落とし穴

2009年9月15日 連載

 いつぞやの(内科)医局の会話で、発見の遅延経験(発見時、すでに進行状態にあった)がある疾患。

① 乳癌 ・・ ふだん、ノーマーク。たまの腫瘍マーカーくらい。これの検診は(内科系正常でも)絶対受けてほしいとの声。

② 胆管癌・膵臓癌 ・・ 腹部エコーの胆管の拡張に気づいたときには・・・との声。

③ 肝臓癌 ・・ 飲酒やB・C型ウイルスありでなくとも、起こりうるとの声。やはり通常の検診で受けときたい。造影検査までするかどうかもケースごとに課題。

④ 胃癌・・ 胃バリウム・胃カメラ以外の検査が正常でも、初期病変の可能性は否定できないとの声。検診でバリウムない人はそれで安心はせずに。

⑤ 大腸癌 ・・ 中年女性で便秘なら、便と腫瘍マーカー正常でも検査すべきだったとの声。

⑥ 肺腺癌 ・・ 教科書どおり、タバコを吸わない女性にも多い。最初はパチンコ玉のような影に出会うことがあるが、水が貯まってからの発見だと治療がまた異なる。つまりタバコ吸わなくても肺は見ておいて損はないという声。

⑦ 喉頭癌 ・・ この部位もある意味、暗黒大陸。喫煙者が多いので、痰が多いような人は呼吸器だけでなく耳鼻科にも通わせようという声。

⑧ 悪性リンパ腫・縦隔腫瘍 ・・ CTの際、偶然見つかることも。そういう意味では、画像は二重所見チェック体制(主治医と放射線医師、あるいは主治医と別医師)を重視したいとの声。

 やはり、消化器系が圧倒的に多いと思う。呼吸器・循環器では非侵襲的な検査から、比較的ヒントが揃うように思われる。

 確かに人間ドックは有益だ。だが働き盛りだとなかなか暇がない。僕らはせめて、受けたほうがいいと決めた患者に本当に受けてもらうよう勧めるしかない。

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