適当三郎の部屋。電話が鳴る。

「もしもし・・・・ああ。本田さんですか!」ガバッと飛び起きる。
『実は明日、頼みたいんだが』
「送迎ですね。ですが明日は・・・」

 カレンダーを見る。明日は<追試>。留年がかかっている。
「確かに運転は僕しかできないですが、明日はちょっと・・・」
『なんだと?』
「いえあの。できます。なんとかします」
『家族が急用なんだ!なんとかしろ!ガチャ』

受話器を見つめる適当。
「そんな。おこんなくったって・・・」
「誰?」

横で寝ていたマリコが裸で起き上がる。
「ねぇだ~れ?オンナ?」
「違うよ。男だよ」
「男が趣味なの~?」
「なわけないだろ。お前さ。もう帰ってくれないかな」

下着を投げられる。
「あたしがパーな私立の女子大ってことで、馬鹿にしてない?」
「してないさ」
「抱いたら用済み?」
「成り行きだよしょうがねえだろ?」

裸のまま、カーテンをぐるぐる巻きに隠れる。

「何よ介護介護って。正義感ぶって陰で女たらしこんで」
「介護と女は別だ」
「あたしだって、いたわって欲しいわ?」
「お前はまだ若いだろ?介護する側じゃねえかよ」
「んもう。女だって介護されたいの!」
「だから。昨日たっぷり奉仕させていただきました!これでいいだろ?」

適当はカーテンを巻き解き、抱きついた。
「何するの!」
「その3万はなあ!」
「あたし、とってないよ!」
「とったって!見せろ!」

やはりマリコは3万を握り締めていた。

「アブねえ。オレの血と汗の結晶が」
「いいじゃん。これから死ぬほど稼ぐんでしょ」
「稼いで死んだらどうするよ。そんな将来だったらな、なおさら欲しいんだよ」
「同じ服、毎日着る生活なんてイヤ」
「だったらな。国に保護してもらえ」

マリコは何を思いついたか、微笑んだ。
「あそっだ~」
「なんだ?オレはこれから出かけるんだよ。友達に相談するんだ。明日のこと」
「(聞いてない)そうそう。三郎君に主治医になってもらって、うその診断書書いてもらおっと!」
「あほ」
「ねぇねぇ。お金ちょうだい、お金。でないと誰かに介護してもらうからぁ~」
「お前は介護される資格ないね」
「なんでぇ?じゃあ何?」

スタスタ、と歩き出口へ。

「要<支援>って感じだな」

エーーーーーッ?リィーーーーー!





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