先せいは、とりかごからおろしてくれません。なにか、りゆうがあるようです。
「だれか、やってくれないかな。かんりかいせつしゃ」。
いしゃはだれも、へんじをしません。
「病いんを、うりました。入いんのかんじゃさんも、よなかのうちにうつりました」。
先せいのしゃっきんがふくらみ、病いんはもうやっていけなくなったのです。
「ああ、あとひゃくまんあれば、かてたのに。かてたのに。じんけんひをだしすぎた。だしすぎた」
くやんでも、おかねはもどりません。でも、よこであくまがささやきました。
「先せい。だいじょうぶです。これからは、ちがうびょういんで、はたらいて。それで、かえしてくれたらいいのです」。
「そうだね。でもかてでひばくはもうやだ。じゃあ、きょうさくどそくてい<とばく>でもしようかな」。
こりない、先せいでした。
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