孤立という危険

2012年4月1日 連載

 医師もだんだんスタッフと打ち解けてくると、次第に本当の仲間ができていく。飲みに行ったり相談事も受け医療の枠も超えるだろう。

 しかし医師はあくまでチームの一員であって、技術が上達してもそれは成長とは言わない。業者はそれを成長と取るが、奴らは医師を商品としか見ていない。技術が上達しても周囲とのやり取りが潤滑に行えないと、いざというときに患者が助からない。自分も患者も孤立するからだ。

 残念なことに、自分の周囲の訴訟問題などの原因のほとんどは、医師の孤立がからんでいる。孤立しているため相談せず、ひたすら独立思考のため周囲を寄せ付けず、また周囲も寄りつかない。プライドから家族への説明や治療すら曖昧になり、結局どこかに穴があく。驚いたことに、わりと技術崇拝系の先生(内科でも)に多い。

 ただ、特定の仲間ができればいいというものではない。限定された仲間は限定されてるだけに孤立した思想を持っている。これは周囲に壁を作ってあらぬ偏見さえ培養される危険を持つ。

 そうすると医師の人付き合いというのは、あくまでも各部署まんべんなく、広く浅くオープンに、というのが理想だと思われる。特定の部署に固執しない。診療でも、好きなものばかりに固執しない。










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