自分の悩みの1つに、<名作>の価値が分からない・理解できないというものが挙げられる。絵にしても、本にしても、映画でさえも。歌舞伎はさっぱり分からん。舞台ミュージカルも抵抗あり。あくまで、ここだけの話ということで。
自分に気に入ったものが名作、それはそれでいいのだが、実際いろんな場所でいろんな人と出会う際、一通りおさらいしておきたいものもある。
ただ最近、少しずつだが・・・自分の価値観で「これはひょっとして、凄いのではないか?」と感じて実際それが名作であると、妙に嬉しい。最近では黒澤作品に、この「8 1/2(はっかにぶんのいち、と読むらしい)」。
主役は冒頭からダルそうな映画監督が主役(自伝らしい)。慣れない人間関係をこなしつつ、ダルいダルい、とこぼす。ついに現実逃避に走り、エゴ丸出しの内面までむき出しに。説明描写も不要になり、こちらもいつしか共感・共鳴を抱くようになる。
思った事を素直に画面に投影する主役・・・刑事役のメルギブのようなアメリカンなあざとさとは、全く別次元のものだった。
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