横でうごめく影で分かった。
「大平!」
バイクはその場で痙攣するように、ウインウインともがき回った。
そこへさらに、雷のような電撃が斜め後方から打ち落とされた。
「うわっぷ!」
ズドーン!とバイクの後方が爆発し、タイヤに刺さっていた針がヒュヒュンとあちら方向に飛んだ。
「大平に、電気女・・・!」
携帯が鳴る。受けるどころではないが癖で受けた。
「シローか!」
<先生。先生・・・>
「トレーラーの中か!」
静まったトレーラーは、依然エンジンも切られたまま。
<先生。狙われています!>
「し・・知ってる!」
周囲、煙のような演出のためよく分からない。パリ、だとかシャリ、だとかいう音が自然的な音なのか人為的なそれなのか。
<先生。警察には詳細に連絡しました。ですので>
「大阪の警察が、頼りになるものか!」
とにかく怖くなり、ダッシュで駆け出した。
シローはトレーラー内で、いきなり頭を殴られた。
「あたっ!」
「誰に!誰に連絡していた?」マーブルが鼻息を吹きかけた。
携帯をもぎとる。
「<1>?誰の短縮だこれはぁ?」
「・・・」
「ま、<1>っていうくらいだからな。お前に一番近い人物といえば・・・」
マーブルは、コンテナ横のハッチを1つ手動で開けた。
「・・・・ユウ!やはり貴様か!」
マーブルはその携帯で、覚えてる番号をかけた。
「大平!ユウがこっちに来る!倒せるんだろうな?」
「くそっ!」シローは体当たりし、携帯が落ちた。
「なにっ!シロー!」
シローは布団を持ったまま窓側へ突っ走り、ハッチのほうへ飛び込んだ。
ユウは走りつつ、ハッチから地面へ落ちてくるシローを目撃した。
「ああっ!あぶねえ!」
間に合うはずもなく、シローはトレーラー横でバウンドした。幸い、布団で弾んだようだ。ユウは開いたハッチを見て、反射的に目指しにかかった。
「元はといえば!マーブルらの野郎が!」
ユウの後ろ、忍者のようにタタッとかがんだ大平がストローを2つ咥えシャシャ!と2連射。カンカン!とコンテナ壁で跳ねかえった。
「チッ!」
ユウは開いたハッチ前に来た。
「シロー!四つん這いになれ!」
「ははい!」
背中を蹴り、両腕がハッチ内に飛び込んだ。内側にのめり込む。
「ぐう!」
「来るなよ!」マーブルの焦った声。
上半身が入りかけたところ、マーブルはリモコンを落としそうに両手でアタフタする。
「潰してやる!」
「!」殺気を感じ、あらかじめ胸ポッケの打腱器を、ブウンと投げた。
「わたっ!」当たらずともマーブルがビビって、リモコンを落とした。
コメント