⑯ 悩み、話せますか
2010年4月28日 連載 コメント (2) 林檎らは事実上、介護のアルバイトを解雇された。バカ井はいつもの収入源である塾のバイトに精を出す。
生徒はみるみる減っていき、3人に。
「じゃあ、できたら手を挙げるように」
「わけないぜ」コナン坊は優秀だった。
「君。塾になんて来なくていいんじゃないか?」
「先生。何かあったんだろう?」
「あ?ああ。そこはまあ。大人の事情というか」
バカ井は咳払いをし、肩を落とした。
「じゃ、もう終わろうか・・・」
コナン坊が残って立っている。
「悩み、聞こうか?」
「子供に、大人の気持ちなんか」
「意外と、答え出せるかもよ」
「実は・・・介護のアルバイトをしたんだ。お金持ちの家の。リハビリで転倒してね。これは急だと思い病院へ運んだら大したことなくて。いい迷惑だって。大げさだって言われて」
コナン坊はしばらく考えた。
「ふーん。たぶんさぁ、家族の人、そのじいさんの遺産をあてにしてるんじゃないかな?」
「ゆ、裕福な家だぞ?」
「でもさあ、それは先生がそう思っただけで、そう思ってたってことは、ミエ張った生活を見せてるだけかもしれないじゃん」
バカ井は汗が流れた。
「じゃ、じゃあじいさんが金持ちで何だその・・・息子が借金してるとでも?」
「きっとそうだよ。短気そうだしギャンブルしてスってるよ」
「早く死んで欲しいとでも、思ってるのかな」
「病院にかつぎこまれても、家族の負担でしょ多分。たぶん、本当にほっとかれるよ」
バカ井は妙に感心したが、最後の言葉の意味を逃した。
「子供とは思えないな・・・」
「ねぇねぇ。僕の悩み聞いてくれる?」
「ああ」
コナン坊は変わった道具で、周囲に人がいないのを確かめた。
「・・・じゃあね。言うよ。実はうち、親が厳しいんだ」
「親は厳しいほうがいいよ」
「毎日遅くにね。仕事から帰ると部屋をチェックするんだ」
「君の部屋?そこに何が?」
「やだなぁおじさん。エロ本に決まってるだろ」
バカ井は何だそれかと思った。思わず万歳するところだった。
「どこに隠してるの?」
「おじさんはいいね。1人暮らしで」
「ば、ばか。1人暮らししたらな、彼女がいて当たり前なんだよ。エロ本なんて、高校で卒業だ!」
コナン坊は続ける。
「本が増えすぎて、机の上にまとめて置いてるんだ。もらってくれない?」
「い、いいけど」
「じゃあ、家まで来てよ。僕が運び出すと怪しまれるだろ?」
バカ井は時計を見上げた。
「ご両親は、まだ帰ってないの?」
「ちょうど塾が終わった頃に・・・まさか!やはり!」
「は?」
「きっと!なに!ついに!」
コナン坊は固まった。
「すなわち!しかし!もしも!」
時計は、終業をとっくに過ぎていた。夢中で話したからだ。
コナン坊は玄関の外へダッシュした。
「見つかる!見つかる!」
「なんでまた、机の上に置いたままで!」
「塾の時間になったから仕方なく来たんだよ!」
「そこまで僕の授業を?」
「だって!だって僕、先生みたいな医者になりたいもん!」
バカ井は単純に鳥肌立った。
「君は何者?」
「エロ川・・そんな場合じゃない!」
「なら急いで行こう!でも両親に見つかったらな、そのときゃ先生が助けてやる!ええっとタクシーはと」
コナン坊はスケボーを立て、地面に突き当てた。
「乗って!」
「エーーーーーーーーッ?」
ギュウウゥゥゥーーーーー!(噴射音)
生徒はみるみる減っていき、3人に。
「じゃあ、できたら手を挙げるように」
「わけないぜ」コナン坊は優秀だった。
「君。塾になんて来なくていいんじゃないか?」
「先生。何かあったんだろう?」
「あ?ああ。そこはまあ。大人の事情というか」
バカ井は咳払いをし、肩を落とした。
「じゃ、もう終わろうか・・・」
コナン坊が残って立っている。
「悩み、聞こうか?」
「子供に、大人の気持ちなんか」
「意外と、答え出せるかもよ」
「実は・・・介護のアルバイトをしたんだ。お金持ちの家の。リハビリで転倒してね。これは急だと思い病院へ運んだら大したことなくて。いい迷惑だって。大げさだって言われて」
コナン坊はしばらく考えた。
「ふーん。たぶんさぁ、家族の人、そのじいさんの遺産をあてにしてるんじゃないかな?」
「ゆ、裕福な家だぞ?」
「でもさあ、それは先生がそう思っただけで、そう思ってたってことは、ミエ張った生活を見せてるだけかもしれないじゃん」
バカ井は汗が流れた。
「じゃ、じゃあじいさんが金持ちで何だその・・・息子が借金してるとでも?」
「きっとそうだよ。短気そうだしギャンブルしてスってるよ」
「早く死んで欲しいとでも、思ってるのかな」
「病院にかつぎこまれても、家族の負担でしょ多分。たぶん、本当にほっとかれるよ」
バカ井は妙に感心したが、最後の言葉の意味を逃した。
「子供とは思えないな・・・」
「ねぇねぇ。僕の悩み聞いてくれる?」
「ああ」
コナン坊は変わった道具で、周囲に人がいないのを確かめた。
「・・・じゃあね。言うよ。実はうち、親が厳しいんだ」
「親は厳しいほうがいいよ」
「毎日遅くにね。仕事から帰ると部屋をチェックするんだ」
「君の部屋?そこに何が?」
「やだなぁおじさん。エロ本に決まってるだろ」
バカ井は何だそれかと思った。思わず万歳するところだった。
「どこに隠してるの?」
「おじさんはいいね。1人暮らしで」
「ば、ばか。1人暮らししたらな、彼女がいて当たり前なんだよ。エロ本なんて、高校で卒業だ!」
コナン坊は続ける。
「本が増えすぎて、机の上にまとめて置いてるんだ。もらってくれない?」
「い、いいけど」
「じゃあ、家まで来てよ。僕が運び出すと怪しまれるだろ?」
バカ井は時計を見上げた。
「ご両親は、まだ帰ってないの?」
「ちょうど塾が終わった頃に・・・まさか!やはり!」
「は?」
「きっと!なに!ついに!」
コナン坊は固まった。
「すなわち!しかし!もしも!」
時計は、終業をとっくに過ぎていた。夢中で話したからだ。
コナン坊は玄関の外へダッシュした。
「見つかる!見つかる!」
「なんでまた、机の上に置いたままで!」
「塾の時間になったから仕方なく来たんだよ!」
「そこまで僕の授業を?」
「だって!だって僕、先生みたいな医者になりたいもん!」
バカ井は単純に鳥肌立った。
「君は何者?」
「エロ川・・そんな場合じゃない!」
「なら急いで行こう!でも両親に見つかったらな、そのときゃ先生が助けてやる!ええっとタクシーはと」
コナン坊はスケボーを立て、地面に突き当てた。
「乗って!」
「エーーーーーーーーッ?」
ギュウウゥゥゥーーーーー!(噴射音)
コメント
しかし面白いだけでなく笑いの中にもふと考えさせられる一面が・・・勉強になります。
リンクさせていただきました。よろしくお願いいたします。