真の孤独

2012年3月22日 連載

 若い世代に心配することの1つに、果たして恥をかくほどの苦い体験をすることができるのか・・・?というのがある。

 もちろん、人生うまくいくにこしたことはない。勉強やスポーツができてモテれば不満はないかもしれない。しかし、必然のようで偶然なのが人生だ。これを必然にすべく努力がいる。1から2にするためには、まず0から1というつらい修行が必要だ。

 1からの出発というのは全体で同じ条件から始めるもので、(平等という点で)出発点からして皆恵まれている。しかし競争社会において落ちこぼれた場合、やり直しを迫られる。その際、自分がすでに遅れているという劣等感から始めることになる。

 その劣等感の中、それでも目の前の1つを独りでやり遂げる訓練が必要になる。自分の経験では予備校生活がそうだが、それにしても一番つらかったのは、つい面接で突っ張ったために予備校の寮の試験にすら落とされたことだ。

 研修医時代でも、いくら徹夜してボロボロになってもそれでも技術や能力が上がらず、上から見切りをいったんつけられた経験がある。このあと原点に戻ってやり直したことも記憶している。いずれも孤独から掘り起こされたものだ。

 こういった経験があるかどうか。いや、今は、むしろさせてもらえない状況にあるのではないか、と思う。

 何がって、真の意味での孤独のことだよ。


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