この時期、気を付ける症例 ②
2011年10月12日 連載右腹痛。最初は、みぞおちの痛みが先行することが多い。虫垂炎かどうかの鑑別のためCTを撮る。憩室炎か、それ以外のものか。女性だと付属器炎も鑑別の対象(内科・外科医がこれを当てるのは困難)。
夜間だと採血だけに頼りがちな医者もいるが、採血だけでは見分けられない。のでさっそくCT。腹部超音波の本では虫垂の描出をとかいうが、必ず描出できるものではないし実際あまりやらない。
やはりCTの虫垂領域における「うっすらとしたlow density area(低吸収域)」が決め手。CRP(炎症反応)も重要だが、それよりもWBCの数。内科が外科に申し送るときに最重要。
若年女性で、虫垂炎も憩室炎も否定的な場合どうしても付属器炎つまり婦人科疾患も考える。内科医の当直医は、こういうのを外科なしで判断しなきゃならないときがある(こういうとき外科の友人がいれば神)。
腹痛で受診する人は、食べてこないように。食べたら画像が粗くなり診断がしにくい。吐けとまでは言ってない。
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