起きやすいトラブル(当直する若い医師へ)
2012年1月28日 連載重症患者が多い時期。当直が暇な病院でも、この時期だけは不眠になりがち。たとえば1年も当直業務をしていれば、軽症の訴えといえど<本物>に遭遇することがあってもおかしくない。不思議と、症例は確率のように当たってくる。まれなものは、まれ。されど、まれ。
よくあるトラブルというのは、当直医師と事務当直の間のもの。救急車は電話がまず入って医師が判断するが、ときに<駆け込み>がある。病院の外のインターホン、あるいは病院事務の窓口で「診てもらえませんか」と声がかかる。
しかし当直医もふつうオールマイティではないので、その訴えによっては正直責任が持てない。なので診断が遅れたり誤診したりで、患者の不利益につながりそうな場合は、やはりお断りすることになる。
ところが病院によっては事務が自動的に<受付>をしてしまい、そのあと医師に電話するパターンの病院もある。通常、医師はまず診てみるわけだが(その上で診れるかの判断でもいいと思うが)、中には「ちょっと待て?なんで受けたんだ?無理だってそれ」と当直医師が取り乱す場面がある。
たとえば、新米の内科の医師に「骨折したかどうか見てください」というような。
しかし受付はもうしてある。ここで医師が電話で「診ない」と言って、結果的に患者が怒って他院へ行くとする。ところが他院へ行く間に重症化してしまう。
実際、これで訴訟になったケースがあった(背部痛を断って、他院への途中で大動脈解離)。
なので・・・当直業務に入るけども自信のない医師は、こういったところも確認しておいたほうがいい。
コメント