① 30代男性、肥満で息切れ。喘鳴あり。

 ⇒ 医師、喘息と診断しステロイド点滴。採血結果待たずして呼吸困難が増悪。人工呼吸器管理へ。

 ⇒ 実際は、糖尿病あっての心筋梗塞・心不全だったケース。最近は30代でも心筋梗塞は念頭に入れるべき。

② 40代女性、精神疾患あり。パニック発作と血圧上昇。

 ⇒ 暴れぎみのため鎮静剤、降圧剤。モニターなく、ナース訪室時に呼吸停止。

 ⇒ 実際は、くも膜下出血。精神疾患にとらわれてしまったケース。

③ 60代男性。数日間の倦怠感にて受診。食事もろくにとってない。診察でこれといった特徴なし。情報もなく、わがまま。検査はいやだから点滴してまた明日来ると約束。

 ⇒ 患者の希望に合わせ、点滴。約束もつかの間、夜間に徐脈で搬送。

 ⇒ 高カリウム血症。病気(腎不全)は患者がよく知らず報告してなかったわけだが、見落とした理由にならない。さっきいったん帰ったのは、脱水の部分が改善されただけだった。

④ 50代肥満女性。呼吸困難。

 ⇒ 医師、心電図で陰性Tにて即座に心筋梗塞と診断、採血待たずして心臓センターへ紹介。酸素全開でも飽和度上昇なし。

 ⇒ 心筋梗塞でなく、肺血栓塞栓症。たしかに心電図の所見はそれだが、超音波などで正しく診断。

⑤ 60代男性、肩の痛み。

 ⇒ 医師、鎮痛剤を処方。痛みが日々増すとのことで、平日のMRIを予約し帰宅。1時間後に死亡。

 ⇒ 実際は、大動脈の解離が枝→本幹に及んだもの。非常にやらしいパターン。訴訟となったが結果は知らない。

 

 ・・・ いずれのトラブル、誤診も医師の未熟さというより、可能な検査を怠ったことによる鑑別の失敗、が原因として大きい。それと背景の見落とし。不自然さの見落としでもある。

 日頃、自己満足で診療していると陥りやすい(開業医の当直業務とかね)。



 



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