講演会で聞いた話も含めて。

 PADが血管系の病気でも、整形外科を受診するのは悪くない。鑑別する疾患としてLSS・・腰部脊柱管狭窄症・・があるからだ。もちろん整形の医者の頭にPADがなければ、容易に腰部脊柱管狭窄症と診断されてしまう。治療薬も両方に聞く薬(PGE1)があるため、結果的には収束していくようにも見える。

 だが血管病変の進行は深刻で、血管拡張しても動脈硬化を止められるわけではない。究極、血管が閉塞されて「なんじゃこの紫の冷たい足は?」となる。

 なので鑑別はめんどくても(おい)日頃から心がけたいと思った。簡易な鑑別としては・・双方とも歩くと下肢の痛みで歩行を中断するが、LSSは前かがみで楽になる特徴があり(姿勢で神経圧迫とれる)PADは歩くのをやめるだけで楽になる(血の流れゆるやかに)。この落差が大事。

 足の診察で末梢の動脈触知はつい足背でしがちだが正確さに関しては、後脛骨動脈(くるぶしの後ろ)にはかなわない。

 それにPADの背景には虚血性心疾患や脳梗塞の既往がある(2人に1人とのこと)。PADには前科もちが多いということだ。

 こうなると、内科側としては動脈硬化ありそうな人は心電図のついでにABIをやって、数値が低ければ(0.9以下なら)MRAの予約にもっていく習慣としたいものだ。症状なしのPADが症状ありの3-4倍だから、早期発見はやりがいだ。

 ただし、LSS自体にもPADの合併も5-26%あるようだ。動脈硬化が進行する運命のものと考えると、両者は併存する可能性があると疑ってかかるのも必要。LSSの人も、やがてはPADを合併していくおそれがあるってこと。

 そう考えると、月1回5分の診察では何の意味があるのかと思ってしまう。3か月処方の病院だってある。ならば、患者側も最低限の自己診察を習ってでもいんじゃないか。Wii-Fitとかで開発してくれよ。心電図やABIの標準装備を!

 

 

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