夜10時、消えたはずの同志らがまた1人、また1人と詰所に入ってくる。ある者は医局、ある者は食事、ある者は風呂だった。地元民はこういう点で有利だ。実家がなんでもしてくれる。

 さて10時以降、分厚い本を座右に置いての沈黙試合。音のない世界。用のない前頭葉。たまの雑談。されど雑談に過ぎぬ。

 重症患者を行き来する。尿が出ない。血圧が上がらない。なぜか、どうしてか。何とかならないのか。疑問は模索へと変わり、思考の袋小路、嘆き、祈りへとも昇華される。その姿はとどまるところを知らない。

 やがて疲れ果て、モニター音の子守唄へ。たまにヌッと起き、重症部屋へ。院内でも携帯コールは平気。イライラ君は損をする。やるべきことは結局同じだから。

 時代は世間より取り残されつつも、無情に2時、3時へと超越していく。


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