急性増悪

2009年9月1日 連載
 基礎疾患が悪化したとき、<急性増悪>と呼ばれる。基礎疾患というのは今持ってる病気ということになるが、治った過去の病気つまり既往歴の情報も重要になる(特に結核など)。

 内科医の自分が、見渡してよくみかける急性増悪は・・・

 まず入退院を繰り返していることが多く(増悪してるからなのだが)、

 基礎疾患としては

① 肺疾患;特に肺気腫
② 心疾患(慢性心不全);中でも心臓の収縮力が悪い人、進行した弁膜症の人。
③ 腎不全

 が多い。では何による増悪が多いかというと、やはり<感染>。インフルエンザかどうかいう以前に、感染だ。その最たるものが肺炎。肺炎は肺がレントゲン上一部白いわけだが、①体の化学物質との戦争で炎症が全体に及んだり(ARDS)、②肺疾患、低栄養、腎不全や止むを得ない過剰な点滴からくる心臓への負荷による水の貯留で(心不全)、いずれもレントゲンの肺が全体的に白くなる。白い所以外が呼吸をする部分と考えると、余計不利な状況が続く。呼吸にダイレクトに関係する部分だけに、死につながる。

 なら、やはり急性増悪させない、予防的<予感的な考えがやはり重要だと気づく。熱は出てないか。家族は何か気付いてるか。体重は変わってないか。それ以前に、タバコで肺が汚染されてないか。吸う人は周囲まで汚染してるから、基礎疾患を他人に分からないように植え付けていることになる。きわめて悪質だ。酒や食事面でも同じく考えられないことはない。悪い習慣は何の罪もない孫の代まで感染しやすい。

 増悪したとき、主治医が(隠れて)けっこうつぶやく言葉。

「あ~・・・この時だ。この時に来てたらなあ・・・」




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