大学医局人事から離れる人は増えている。ドクターバンク登録も多いが、これら業者に登録すると後が大変な部分もある。いきなりの転勤を半分強要されたり、長距離引越しを迫られる可能性もある。業者にとって医者は商品。それを実体のないワンフロア事務所で、大してキャリアもない人たちがやっている。マージンで食うしかない人種だ。正直、勧められない。
それはおいといて、それ以外・・つまり個人で病院に面接する際。前にも話題で出したが、まず<末端>が交渉に出てくる。経営側の立場で話す。
まず経営側が押さえたいのは、ローコストであること。義務的な契約を早めに飲んでもらうこと。嫌がらせではないが、医師が去った理由の背景には<無理な勤務>があり、うやむやのうちにでもハッキリさせたい。
この最重要課題を決めるにあたっては、現場の人間ではかえってまずい(核心をついた即答を求めらた場合に不利)。なので現場から遠い<末端>が便利。末端は前もって<これ以上出せない>という提示額、<これは絶対やらせろ>という命令が下される。
不思議と末端は食らいつく。理由はジャパニーズドリーム。すなわち一攫千金だ。
もちろん末端にはやらせる権限などないため、内心は<あわよくば>の心境で臨む。そのドクターについては情報収集がしてある。MRや職場のパラメディカル経由が大きい。妻帯者などは家族構成、車、子供の教育内容もポイントだ。前の年収、性格なども調査済みだ(もちろん簡単に調べられる)。
で、この<あわよくば>交渉で当然のように問題が発生すると、面接場所から出た時点でこの末端から経営者へダイレクトな携帯電話報告が入る。「これはいけて、これは難色示してました」というものだ。
そこで経営者が1歩譲るかどうするかは個人差。ただ、末端が受けた印象がダイレクトに伝わるので、面接を受ける側は決して安心感を与えてはいけない(発言含めて)。それと余分な情報も与えてはいけない。「まあいいですけど」これは禁句!
そして次の面接で、聞こう。「どう、おっしゃってました?」と。それでもかなり不利なものなら、ちょっとキレて動揺させよう(丁寧語で喋っておきながら、途中で<なに?>などと挟む)。性格の悪いやり方だが、相手の会話のペースを乱すのは、腰を折ってリセットするのが一番だ(動揺した人間は、つい思わぬ有益な情報を漏らすこともある)。
やはり渡辺謙のほうがいいか。
「拙者、そちらの提示する条件にて思うところ誠に遺憾であり余りにものお言葉、現在の医療状況厳しいものと相まみえるも(?)、これまで極貧ならびに戦火永劫飲まれていた者としてはそのストレス胃に潰瘍を発生させるほど余りあり、これ従って病院への奉仕どころか体調の異変を来すものなり今一度再交渉を望むところでござりまするこれも武士の情けがあってこそ」
お前が情けをかけて、どうすんだ!
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