関東風医師が見て思うこと
2012年1月15日 連載関東からの先生が来ると、まずその喋りセンスに関西人が驚く。関西人は愛想で機嫌取りながら喋るが、関東人はそうではない。
「いえ、僕はそう思いませんが」
「それは必要だとあなたが思うなら、自分は構いませんけど」
こういうのに、関西人は「ナニッ」となる。「ザ・シェフ」の味沢をみるといい。
『ご用件は何ですかな?』『私の知ったことではない』
医師やナースらはそれもいい持ち味として慣れていくけれども、トラブルは多発することが多い。患者・またはその家族の話だ。
関西の家族が詰所に寄って「先生から話が聞きたいのですが」と非・具体的によく要望する。非・具体的。これが関西なのだ。「どうなってんねや」というわけだ。
関西風医師なら「そうやえ。まずは・・・」と順を追ってサービス的に説明するが、自分の知ってる関東医師らはみなこうだった。
「はい。話があるとは、何に関しての話ですか」
「どうなのかなと思って」
「いや、どうかなって。今は治療中で、判定がまだできてないんですけど」
「いや、今の先生がどう思ってらっしゃるか」
「それは分からないでしょう。結果も出てないのに」
「病気の状態は・・・」
パラパラ、とカルテの前ページ。
「ほら。この前、あなたに説明してます。病名はこれ。状態はこれ。次の判定がこれ。今話してくれと言われても、話せません。だっていきなりあなたが来るんだから」
ここで、家族は「ナニッ」と思う。この「あなた」に。
したたかな関西人は、ナニッ・レセプターをたくさん表面に出している。親しみのない人間にほど向けられ、時間の問題でそれに何かが引っ掛かる。
しかし、家族も動揺して思わぬ質問が出たりする。
「家族としてはね。一刻も知りたいんです」
「あなたが知りたくても、分からないことは分からないんです。そうしか言いようがないでしょう。違いますか?」
「(ナニッ)」
そこで、長男とかが登場する。関西の長男は手ごわいぞ!
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