NHKのトーク番組がたまにある。20-30代の男女でほとんどが実業家。主張が強く斬新的で、とにかく回転が速い。言葉がぶつかっても喋りつづけるその気迫。執念。

 医局会や講演会でも、雄弁な医者は突っ走る。こういうのが、かつてあった。以下、過激なのがそのトーク君。

<議題 病院の赤字をどうするか>

「えーそれでは始めます。みなさん、当院の業績は下がってます。呼吸器患者も今月は少なく、単価が下がっております。事務側も命がけで奮闘するつもりですが、ドクター側も・・・」

「そうですねー。ああ、どうしよっかなー」
「呼吸器患者ねー・・・こればかりは、受け入れを待つしかないですよねー」
「事務側も、頑張ってもらわないと」

そこで・・・

「あのさー。さっきから聞いてるんだけど。なんか皆、言ってることよくわかんないんだよね。そのさ。なんていうか。この病院は赤字です。赤字。分かるよ。知ってるって。で?重症患者が欲しいって。事務長さん。そういうことでしょ。でも僕らにさ、それを求めてもダメなわけ。わかる?わかってないってほらぁ。重症が少ない時期ってあるわけ。そしたらどこも閑古鳥なのね。それとほら救急診療ってさ。救急隊が連絡してこないと何も始まらないの。それを手ぐすね引いて待っててもさ。何それってチキン話じゃん。じゃあ動けっての自分から。重症患者、いつでも診ますってあんたらがアピールしなきゃ。本気ならできるって。今から消防署行って土下座しなきゃ。いや行けますって。今。今3時でしょ。本気ならやってるって。ほらもう1分すぎたじゃん。何も変わってないじゃない。この1分1分が積み重なって気がついたらエブリイヤーな感じってわけ。で、あんたさっき命がけって言ったけどさ。これね。辞書で見るとよ?死ぬ覚悟で物事をすること、ってあるわけ。あんた死ぬ覚悟ないよね、どう見ても。どうしてって、どうしてって。ぼくは医者だから分かるわけ。信念がある人間を言うわけ。いわば武士よ。戦いに行く。白血球は抗原提示されて動くわけ。はい僕、提示したから行きなさいよ!は・や・く!」

 ああ、だんだん本筋から擦れていく・・・。



コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年5月  >>
27282930123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

お気に入り日記の更新

最新のコメント

この日記について

日記内を検索